お化け屋敷とあたたかいお家
つづき。
お化け屋敷から抜け出せたのか、はわからない。
でも空が青い、とは言えない、ような気がする。
今はお化けたちは追っかけてこないけど、まだ追っかけてくるような、気がする。
もうこの時点で2回も「気がする」を使った。
何もないのに、過去の話だ、と思っても、まだとらわれ続けている。
考えても仕方のない未来のことにも、とらわれ続けている。
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そもそもお化け屋敷の怖いお化けたちは、わたしが勝手に妄想し、つくりあげたものたちだった。彼らだって、メイクや衣装を変えれば、笑ったり、泣いたり、喜んだり。仲良くなろうと思えば、「ちーっす!」なんて挨拶して、仲良くなれていたかもしれないのに、わたしが全て悪いものに仕立てあげて、決めつけて、つくりだしてしまったものだったんだ。
ものすごく怖いお化け屋敷を、長年かけてコツコツ作り出してしまったのは、わたしだった。
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わたしは幼い頃からよく泣く子で、不安で心配性で、常に何かに怯えていた。失敗を恐れて、挑戦もあまりできなくて、なんだかワンテンポ遅れるし、そんな弱くてダメな自分が大嫌いだった。だから、追い立てるように「変わらなきゃ、変わらなきゃ」って思い続けていた。
1人で強くならなきゃ。
わたしにとって、1人=強さだった。
一匹狼のような強さにずっと憧れていた。
馬鹿だった。
そもそもわたしは狼じゃない、人間や。
「人という字は、人と人が支え合っている字を表したもの」と言った、金八先生の長髪が思い浮かんだ。
弱いのが悪いんじゃなくて、1人で強くなろうと思っていたのが、間違いだった。そんなことできるわけがないのに、すぐに勘違いする。そこが一番馬鹿だったんだ。
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3ヶ月、色んな人に泣きつき、本当に多くの人に助けてもらっている。
一番大きかったのは、やっぱり家族の存在だ。
何回も何回も背中をさすってくれて、皆「ひとりじゃないのよ、あなたは」と言ってくれた。ずっとずっと、わたしの支離滅裂な暗い悩みに、付き合ってくれた。
強くならなきゃって、もう思わなくてもいいのかもしれない、と最近は思う。
なんとかなる、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫。
なんとかなっているから、ここにいるんだよ。
不安ばかりを探していたけれど、そんな自分も、心配性の自分も、抱きしめていけるように、なりたい。
今、今のこの瞬間の自分を、抱きしめていきたい。
まだまだ不器用だけれども、きっとできる。
ありがとうございます。文章書きつづけます。