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物語のはじまり

もう2ヶ月くらい前になるんですが、精霊の守り人を観ました。
なかなかの激戦でしたね…チケット…
でも、上橋さんの物語が大好きな私としては、どうしても観たかったので、何とか頑張りました。
上橋さんのお話は、大人の私が読んでもドキドキして、読む手を止め難く、いつも先が気になって仕方なくなってしまいます。
一番新しい『香君』もおもしろかったです。
ただし、あれを二次元であろうが映像で見る勇気はありませんけど…虫ダメなので…文字ですら鳥肌ぞわざわでした…_:(´ཀ`」 ∠):


今回、私が観たキャストさんは、
バルサ:明日海りおさん
チャグム:入江大牙さん
タンダ:山崎樹範さん
でした。
2時間くらいでしたかね。

*以下、ネタバレを避けたい方はそっと画面を閉じてください。


短槍遣いの女用心棒、バルサが新ヨゴ皇国の第2皇子であるチャグムを偶然助けたことをきっかけに、チャグムの母、ニノ妃から用心棒となり彼を連れて逃げてほしいと請われます。
水の精霊の卵をその身に宿してしまったために、国の威信を揺るがしかねないと父親である帝から命を狙われているチャグム。
渋々ながらバルサはチャグムの用心棒を引き受け、宮から脱出します。
しかし、2人は帝からの刺客と闘いながら、同時に精霊の卵を狙う魔物からも追われることに…

ファミリーミュージカルなので、お子さん向けの感じはありました。
チラシも絵付きの相関図やキーワードが書いてあったり、演出や言いまわしなんかもわかりやすいような工夫をされてました。
作品を深掘りするというより、そちらに重きを置いた舞台になっていたように思います。
図書館とかの読み聞かせ会の空気感を、ふと思い出しました。
そもそも、あのお話を歌ありで2時間…って、なかなか至難の業な気がする。
そのあたり、上手にこの物語の流れをわかりやすくまとめておられたなぁと思いました。
もともと、まず子どもたちに観てほしい作品だったはずで、必死にチケット取った我が身をふと振り返ると、何だか大人げなかったかしら…ごめんよ…という気持ちにもなりつつ。
ただ、客層は結構幅広い気がしましたので、それだけいろんな層から愛されてる物語なんだろうなぁと思います。


いやもう何より明日海さんのバルサがですね…とてつもなく格好よくてですね…惚れ惚れ(*´∇`*)
立ち姿の美しいこと、憧れる。
原作よりジェントルな感じが表に現れてました、包容力よ。
原作のイメージだと、基本的にバルサは感情の起伏が平坦、だからふとした瞬間に見せる激しさと優しさがガツンとくるんですが、明日海バルサはどちらかというとジェントルマンです、ものすごくイケメン…(´∀`)✨

各方面から命を狙われて、戸惑い、訝しみながらもバルサと少しずつ信頼関係を築いていくチャグム。
サグとナユグという並行する2つの世界の間を幻惑する彼の役は、生身の舞台上では結構難しい気がしました。
難しい中でも入江さんは、ご自身の表現を模索されたのではというのが感じられて、お若いけどしっかり役者さんなんだなと。
バルサについていく姿がだんだんと、お話の進行とともに信頼感を帯びた感じに変わっていくのも良かった。

バルサの幼馴染で呪術師見習いのタンダは、山崎さん。
やましげさんのお母さん感全開のタンダ、大好きです笑
観てる子どもたちの笑い声のために演っておられるんだろうなと、優しさを感じました。
老若男女問わず、チャーミングなのはほんと最強だよなぁと改めて。
そゆとこ好きすぎるし、憧れる。
そして最後、カーテンコールで明日海さんにシグサルアの花をあげるの、格好良すぎやしないか。

ニノ妃と呪術師トロガイという極端な2役、雛形あきこさんの変貌ぶり。
高島礼子さんのトロガイも好きでしたが、雛形さんのトロガイもまた良き。
どちらも美しい方ですが、あの風貌をこなせるという強さよ。
トロガイの衣装、大変そうだなぁ…舞台裏でどんな変身が行われてるやら…

凛とした渡辺秀さんの狩人ジンをはじめ、狩人らの殺陣も格好よかったし、対する水石亜飛夢さんのシュガも美しかった。
人形のように起伏のない唐橋充さんの帝が、緊張感のある空気で要所で妖しくピリリと効かせてくださいますし、アンサンブルさん方の松明をかかげながらの夏至祭の歌なども好き。
あと、声出演の麻実れいさん、あのお声、ほんと好きです。
歳を重ねた末に、あのお声に到達したい…到底夢のまた夢だけど…(´ー`)フッ
また月末にアナスタシアで拝見できるのが、楽しみで仕方ないです。

お衣装、精霊の守り人のイメージにぴったりですてきだったし、ファンタジー感満載の物語をスムーズに展開しつつ子どもたちにもわかりやすいよう舞台美術も工夫されていて、いろんな優しいが詰まった舞台だったなぁと思いました。

精霊の守り人は、守り人シリーズの1作目ですね。
舞台はもちろんこの1作目で終演ですが、ここからさらに、バルサたちの物語は広がっていきます。
また改めて、読み直したいなぁ。

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