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ルールも役もスコアもカードもぶっ壊して無理やり超高得点を叩き出すデッキ構築ローグライクポーカー『Balatro』で時間が溶けた(感想)

凄い!久しぶりに瞬きをしたら2時間経ってるくらい夢中になるゲームを見つけました。
海外ではリリース直後から話題になっていたようで、ゲームメディアの記事から興味が出て購入。PC版でプレイしていますが、β版の日本語訳は特に問題なくプレイできています。

ゲームは単純に、ポーカーとローグライク。
根本のシステムはSlay the Spireのようなデッキ構築であり、自分のデッキ(トランプのカード)をいかに「役が高得点になるように」構築していくかがカギとなるゲームです。


基本

まず、基本的なルールです。
このゲームはステージをどんどん進んでいくシステムとなっています。ステージクリア型のゲームです。
各ステージには「クリアするためのスコア」が表示されています。
ポーカーの役を揃えるとスコアに換算されるわけですが、それも最初に決められています。

基本のスコア

プレイヤーは既定の回数(スタート時は3回とか4回ほど)、ポーカーの役を作り、その合計点で、ステージクリアに必要なスコアを超え、各ステージをクリアしていきます。

最初のステージをクリアするのに必要なスコアは300点。まあ、そこまで難しくはありません。
でも、これが後半になると、数万点などになってくるのです。ステージ数は3ステージ×8ラウンドであり、ステージが進むごとにクリアに必要なスコアは高くなっていくため、たまたままぐれで高スコアが出せてステージクリア、ではゲームクリアできません。常に安定して高スコアを出せなければいけません。

しかし、先ほどのスコア表を見る限り、3回4回の役の合計点では数万点なんて出せるわけがありません。
ではどうするのか。
ポーカーのルールそのものを変えてしまえばいいのです。



様々なルールを改変し、高スコアを狙う

このゲームのコアなシステムであり、最高に面白いところ。
それが、ポーカーそのもののルールを改変してしまうところです。

先に書いた通り、プレイヤーはポーカーの役を揃えるわけですが、ゲームクリアの、いわゆる合格スコアに対して、役を揃えたスコアはとても低いもの。ではどうするか。
役のスコアそのものを上げるという改変をしてしまえばいいんです。

各ステージ後には、クリア時の状態によりいくばくかのお金を手にすることが出来ます。それをもとに、ショップで有用なカードを買うことが出来ます。

そこで購入できるカードのうち一つが、「惑星カード」と呼ばれるもの。
これは、特定の役のスコアをレベルアップすることが出来ます。
役のスコアは「チップ」×「倍率」という計算式となっており、レベルを上げることでスコアがどんどん高くなるという仕組み。
これで、同じ役でもどんどんレベルを上げることで高スコアになっていきます。

ただし、これだけではまだクリアは安定しません。
例えば、同じ絵柄で5枚のカードを揃える役「フラッシュ」を出したいとします。

手札から不要なカードを捨て、新たに引き直す取捨選択(ディスカード)を繰り返すことで、フラッシュを揃えることは出来ますが、一方でディスカードの回数も有限。出来る限り早く、確実にフラッシュを揃えたい。そんなときにどうすればいいか。
トランプのカードそのものを改変してしまえばいいわけです。

そこで登場するのが「タロットカード」。これも惑星カードと同じように、基本的にショップで購入します。

惑星カードは役のスコアを上げるカードですが、タロットカードはもっと広く、どちらかというとトランプそのものを改変する内容が多いです。
フラッシュを揃いやすくするにはどうするか。フラッシュという役は同じ絵柄の5枚が必要なのだから、絵柄の枚数が偏れば偏るほどいいわけです。

タロットカードの中には、「カード3枚のスート(絵柄)を変える」といった効果や、「特定のカード2枚を消去する」といった効果があるものがあります。
仮に、トランプのカードの絵柄が改変され、ハートばかりのトランプになったら。これはもう、フラッシュがとにかく揃います。タロットカードの効果で、ダイヤやクラブやスペードのカードをハートに変えてしまったら、それはもうフラッシュを揃えるのは容易くなります。もしくは、タロットカードの効果でハートの絵柄のカード以外を消去してもいいかもしれません。これも逆に、ハートが手札に揃いやすくなりますね。

タロットカードの効果は他にも多く、「任意のカードにボーナス効果を付与し、そのカードを使って役を作った際にはスコアが高くなる」など、間接的にスコアを高くするものも。戦略性が深くなるカードです。

加えて、さらにスペクトルカードというハイリスクハイリターンなカードもショップに登場します。

これらの特殊なカードで、ポーカーに用いる役やカードを「任意の役が揃いやすくする」「任意の役のスコアを高くする」という方向にどんどん改変していきます。4つの絵柄と13の数字で構成されたトランプは、ゲームが進むほどそのバランスがめちゃくちゃになっていき、プレイしていても計算が追いつかなくなるほど。おおよそ「あの役を出しやすいようにしよう」という形を頭で描いて、それに寄せて様々なカードを使っていくうち、どんどんトランプにオリジナリティが生まれていくのです。



全てを変える「ジョーカー」カード

さて、ここまでは主にポーカーのルールを改変するという仕組みでした。
ここに更なる変数を導入します。それが「ジョーカー」のカードです。

通常、5枚まで保有することが出来るジョーカーのカードは、ポーカーのルールから役のスコア以上に、ゲームそのものの仕組みを変える改変を行う強力なカードです。偶数のカードを使うとスコアが増えるとか、ツーペアを作るたびにスコアが恒久的に増えるとか、はたまた別のジョーカーのカードを破壊することでスコアを上げるとか…。多種多様なカードが存在します。
そして、このジョーカーカードこそがゲーム攻略にとって最重要なものとなります。

ジョーカーカードの効果を組み合わせることにより、惑星カードやタロットカードで強化し、揃いやすくした役のスコアを、さらに爆発的に高めることが出来るのです。

画像上部がジョーカーカード置き場

何より重要であり、最もこのゲームで面白くカタルシスを得られる瞬間。それが、このジョーカーカードの組み合わせによる「コンボ」が発生した瞬間でしょう。

私はよく、全てのカードの絵柄が同じときに達成される役「フラッシュ」メインのデッキを構築しています。一度このフラッシュメインのデッキでクリアしたこともあり、わかりやすい攻略法だと思っています。
攻略法としては、タロットカードで絵柄をなるべく一つのものに寄せ、惑星カードでフラッシュのそもそものスコアを高くする。

そして、ジョーカーカードの組み合わせでさらにスコアを高くする。
例えば、下記のような組み合わせです。

まずは「フラッシュ」を揃えたときにスコアが上がるジョーカーカード
役を揃えた際、その役に使われたカードにダイヤの絵柄が含まれている枚数分、スコアが上がるカード
2つの絵柄が1つの絵柄として認識されるカード。役を揃えた際、ハートとダイヤが混ざっても、ハートだけで構成されても、ダイヤの絵柄に対するボーナス効果が得られる

1枚目。フラッシュの役でスコアが高くなるジョーカーカードで、フラッシュを揃えることに対するボーナスを得ます。
2枚目。特定の絵柄の場合、ボーナス効果でスコアが高くなるカードを用います。このときは役を揃えた際、ダイヤのカードが含まれていると、その数×4倍のスコアになるようなジョーカーカードです。仮にダイヤの絵柄でフラッシュを揃えると、4倍×5枚で20倍。とてもフラッシュと親和性の高いジョーカーカードです。
3枚目。これは非常に強力で、2つの絵柄を1つの絵柄として共有できるカードです。タロットカードを用いトランプの絵柄をダイヤに寄せても、さすがに限界があります。しかし、ハートのカードもダイヤとしてみなされるのであれば、実質絵柄は2種類。フラッシュが非常に揃いやすくなります。

このように、それぞれのジョーカーカードは単純な効果でも、何らかの役を意識して考えることでより強い効果となっていきます。そしてそれらの組み合わせことが、攻略の近道、いや攻略に必須のテクニックなのです。

ツーペアを揃えるごとに恒久的に倍率が+2されていくカード。
勝手に大谷翔平カードと呼んでいるベースボールカード(ジョーカーカード)。アンコモンカードに1.5の倍率のかけるということだと思う、かなり強力。



終わりに

発売されてから数日、暇さえあれば起動し遊んでしまっています。とにかく中毒性が強く、繰り返してしまう面白さ。
まだまだ未発見のカードも多く、新たな攻略法を模索中です。

デッキ構築ということで、敵と戦うゲームが多い中、ポーカーというポピュラーなとっつきやすさ。
ちょっとグリッチを感じさせるビジュアルも良いですし、β版と言えど日本語訳に不満はありません。(2024/2/24時点ではSwitch版に日本語訳は無いみたい?)

ストーリーも無いですしBGMも同じ曲が延々と流れ続けますが、それでも飽きずにプレイしてしまうのはこのローグライク性とゲームバランスの魅力でしょう。ちょうど最近発売された風来のシレン6でも同じようなやめられなさを感じています。

ゲームクリアの瞬間脳汁が出まくりました

いやあ、本当に時間が溶けるゲームに出会いました。
ゲームスタート時の条件や難易度など、やりこみ要素もあるのでこれからもどんどん時間を溶かし続けたいと思います。
『Balatro』超オススメです。


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