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独立開業、副業、経営するときの留意点 #1 ご自身の強みについて①

開業のご相談や、ベンチャーキャピタルとの会話の中で大事だと思った観点に触れたいと思います。

・自分の強みを理解すること、きちんと伝えること
文章にすると当たり前のことなのですが、意識していない方が意外と多い現状があります。
背景には、多くの方が自分ができることは他人もできると思い込んでいる状態があるように思います。これは独立開業者だけでなく実は中小企業の社長と話していても同じです。他人もできると思い込んでいるので、自分の強みとして認識していません
経営においては自分の力で切り開いていく部分が当然多いので自分の強みをきちんと理解することはとても大事なことです。独立開業などで資金を調達する際にもそこが伝わるようにする必要があります

以前、著名なベンチャーキャピタルの方から投資先選定の観点を聞いたことがあります。重要な観点の1つが、社長にその業界での経験があること、とのことでした。銀行よりはリスクをとるベンチャーキャピタルでもそうなんだなーと、当時感じました。

・強みの棚卸
中小企業の経営者からお話を伺う際、我々中小企業診断士がよくやる手法があります。その会社の創業から今までの経緯を一通り聞くことです。
なんでこの事業を始めたのか、途中で業態が変わったのはなぜか、今まで一番苦労したことは何か、、、みたいなところを聞いていくと、その社長に備わっている経験やスキルが見えてきます。
独立開業をされる方も基本は同じです。サラリーマンをやられてこられた方もキャリアの棚卸をすることでご自身の強みが見えてきます。一つ違うのは、これに趣味が加わることです。
私が以前お話ししたかたは、サウナが好きでサウナ事業を開業されていました。経営の将来性についてのプレゼン資料はとても分かりやすく、すっと理解しやすいものでした。
よく言われることですが、いきなり会社を辞めて独立開業するよりは、趣味で副業をやってみるというのは良い選択肢です。経営の経験をしながら自分が何に強いのか、やってみることで見えてくる部分もあります。

いずれにしても、自分にできて(自分が経験して)、他人にできないこと(他人があまり経験してないこと)を客観視してみましょう。当たり前と思っていたことが強みと気づくこともあります。

・やりたいこと、求められていること、できること
この3点が重なるところをやりましょう、というのはキャリアアップや転職でよく言われることです。
中にはやりたいことがよくわからないという方もいらっしゃいます。求められていること=市場のニーズ、できること=自身の強み、です。この2つが重なる範囲をまずは考え、その中でやりたいことを探すのも1つの手段です。

・自分の経験と関係なくどうしてもやりたいことがある場合
市場が伸びている分野と、市場が伸びていない分野がある場合、市場が伸びている分野ではご自身にそれほど強みがなかったとしてもうまくいく可能性があります。需給のバランスです。これも文章にしてしまうと当たり前なのですが、意外と意識していない方が多いように思います。
自分が経験無い分野だけどどうしてもやりたいことがある場合には、それが伸びている市場なのか、そうでないのかは最低限確認しておきましょう。
逆に、儲けることが目的なのであれば伸びてない市場はお勧めしません。伸びてない市場ではいくらご自身に強みがあったっとしても開業後いろいろ苦労することになります。
スタートアップのご支援をしていた時、なんでこの会社の経営が成り立っているのか疑問に感じる先が何社かありました(笑) 市場が伸びて入れば、ある程度ベンチャーキャピタルから資金調達がしやすい状況もあったかと思います。

強いものが生き残るのではなく、環境に適応したものが生き残る、という進化論の考え方があります。
ここまでの論点を否定するようでもあるのですが、個々の力よりも、大きな世の中の流れの方が成否に与える影響が大きいのも事実です。
やりたいこと、求められていること、できること、のどこにウェイトを置くのか、バランスを考えてみるのも良いと思います。
儲けなのか、自己実現なのか、社会課題への貢献なのか、目的に照らして考えるようにしましょう。


取り留めなく書きましたが、私のこれまでの支援経験から感じたことを列挙してみました。みなさんのご参考になれば幸いです。

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