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ぼっち飯ですが何か


 最近のお昼ご飯はおにぎり2個と決めている。事前に冷凍していたものを朝レンジで温めて、ペットボトルに入れたお茶とともに持っていく。そしてお昼になったらふらっと外へ。なんとなく座れそうなベンチを探して、手軽に済ませる。今の時期は金木犀の香りが漂って、晴れている日は空が高くてすごく気持ちいい。時々聞こえるご老人の会話にひとり、心のなかでくすくす笑いながら、ゆるゆる過ごす。職場で過ごす時間はあんなにせかせかしていて気が張っているのに、外はこんなにゆっくりした時間がながれているのだな、と思うだけでとても安心するのだ。

 ぼっち飯、というとさみしいイメージがあるのだろうか。わたしはこのぼっちの時間で少し体力を回復して、午後からの辛い仕事もさぁー頑張るかいの、と思えるのだけど。唯一誰かの悪口も雑談もしなくていい、ひとりになれる時間だから。

 この雑談、がわたしはどの職場にいっても苦手だった。2人だったらなんとかもつのだけど、3人4人集まれば会話についていけなくなって、そのうち相槌マシーンみたいになる。苦痛だった。その会話も最終的にその場にいない人の悪口、という流れになってしまうのも嫌だったし(もちろんわたしも言われている)、そんなことに貴重なお昼休憩を使いたくない。失礼ながら、相槌を打ちながらもあぁ文庫本が読みたいなぁとか、少し考え事して頭の中整理がしたいなぁとか、別のことを考えてしまっていた。

 ある日のこと。その日は窓から日差しが入ってすごくお天気がよくて、風が気持ちいい日だった。

こんな日にお昼、外で食べたらおいしいだろうなぁ…と思った。

…ん?
お弁当を休憩室で絶対食べないといけないルールって別にないよね?

…外で食べよう!

そう思ったのが、外で食べるきっかけだった。近くにベンチがないのでベンチを探すのが割と大変だったし、この日持ってきたのはお弁当だったから多少食べにくかったけど、でも文庫本を読む時間と少しでもぼーっとする時間ができたのでちょっと楽になった。そしてやっぱり高い青空の下で食べるのは気持ちよかった。

それ以来、外でも手軽に食べられるように、お弁当からおにぎりに切り替えた。最近見つけた神社近くのベンチは、木々が秋らしく色づいていてなかなか風情があって良い。(ここで食事をしていいものか未だによくわからないけれど…一応神社の敷地内だから。でも神様ならきっと許してくれると信じている)

これからの季節はこういうスープとおにぎりの組み合わせもなんかよさそう。

そして金木犀といえば最近よく聞く曲。

秋、季節のなかで1番好きです。

ありがとうございます。文章書きつづけます。