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子ども達の心に種を蒔いてあげたい

自分の子どもが思春期を迎え、
受験・進路のことを考え始める時期に
差しかかったからでしょうか?

それともコロナ禍で、あちこちへ出かけられず、
人に合えず、コミュニケーション不足に
陥ってしまったからでしょうか?

自分の子どもだけではなく、
日本の子ども達に、できるだけたくさんの
「体験」させてあげたいと、
強く思うようになりました。

子ども達が長い時間、
スマホやタブレットを覗き込んで、
様々なことを「知っている」と
思い込んでしまっていることにも
非常に危機感を感じます。

自分は子供の頃に、
どんな体験をしたんだったかなぁ?

「今の自分に影響を与えた出来事」
の記憶をたどってみました。

1つ目の思い出。

はじめて「ベイクドチーズケーキ」を食べた日の事。
クリスマス会の日に、幼稚園の担任先生が、
クラスの子ども達の為に、ベイクドチーズケーキを
焼いてきてくれたのでした。

耐熱皿2枚のケーキを、クラスのみんなで分けたので、
配られたケーキは、今にも折れそうなほど、
一切れが、とてもほそ~~~いケーキ。

でも、今まで食べたことのない、感動的においしい食べ物。
家に帰ってから、その感動を母に伝えたくて、
何度も何度も母に話しました。

もちろん先生は、子ども達に
「お菓子作りができる子になって欲しい」と思って、
焼いてきてくれたわけではありません。

ただただ、クラスの可愛い子供達を喜ばせようと
焼いてきてくれたのだと思います。

そして、40代になった今でも、
一番好きなケーキは「チーズケーキ」です。

2つ目の思い出。

それは、小学生の頃、
お友達のお父さんの趣味が写真で、
一緒に現像させてもらったことでした。

暗室に入り、写真を焼きたい(映したい)所に
光を当てると、写真の色が濃くなる不思議。
(「ハロゲン化銀」という化学反応を使ったものらしい。)

現像に使う溶液は、毒が含まれるので、
排水溝には流してはいけない。
ツンと鼻を突く、薬品のにおい。

とても難しくて緊張したけれど、
そのパパは、できるだけ子どもにもわかるように
かみ砕いて話をしてくれたり、
できそうな部分をやらせてくれました。

こうして必死に頑張った出来事は、
深く私の記憶に刻まれたのでした。

その後、この出来事は
私が高校生になった時、
理系の道に進むきっかけの1つになりました。

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3つ目の思い出。

それは、高校生の時に、
家族で富士山登頂したときのこと。

富士山7合目あたりで、
「醬油味のカップヌードル」を食べました。

カップ麺、1つ500円。

当時、山の上に荷物を運ぶことは
人力に頼っていると聞いていましたし、
もちろん水も貴重。

いつもの5倍以上するカップ麺を
買ってもらうのを、申し訳なく思いながら、
兄弟で分け合って食べた記憶。

でも、食べて良かった。

富士山は標高が高くなるほど寒く、
夏でも凍える程です。
眼下を見下ろせば、自分よりも下に雲海が広がっている
美しくて不思議な景色。

汗をかき、登山で疲れた心と身体に
醤油の「格別な味」は染み渡りました。

この出来事も、チーズケーキと同じで、
父は「格別な味」を解らせたくて、
食べさせてくれたのではありません。

私達の「お腹が空いただろう。」と
思って買ってくれたのだと思います。

つまり、「子どもの記憶に何が残るか?」は、
「コントロールできない」と思うのです。

子どもの進路も然り。
子どもは「自分の経験や記憶」から、興味があるものを選び、
「楽しいこと」や、「やりたいこと」を
見つけるのだと私は思います。

だから、「親が子供の人生にレールを敷く」なんて、
とんでもないことだとも思います。

私が子ども達にしてあげられること、日ごろから気を付けていることは、
期待せずに、できるだけたくさんの「体験」をさせてあげること。

酪農家にさせたくて、
子どもを牧場に連れて行くのではありません。
アイドルになって欲しくて、
ライブに連れて行くのではありません。

人生の「きっかけ作り」に行くのです。

その時に食べたアイスがきっかけで、食品メーカーで
働くことになるかもしれない。

アイドルを追いかけているうちに、
かけがえのない友達ができるかもしれない。

人生、本当に何が起こるかわかりません。
だから「きっかけ」でしかないのです。

逆に言えば、選ぶ材料(経験)がなければ、
子どもは「自分の進みたい方向を選べない。」とさえ思います。

だから「体験」が非常に非常に大切だと思う。

今朝、私は、
小学1年生の娘のクラスで、
本の読み語りをしてきました。

幼児さん位の子どもと遊ぶのが大好きな私。
読み語りはただただ、私が楽しくて
何年も続けている「趣味」のようなもの。

30人以上の子ども達が、
一冊の絵本に集中して「シーン」とする
タイミングも好きだし、
絵本の内容に突っ込んだり、
面白いセリフに爆笑するタイミングも好き。

そして、私の仕事は料理講師。

だから、今年は読み語りに使う本を
「お料理に関する本」に絞りました。

私は他のママよりもちょっとだけ
お料理が得意で、お料理の楽しさや
良い所を伝えてあげられる自信はあります。

今日読んだ本は2冊。

「カレーのひみつ」(ひさかたチャイルド)と、


「ハンバーグハンバーグ」(ほるぷ出版)です。

本を読んでもらっただけでは、
ワクワク感が足りないと思う。

もっと五感に訴え、体験してもらう為に、
「本物のスパイス」と、「こねる前のハンバーグのたね」を
持って行きました。

子ども達はスパイスのにおいを嗅いでもらうと、
口々に感想をしゃべり始めました。
「クサイ!」と叫ぶ子。
「いいにおい♡」とウットリする子。

「お肉冷た~い!」とか
「もみもみ楽しい~♪」

子ども達は、いろんな感情を
感じてくれたと思います。

うん!これこれ!
これが大事なんだ!!!

クラスの半分以上の子どもは、
カレーもハンバーグも作ったことがあるそうですが、
作ったことがない子も何人かいました。

それは、恥ずかしい事でも何でもないし、
興味を持ってくれたなら、
おうちで作ってみてくれたなら、
むしろ今日、読み語りをした甲斐が
あったというものです!

そして、もしかしたら、もしかしたら…

私の読み語りがきっかけで、将来、
「お料理が好きになりました。」とか、
「僕は△△になりました。」
という話が、聞けないとも限りません。

もちろん「きっかけの種」は、
芽を出さないかもしれない。
「子育て」って、そんなものだと思う。

芽が出なくてもがっかりせずに、
いつか出るかもしれない「芽」を
気長に、楽しみに待ちたい。

誰かにやってと言われなくても、
喜んでくれる人がいる限り、
子ども達の心に「可能性の種」をまき続けたい
と思います。


毎日のおうちごはんのことで困っている人を減らすために毎日頑張っています。今はYoutube撮影用の機材購入の資金に宛てさせて頂きたいと思っています。