ゆきたまこ

日々考えたことを書き記しておく。読書感想文など。

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最近の記事

著名人の不倫報道について思うこと

芸能人や政治家、そして最近は経営者の不倫が世間で問題視されている。不倫など性にまつわるスキャンダルは、現代社会においては社会的な死刑執行にも匹敵する大罪かのように取り扱われているように感じる。 性犯罪は別として、私は不倫がなぜここまで問題視されるのかが全くよくわからない。もちろん私が私のパートナーに不倫、あるいは浮気でも、されたら絶対に嫌だ。傷つくだろうし、パートナーに対して怒りや恨みを抱くこともあるだろう。でもそれは、あくまで「私が」、「もしパートナーに不倫されたら」とい

    • 男性、女性についての議論に思うこと

      松本人志さんと週刊文春の裁判が始まり、きょうの昼のワイドショーはこの話で持ちきりだった。 ようやく、松本さん側の主張と週刊文春側(A子さん)の双方の主張がテーブルにあげられ、それを元に議論していた。初めからこの形での報道がされていればとは思うが、おそらく裁判に合わせてニュースバリューが最も高まったタイミングで出したかったのだろう。 松本人志さんのファンではないが、今回の文春報道や報道後の世間の反応、男女の性を巡るトラブルについて感じたこと、それを言語化して記しておきたい。

      • 松本人志さんと週刊文春の裁判に寄せて、報道被害を考える

        松本人志さんと週刊文春の裁判がきょうから始まる。 昨年末から一連の週刊文春の記事を読んできて、また、それらに関連する報道やニュース、マスコミの対応について、私個人として感じたこと、考えたことをまとめておきたいと思う。 私は特に松本人志さんのファンではない。もちろん知らないわけはない有名人だし、年末のガキの使いは毎年楽しみにしていた。M-1やキングオブコントでは松本さんがファイナリストたちをどう評価をするのかを興味深く観てはいた。でもそれ以外の冠番組は見ていない。 好きな芸

        • 記者という仕事や報道について思うこと(情報との向き合い方)

          読書感想文ならぬ、マスコミ感想文。 私は以前記者の仕事をしていたので、今でも新聞やテレビ、ネットや週刊誌を含めいろいろな媒体から情報を収集している。 かつてその業界に所属し情報を発信する側にいた者として一つ主張しておきたいのは、一つの事象に対して一つの媒体(ソース)から取り入れた情報を元に物事の真偽やそれに対する自身の意見を構成するのは、極めて危険ということだ。なぜなら、記事や情報を発信する記者というのもただの人間である以上、記事や映像化する際にどうしてもその人の主観や価

        著名人の不倫報道について思うこと

          冬の一等星(きみはポラリス)

          2年前の日記というか読書感想文を久々に読み直した。若いなって感じている笑 今の自分の視点から2年前の自分を眺めると、なんだかずいぶん遠くまできたなという思いがして、非常に感慨深い。社会人になってから高校や中学を訪れたときの感覚に少し似ている。大人になった自分が、かつて青かった自分を思い返して、ああ成長したな、少しは賢くなったな、周りの人を気遣えるようになったな、自由になったな、でも昔はもっと純粋だったな、もっと人にやさしかったな、呆れるくらい馬鹿正直で素直だったな…そんな自

          冬の一等星(きみはポラリス)

          クライマーズ・ハイ

          日本にとって8月は1年の中でも最も特別な時期なのだと、子どもの頃から感じていた。 夏休み期間、お盆でなんとなく世の中全体が「お休み」モードに入っている気がする。世の中全体の流れ、時間の流れが止まっているかのような、不思議な感覚。 もしかしたらお休みモードというよりも、常に、未来、将来、先へ先へ、前へ前へ、と向かい続けている私たちの意識が、1年のこの「8月」という時期は、過去や昔のことに想いを馳せているからなのかもしれない。 1985年8月12日に起きた日航機墜落事故。当

          クライマーズ・ハイ

          クリームソーダのチェリーを見てもカリ梅としか思えない

          この暑い中、なんのあてもなく街に繰り出して案の定何もすることがなく、とっさに入った喫茶店でクリームソーダを頼んだ。 無心で上部のアイスクリームを貪っていたら、アイスと氷の間ぐらいに赤くて丸い物体が一つ浮かんでる。 コンビニ弁当の上に乗ってるカリ梅かと思ったそれは、チェリーだった。 まさか本気でクリームソーダにカリ梅が入っていると思ったわけではない。クリームソーダのチェリーを見ても「コンビニ弁当のカリ梅」としか感じられなくなっているという、私自身の心の「干からび」に恐れ慄

          クリームソーダのチェリーを見てもカリ梅としか思えない

          六人の嘘つきな大学生

          いったいなんのワードで検索していたのかわからないが、ネットサーフィンをしていたら偶然見つけた。今かなりの話題本らしい。本当は本で買いたかったけれど、すぐに読みたくて電子書籍で買ってしまった。 あらすじはこうだ。ある企業の最終面接に選ばれた6人の大学生たち。最終面接はグループディスカッションだが、まずは1ヶ月かけてこの6人で最高のチームを作り上げるよう指示される。グループディスカッションの出来が良ければ6人全員が内定もあるとのことで、6人は1ヶ月間、共に議論し仲を深めながら「

          六人の嘘つきな大学生

          星影さやかに

          久々の読書。今日は一日本を読みたいなと思い、本屋さんに行ってじっくり吟味した結果、古内一絵さんの新刊「星影さやかに」を買った。するすると読みやすく、一気に読了できた。 本というのはすごく不思議なもので、なんの気無しに手に取っただけの本の内容が、自分自身の今の心情とリンクしていたりすることが多い。まぁ、小説の世界を映し出す私の内面世界の色が多分に滲んでいるからなんだろうけども。 私は小説を読んでいる時、読んでいるというよりは「観ている」という感覚に近い。文字で表現された世界

          星影さやかに

          何者

          朝井リョウさん原作の映画「何者」をHuluで観た。2016年公開だったので、もう結構前だったのか。公開当初から観たいなーと思いつつ、でもなんだかみるのが怖いな、と躊躇していたら、今日まできてしまった。 この話の「怖さ」の要因は、物語全体を貫く大きなテーマが「人の存在価値ってなんなのか?」ということだからのように思う。それを「就活」という舞台でもがく大学生らを通じて、嫌というほどまざまざと見せつけられ、考えさせられる。 就活の記憶は私個人にとっても本当に精神的にしんどかった

          52ヘルツのクジラたち

          今年の本屋大賞ということで、町田その子さんの「52ヘルツのクジラたち」を偶然本屋で見つけて購入。新書だけど小説はやはり紙がいい。タイトルにある52Hzのクジラというのは、他の鯨と違う周波数で鳴いていることから、仲間の誰にもその鳴き声をキャッチしてもらえない、世界で一番孤独な鯨だそう。その意味を知っただけですでに号泣(@本屋) わかりやすい話だな、というのが率直な感想。親に虐待されてきた女性と、リアルタイムで虐待されている少年が出会って…というストーリー。 「助けて」という

          52ヘルツのクジラたち

          ファーストラヴ

          「なぜ娘は父親を殺さなければならなかったのか?」 帯のこのコピーにつられて本屋で思わず手に取った島本理生さんの「ファーストラヴ」。 初めて読んだのは2年くらい前な気がするが、何度も読み返してしまう一冊だ。今年に入ってから映画化されたこともあり、また読み返していた。 アナウンサー志望の女子大生が父親を刺殺した容疑で逮捕され、その少女と臨床心理士の主人公のやりとりから、少女の過去と事件の真相が明らかになっていくという物語。 主人公は少女の心の世界に一歩一歩踏み込んで、過去

          ファーストラヴ

          花束みたいな恋をした

          恋愛であれなんであれ、人と人との関係性の「終わり際」にどうしても惹かれてしまう。 たぶんそこに、その関係性が自分にとって一体なんだったのかという答えがあるように感じるからだ。 坂元裕二さんの「花束みたいな恋をした」は、ある男女の恋愛の始まりからその終わりまでを描いた映画だ。流行に疎い私は最近この映画の存在を知ったのだが、結局映画館に行くタイミングを逃した。なので書籍で読むことにした。 物語の中で主人公の2人は蜜月のような関係から、徐々に徐々にすれ違っていく。目に見えない

          花束みたいな恋をした