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もはや新年に感じてしまうクリスマスデーです🎄✨【全文無料】

日本では多くの場合、12月24日の夜にクリスマスイベントがピークを迎えますが、ヨーロッパではクリスマスデー(12月25日)が最も大切な日です。地域や家庭ごとに習慣は異なるものの、25日の昼から夜にかけて家族で集まり、クリスマスディナーを楽しむことが多いかと。

そして、この12月25日というのがめちゃくちゃ日本の元旦っぽいんですよね。渡英してすぐはその奇妙な感覚に慣れなかったものですが…。今では「さあ、今日から新しい年か…」と来年のスケジュール帳を開きそうになり、「いやいやまだ2023年やん!!」と驚いたり、「そろそろお餅でも焼こうかな」と、脳内でクリスマスとお正月がミックスされて混乱のきわみ😂

そのうち、うっかりクリスマスに鏡餅を供えて、お正月にターキーを焼き始めたりするかもしれません。あああ、そうなったらどなたかそっと教えてください…。

今回は、なぜそんな風に感じてしまうのかその理由を書きたいと思います。

街が大変静かである

ロンドンではクリスマスイブの夕方からクリスマスデーには公共交通機関がすべてストップ。ショップや飲食店、ミュージアムなどもほぼすべて閉まり、大半の人は自宅または実家でのんびり過ごしています。今日はとくに雨だったので屋外で過ごす人も少なくて、非常に静かでした。

この空気感が実にお正月っぽいのです。

友人からのメリクリメッセージがすごい

日本では年が明けるといわゆる「あけおめメール」が携帯にどんどん届くという文化がありますよね(まだあるのかな?)。こちらのクリスマスも同様で、欧米系の友人たちからクリスマスデーの朝にばんばん「メリクリテキスト」が届きます。クリスマスカードももちろんイブまでに届きます📪

え、みんな、わたしが仏教徒だって知ってるよね?(笑)でも、こちらではそのあたりはあまり関係なく、新年のあいさつと同じようなノリで送られてくるのです。ああ、お正月っぽいわ…とここでも感じてしまいます。

国王のクリスマスメッセージがある

日本でも1月2日には皇族の方々の新年祝賀が催され、天皇陛下からのお言葉がありますよね。

それと同じような感じで、クリスマスデーにはイギリス君主がテレビを通じてイギリスおよびイギリス連邦の国民にメッセージを送ります。今年は、自然を愛するチャールズ国王らしく、初めて伐採されていない生木のクリスマスツリーが登場して話題に。

また、なんとテーブルの上には(ピントは合っていませんが)江戸時代の日本の漆器を加工したポプリ容器が飾られています。イギリス王室の行為にはすべて意味が隠されているので、これは昨年のエリザベス女王の国葬に日本の天皇皇后両陛下が参列されたことへの謝意か、イギリスが日本とのつながりを強化したいのか、はたまたやはり愛子様がイギリスに留学されるのか?

そして、ガザでの戦闘を念頭に置いての発言でしょう。チャールズ国王は今年、「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」という聖書の言葉を引用し、共感と支え合うことの大切さを強調されました。そしてもちろん、彼自身の大きな関心事である環境保護についても随所に盛り込まれていました。

チャールズ国王は(スキャンダルなどの影響もあって)生身の人間らしいというか、国王となっても背伸びをしないなぁと。イギリスではチャールズ国王は故エリザベス女王に比べると人気が低めですが、それでも国民の過半数(58%)は王室の継続を希望しています。

まとめ:クリスマスやお正月は穏やかに優しく過ごしたい

年末年始のイベントでは、立派なご馳走や豪華なプレゼント(お年玉)につい関心が行きがちですが、世界各地の状況を考えると、安全な場所で穏やかに過ごせることこそが素晴らしい恵みなんですよね。

また、イギリスではクリスマスにはチャリティーも非常にさかんです。ホームレス支援団体による炊き出しや休憩所の提供のほか、先ほど「クリスマスデーにはショップはほぼ休み」と書きましたが、クリスマスに孤独を感じる人のためにあえてお店を開ける人たちも。クリスマスらしい軽食やあたたかい飲み物を振る舞い、どのような人も楽しいおしゃべりで迎えるのです。

そして、それはキリスト教徒だけでなく、ムスリムやヒンドゥー教徒など、実にさまざまな人たちがこのようなボランティアを熱心に実行しています。わたしはキリスト教徒ではありませんが、もしもイエス・キリストがまだ地上に生きていたら、そんな人たちこそ「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」という言葉のお手本だと言うのではないでしょうか👼

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