くだてと(Teto)

何者にもなれない、世界も救えない、運命も背負っていない、そんなとあるゆうしゃの冒険記録…

くだてと(Teto)

何者にもなれない、世界も救えない、運命も背負っていない、そんなとあるゆうしゃの冒険記録。普段は撮ったり製作したり踊ったりするナンデモや。現実の自分のこころと向き合う旅を、フィクションの力を借りて残してみるセーブデータ。冒険の中で書き残した雑多、乱文な記録。ゆったり更新。

最近の記事

ゆうしゃの独り言001

うごかないSNSで ただ独り言のように 私を残してみる旅をする 誰に見て欲しいでもなく たくさんの目に触れて欲しいわけでもなく されど コンクリートの裂け目から 這い出て陽を浴びようと小さく生きる 名も知らない植物さんみたいな 確かにそこで生を営んで ネットの海の塩水にも 身を沈めてみたりして 何か見つかるだろうか 強い塩味の中に萎れるのが先だろうか そんなことより 私は私でありたいから もう少し進んでみようじゃないか きっとここで考えていても、見てみたい未来はやってこない

    • ナンデモや始動

      ・・・now loading・・・ 世界は毎日活気があって 世界は仕事であふれていた ゆうしゃは何者にもなれない気がした 何者にもなれないと思ってしまう自分が虚しかった いっそ運命を背負っていたのなら 道にも迷うことはなかったのだろうか いやきっと、その時はその時で運命に抗いたがるんだろう なんとも浅ましいけれど、それがきっと自分だった 何がしたいのか、何が好きなのか、 夢もたしかにあったはずなのに そしてたしかに叶えたこともあったはずなのに 必死にかき集めては、風で舞

      • ログ*メモの切れ端

        ・・・入手:ログ*メモの切れ端・・・ 深夜の電車 目立ちたくなくて 誰の目にも入りたくなくて こわくて恐怖で 漂うのは換気でも消えない 酒のにおい 唯一目が合わせられたのは 窓に貼られた 広告の女優のまっすぐな目 それすら逸らしてしまうのは 自分にはできない目だと思ったから 空虚な自分を見つめられるのが 嫌だったから ああ私も酔いの淵にいれば このにおいにも たくさんの目にも 疎くあれたのだろうか けれど、思うだけ この怖さからの逃避 またこうやって スマホのメモを開くだけ

        • ログ*写真詩⇆順不同⇆

          ・・・入手:ログ*写真詩⇆順不同⇆・・・ ばらばらになった物語 かき集めて並べてみる 起承転結なんて守らずに 目まぐるしい物語を生きている そんな私がそこにいた ーーー 過去に書きのこした記憶。詩。 思ったようにはいかない人生だけど、 いや だからこそ 私は私なのかもしれない、と思います。 photo & lyrics by myself ーーー ・・・閉じる・・・

        ゆうしゃの独り言001

          アイテム:古いカメラ

          一体いままでどうやって仲間に会っていたのか、 一体いままでどうやって話していたのか、 一体いままでどうやって笑っていたのか、 ゆうしゃには思い出せなくなっていた。 なにか、なにか、うまく会う口実が欲しくて、 そんなことを思える並みにはプライドがあることに苦笑いしつつ ゆうしゃは必死にポーチを漁る なにか、なにか、あってはくれないか 大切なものの、奥底、冷え切ったそれは小さく光る ≪アイテム:古いカメラ≫ ああ、思えば小さいときから大好きだった。 自分が撮るのだと、身の

          アイテム:古いカメラ

          ログ*写真詩「どっちもあるから、すてき」

          ⇆どっちもあるから、すてき⇆ 「おなじ」も、すてき。 「ちがう」も、すてき。 大切なのはきっと、認め合うこと。 ーーー お花を見て、思った、拙い記憶。詩。 こういう作品たちもせっかくだからノートにも残していってみますのログたち。収集要素です。拾っても、拾わなくても。 同じ花が一面に咲いて美しく見える花畑もあれば、カラフルなお花が咲き誇って美しく見える花畑もあって。 どちらも互いに際立て合うように、美しさを引き立てあっていているのが素敵なように、みんながいて素敵なよ

          ログ*写真詩「どっちもあるから、すてき」

          ジョブ習得:チューナリスト

          ・・・now loading・・・ ねえ、ゆうしゃ、 あなたは多分、チューナリストというジョブを習得していた。 相手に合わせて自分をチューニングすることのできる能力。 ただし、すこし過剰に、かもしれないけれど。 みんな自分の音を奏でて生きていて、それは素晴らしく美しいけれど、 でも自己満足な音たちだけが掻き鳴らされているだけでは、あまりに耳障りな世界になってしまって。 ≪彼らは決して、自分というものを持たない「弱い人間」ではない≫ 今日もどこからともなく素敵な和音が聞

          ジョブ習得:チューナリスト

          #8 変わることを受け入れますか ▶はい

          セーブデータ8 どれくらい時が経っただろうか いつのまにか眠っていて イヤフォンは外れていた 鳥が囀る 人々が喋る 木々が騒めく 風が唸る けれど、たしかに、鮮やかで 鳥が唄い 人々は笑い合い 木々は風を纏って 風は色を運んでいて それはとても受け入れ難いとはいえない、紛れもなく以前とは違う、不思議とこころに流れ込んでくる音たちで 季節が春と知り もう一度大切な人に会いたいと思い また木漏れ日を浴びて 風を香り纏って歩きたい 優しい音だった。 そうだ、会いに

          #8 変わることを受け入れますか ▶はい

          ログ*2022530

          ・・・入手:ログ*2022530・・・ 皆様、改めまして、はじめまして! 私、くだてと(Teto)は数年前からうつ病や過剰適応をはじめとした、いわゆるこころの病気たちと向き合っています。今日!はじめて!言えました! 文字に起こせばたった数文字。なのにとっても重かったそれが吐露できた今日が、なんだかとっても清々しい気がします。 ああああの!何も暗い話や、ご心配をかけたいがためではなく!!!どちらかといえば、すごく前向きな一歩のために、口にする決意を致しました。 ≪いつか、は

          #7 アイテム:延命イヤフォン

          セーブデータ7 カットが変わる映画のような、 暗転のある舞台のような、 そんなある日突然、 …なんて都合よいことはなく。 永遠のように長く感じるほどの時間の中で ノイズは永遠となり続けて 「掻き消そう」 最初はそんな思いからだった。 懸命に手を伸ばしイヤフォンを手に取る。 耳につけて、音楽を流し込む。 止まっていた景色が、動き始めた気がした。 歩みに力がでる、目に光が宿る 音楽中毒だろうと構わない、 今は入れたい音と声と呼吸と音楽と旋律と そんなすべてで満た

          #7 アイテム:延命イヤフォン

          #6 状態異常:過剰耳

          セーブデータ6 鳥が囀る 人々は喋る 木々が騒めく 風が唸る 全てがゆうしゃを取り巻いて それはまるでノイズのように耳障りで 鳥は唄い 人々は笑い合い 木々は風を纏って 風は色を運んでいる ただそれだけなのに きっとそれは美しいのに ノイズのように騒めいて 言葉ととれてもそれは否定的で ≪状態異常:過剰耳≫ ゆうしゃにはまだわからなかった 自分が状態異常にかかっていたことに ゆうしゃにはまだ聞こえなかった たくさんの背を押す大きな声たちや 美しく舞い踊り取り巻い

          #6 状態異常:過剰耳

          #5 変わ※&”ますか ▶︎いいえ

          セーブデータ5 鳥が囀る 人々が喋る 木々が騒めく 風が唸る もう止んでくれ、静まってくれ。 私はたしかに“わたし”であったはずなのに。 そう信じて、そしてそうだと言われ、進んできたはずなのに 道を誤ってしまったのか、いやそんなはずは。 お前は森の奥深くに、深みにはまったのだと 声は、声たちが、言うのだ いや、そう捉えてしまうわたしは、やはり… 「抜け出すには、変わるのだ」 口々に聞こえて来る 道を振り返ってみる。 真っ暗闇だが、踏みしだいた確かな道なき道がい

          #5 変わ※&”ますか ▶︎いいえ

          #4 迷いの森

          セーブデータ4 いつのまにか踏み入った森。 正しい道を進まないと入り口に戻ってきてしまう。 ここが噂の迷いの森。 森を一生懸命に掻き分けて歩き進めていた頃、 正しいかはともかく、自分なりの最大限を尽くして生きていた。 正しい道に微かに聞こえるこころの高鳴りに耳を澄まし、しっかりと道を選んで。 森では沢山の敵と出会った。 戦い方なんて知らないけど、大切なものを守るために、死に物狂いで盾を握りしめた。 笑うことこそ武器であり、剣だった。何があっても笑って毅然とする強さを覚えた

          #3 音楽中毒

          セーブデータ3 世界はいろんな音で溢れている。 生活音、人の声、足音、車、電車、機械が動く音、風、鳥の唄、雨粒が落ちる音… 真っ暗闇にいると、 過剰なまでにその「音」が騒音に化けて耳に侵入していた。 朝が来たよと伝える鳥の唄には、 また何もない朝を生きて迎えてしまったと涙し。 賑やかに花咲く人の笑い声には、 楽しいって何だっけ、どうやって笑うんだっけと涙し。 何気ない生活音には、 何もできないのに生きていてごめんなさいと涙して。 だから全部騒音だと思うようにしていた

          #2 剣と盾が導く先

          セーブデータ2 幼少期からあったのか、歳を重ねて得たのか。 どちらにせよ、生き延びていくために身につけたもの。 守りぬくための盾と、立ち向かっていくための剣。 ゆうしゃの場合、手にした剣と盾は笑い属性だった。 それに隠密行動スキルをカスタマイズした装備。 どんなに辛くても、笑って気丈でいること。 誰にも心配かけぬよう隠し通すこと。 辛い悲しい悩み怒り…そんな感情なんていらない。 消し去るように、また笑って。 そう、わたしはたのしいんだ。きっと。ぜったい。 慣れない装備と操

          #2 剣と盾が導く先

          #1 わたしがわたしのゆうしゃになる

          セーブデータ1 開くことを忘れたカーテン。日が差すことのない部屋。転がり続けるベッドの上。 聞きたい訳じゃない、ただ耳に入り込んでくる全てのものを掻き消したくて耳から音を流し込む。ただ、音を。 感情を失っても涙は止まることはなく、でも泣き叫ぶ力さえもうない。 そしたらそのうち、涙すら出なくなって無になった。 果てしない真っ暗闇に突き落とされた数年前。 得意だった笑顔の、笑い方も忘れてしまった。 もう、おわってしまえばいいとおもった。 それなのに。 あれからどのくらい経っ

          #1 わたしがわたしのゆうしゃになる