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来年オリンピックが開催できるかどうかは別として 感銘を受けた言葉がありました

2020年の東京オリンピックは、今日現在2021年に行われることになっている。名前は東京オリンピック2020のままだそうだ。ロゴとグッズは非常に密接に関係しており、そこに商標登録の関係などもあろうから、変えることができないのであろう。
現在の状況を鑑みると、このままでは開催は……。その現実は誰しもが感じているだろうが、口にすることはできない。有名人であればあるほど、世に影響力があるのでもっと口にできない。

オリンピックを経済の面から見ても、日本にとって大きな利益をもたらしてくれるのだろう。インバウンドがもたらす利益はもとより、関連するものは全て“特需”となる。オリンピックを口実にしたわけではないだろうが、それに使用する名目で建設された箱物や施設なども、これから有意義に活用すれば、その利益は続いていくことになる。
もちろんこれはオリンピックに限ったことではないだろう。国体などでも、人気のある種目は箱物も新設、あるいは改築される。その費用は国の方からも予算としておりてくるそうだから、日本にとって特需とはなくてはならないものなのだろう。

だが、オリンピックはもちろんだが、スポーツの祭典の持つ力は、何をおいても人間の可能性の限界を見せてもらえることだと思う。そこにやっぱり感動する。
否定するわけではないが、その選手の生い立ちや不遇なところをドキュメントタッチで合わせて紹介するような番組もあるが、私はあれには感動しない。純粋に「すごさ」を見せつけられたいと思っている。(とある局の『熱○○子園』は、私にはもう絶対に無理な番組。逆に冷める。)

でも、忘れられないのが2008年の北京オリンピック。
種目はシンクロナイズドスイミング。(現在はアーティスティックスイミング。)そして、感動したのは選手にではない。
そう。井村雅代コーチにだ。

今では大ファンになってしまい、その著書も多数読んだ。結果を残してきた人の言葉が心に染みた。
どんな理由があったかもその著書には記されていたが、日本のアーティスティックスイミングのコーチといえば井村雅代と言われるぐらいの人であった思うが、ある年を境に中国のコーチに就任した。
日本のアーティスティックスイミングのレベルを世界レベルに引き上げた人がなぜ?という疑問もあったし、誹謗中傷みたいなものもあったようだ。また、中国での井村コーチに対する待遇についても著書には記してある。(これを読むと、改めて日本のスポーツにかける予算の低さに驚く。よくこれで世界と戦っていると思うほどだ。)

北京オリンピックを戦い終えた井村コーチの言葉に、あらためて感服し尊敬した。
自分の教える技術は日本が育ててくれたものという信念。そして、その信念の強さ。日本のコーチが世界にそして日本に認められるために誰に何を言われようと中国のコーチという道を選び、見事メダルを取った。結果を残すことで、日本のコーチのレベルの高さと素晴らしさを自ら証明して見せたのだ。
推測でしかないが、きっと日本のアーティスティックスイミングの協会はコーチに対して畏敬の念を怠ったのだろうと思えて仕方がない。
これはどの競技にも言えることではないだろうか。選手を育てることに重きを置くのはわかる。でも、指導者を育てようとしていないのではないか……。
そういう部分に一石を投じたという意味でも、決断した勇気と教えるという技量の高さには賞賛しかない。


「日本のシンクロはすごいんです!」
メダルが決まった後の井村コーチのことば。
「日本のコーチがすごいということなんです!」

その生き方に憧れてしまう。

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