「ジャッジと大谷のMVP争い」はいかなる意味を持つか

2022年の大リーグのレギュラーシーズンは、10月5日(水)の終了日まで残すところ2週間弱となりました。

現在、アメリカン、ナショナルの両リーグでは各地区の優勝球団が決まりつつあります。

また、アメリカン・リーグでは現地時間の9月22日(木)の時点でニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手が大リーグ史上通算6人目の60本塁打を記録し、打率と打点の2部門でも首位となり、2012年のミゲル・カブレラ選手以来となる三冠王の達成への期待が高まります。

こうした状況から、今季のアメリカン・リーグの最優秀選手(MVP)はジャッジ選手となることが予想されるものの、一部には今年も投打の両部門で顕著な活躍を示す大谷翔平選手の2年連続の受賞を期待する声もあります。

最終的には全米野球記者協会に所属する記者がそれぞれの野球に対する見方や野球の歴史に対する理解、さらに選手の活躍を評価する方法に従って投票すのですから、われわれ投票権を持たない者たちが「ジャッジが受賞するか、それとも大谷か」と議論することは、仮定の話の域を出ないものです。

打者として30本以上の本塁打を、投手としても二桁勝利を記録する大谷選手は例年であればMVPを受賞する可能性が高いものの、今年はアメリカン・リーグの本塁打記録である61本を更新し、三冠王となることも期待されるジャッジ選手がいることでその機会を逸するなら、それだけ今年のMVPを巡る争いが高水準であることが分かります。

一方、ジャッジ選手、例年であれば満票でMVPとなることも不可能ではない中で、大谷選手が比較対象として参照されることは、それだけ大谷選手の存在がこれまでの選手の評価の尺度では測りきれないものであることを示唆します。

その意味で、後で振り返れば、2022年とは、大リーグの歴史に残る優れた選手たちの傑出した活躍を目の当たりにできた1年ということになるでしょう。

いよいよ、残りの全試合への注目の度合いが高まります。

<Executive Summary>
What Is a Meaning of the MVP Race between Aaron Judge and Shohei Ohtani? (Yusuke Suzumura)

The Regular Season of the MLB will finish on 5th October 2022 and the MVP race between Aaron Judge of the New York Yankees and Shohei Ohtani of the Los Angeles Angels is one of a remarkable topic for fans of the MLB. On this occasion we examine a meaning of the race for the history of the MLB.

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