FIFAワールドカップのコスタリカ対日本戦について思ったいくつかのこと

昨日、FIFAワールドカップ2022のコスタリカ対日本の試合が行われ、コスタリカが1対0で日本に勝利しました。

日本が勝利すれば決勝トーナメントへの進出の可能性が高まっただけに、今回の敗戦を残念に思う声が少なくないことは、当然といえるでしょう。

また、前半は守りに徹し、後半の36分に日本側の守備陣の一瞬の間隙を突く形で先制点を挙げ、最後までこの1点を守り抜いたコスタリカの試合の進め方は、わずかな判断や対応の差が勝敗を決するサッカーという競技の妙味を改めてわれわれに教えるものでした。

ところで、今回の試合が終了した直後、日本代表キャプテンの吉田麻也選手が報道陣の代表質問に答えて、「次のスペイン戦に勝つしかない。もう試合は始まっている」という趣旨の発言を行ったことは、大変印象的でした。

すなわち、あらゆる競技において勝敗は時の運という側面を持ち、「あの時にこうすれば」といった反省や悔悟の念を抱きやすいものです。

もちろん、吉田選手もそうした考えを持ったであろうものの、この一言からは、敗北を敗北として受け止め、次の試合に集中する巣性を示すことで、自分自身だけでなく他の選手の意欲を喚起するという、キャプテンとしての務めを自覚的に果たしていることが窺われました。

また、Abema TVで解説を行った元日本代表の本田圭佑選手が試合後に「大会前は予選敗退と言われていたのが日本代表。ドイツ戦に勝ったものの、今回の敗戦で出発点に戻っただけ。ドイツには悪いが日本が決勝トーナメントに出場するためにも、スペインには勝ってもらいたい」という趣旨の発言をしたことは、敗戦を悔やむより反省すべき点を活かして次の試合に臨もうという第一線で活躍する選手ならではのものでした。

このような点からも、昨日の試合は勝敗だけでなく、その後の選手や関係者の態度も興味深いものでした。

最後まで勝利を求め続けた両国代表選手たちの健闘を讃えるとともに、日本もコスタリカも、次の試合でも各選手が実力を遺憾なく発揮することが期待されます。

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions for the Game between Japan and Costa Rica (Yusuke Suzumura)

The group phase game for the FIFA World Cup 2022 between Japan and Costa Rica was held and the latter defeated the former. On this occasion I express miscellaneous impressions for the game.

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