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”新しい”ガスオーブンで焼く自家製ピザ

前回のピザについてのnoteは「ガスオーブンで焼く自家製ピザ」というタイトルだったけど、今回はそれに「新しい」がついた(まぎらわしくてゴメンナサイ)。その理由は、前回書いていたとおり先週ガスコンロとオーブンを新調したから。

仕方がなくコンロを更新することにした。すると自動的にコンロと一体化しているオーブンまで更新することになった。ガスをやめてすべて電化する選択肢もあったのだけど、ガスオーブンの火力をあきらめきれずにガスコンロとオーブンを継続することにした。

ツマミが壊れただけでコンロもオーブンも一式まるごと交換。はじめはこのことにちょっと納得できなかった。でもまぁ、自動車でもちょっと角を擦っただけでもバンパー全部を交換することを考えれば仕方がないか(←妙にリアルな例え)。

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これはほぼ同角度で撮った交換前後の写真。左は工事が始まってからの写真で、最下部のカバーはすでに外されている。なるほど、ツマミ式が押し込み式に変わっていたから部品がなかったのか。オーブンの大きさはほぼ同じように見えるけど、中はちょっとだけ広くなった。

ステンレス仕上げでカッコイイ。コンロの操作だけでなく、何やらいろいろとメニューごとに火力などがプログラムされていて自動化されている。ご飯だって、このコンロで自動的に美味しく炊けてしまうらしい。

20年も経てば進化するはずだ

電気自動車が走り、ロボットが掃除をして、スマホで瞬時に買い物ができる時代。ガスコンロだけが置いてけぼりなわけがない。なまじっか日本経済が停滞しているせいか、なぜか台所まわりは昔のままのような気がしてしまっていた。反省。

比較のため、さっそくピザを焼いた。

レシピは基本的におなじだけど、冷蔵庫の中の残りものの都合でズッキーニではなくピーマンをつかった。新しいオーブンは予熱なしで焼けるらしい。自動メニューがあって、設定温度なども微妙に違う。ここはとりあえずプログラムされていた予熱なし250℃で10〜11分の設定。なお、登録されていたプログラムでは、ピザはお菓子のカテゴリにはいっていた(本場イタリアではスナック感覚だもんね!)。

レシピは前回とほぼおなじ。ズッキーニがピーマンに変わっただけ。一応材料のリストを書いておく。

材料(4人分:大型2枚分)
 薄力粉:200グラム
 強力粉:50グラム
 ドライイースト:2.8グラム
 水:180ml
 バター:15グラム
 スキムミルク:6グラム
 砂糖:8.5グラム
 塩:5グラム
 ピザソース(トマトベース):適量
 ※ピーマン:1個
 玉ねぎ:1/4個
 サラミ:スライスしたものを少々
 ブラックオリーブ:適量
 アンチョビソース:適量
 チーズ(ピザ用):適量

前回と異なる部分は、※をつけたピーマンのみ。手順はほぼおなじなので省略。上に書いたとおり、登録されていたプログラムにしたがった。でも実際は、焼け具合をみながら早めに出した。だから結果としてはプログラムの11分よりもずっと短い時間だった。

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ピザを切っていて気がついたのは、チーズののびが違うこと。子供たちも最初のひと口で「チーズがやわらか〜い」の感想だった。

レシピが変わらないので、その他はほぼおなじ。とにかく、ピザの溶け具合はあきらかに違っていた。何が違うのだろう。

前回もチーズとしか書かなかったけど、これは市販のピザ用のチーズ。うちわけは4:1でゴーダとモツァレラの配合のナチュラルチーズだ。糸を引くように溶けるのはモツァレラ。じゃあ残り8割を占めるゴーダは?味つけのためだけだろうか。

ネットでちょっと調べてみたら、やはりゴーダも溶ける。だけど熟成度合いによって溶ける温度が違うようだ。早い話が、若い方が柔らかく低い温度で溶ける。人間とおなじで、歳をとればとるほど頑固になる。

前回も今回もおなじチーズなので、熟成の度合いが違うということはない。ただあきらかなのは、よく溶けるモツァレラよりも溶けにくいということ。

ということは、オーブンの違いは温度の違いなのか?しかし設定温度は今回の方が若干低い。200℃を超える温度なのだから、いずれも溶けてしまうはずだ。時間はちょっと今回のほうが長いけど、それが溶け具合の違いをうんでいるのか。

もうひとつ、気になることがある。

話が変わるようだけど、我が家では白米を鉄鍋で炊いている。鉄鍋にお米と水を入れて火にかける。炊飯と蒸らしは頃合いをみて火加減を変えたり消したりするので、炊飯器のようにはいかないけれど、ご飯好きの妻と長男のこだわりでそうしている。

コンロが新しくなってから、お米がこびりつかない。従来どおり、使い込んだ鉄鍋で炊いている。それなのに、鉄鍋にもシャモジにもお椀にもつかなくなった。

鉄鍋で炊くのに、吹き上がってから火を弱めて、その後に消火して蒸らしている。鍋もお米も炊飯時間も前のまま。違うとすれば火力しかない。

ここまで考えたところで気がついた。

新しいオーブンのプログラムでは予熱なしだった。ピザを焼くには予熱して当然と思っていたので、意外だった。ガスオーブンは高温の熱風で一気に加熱する。温度の立ち上がりとオーブン内の対流システムが違えば瞬時に予熱したのとおなじぐらいになるんじゃないか。オーブン自体の伝導性も効いてくるかもしれない。

繰り返すけど、約20年経っている。ガスオーブンの技術革新もあなどれない。

わたしの職場でも、レーザーアブレーションという、石にレーザービームをあててごく少量サンプリングする装置がある。これを宝石用にカスタマイズするために、わたしは米国の業者の工場まで行って、あれこれ議論した。このときチャンバー内の均一性を高めつつサンプリング効率を上げるための設計を教えてもらった。

あの技術と似たようなものかもしれない。回収するのか拡散させるかが違うだけで、短時間で内部の状態を均一にさせるところは共通している

また脱線したけど、この20年の技術革新でガスオーブンも進化した。その成果のひとつが、予熱が不要になったことだ。

予熱が要らないということは、短時間で一気に高温にして安定化するということ。この過程で、ゴーダチーズが溶けるんじゃないだろうか。モツァレラが溶けるのと同時に。

もしもモツァレラが溶けて、時間があいてゴーダが溶けたら両者はうまく混じり合わないかもしれない。先に溶けたモツァレラが流れてくぼみなんかに溜まってから、残されたゴーダがその場で溶ける。

これが同時に溶けるとしたら、流動化したゴーダとモツァレラが絡み合ってピザのうえに分布する。やわらかいモツァレラがまんべんなく絡み合っているので、チーズ全体がやわらかく糸をひくようになる。

一気に高温。この精度が増したのだろう。予熱したオーブンに入れる以上に。白米がくっつかないのも、一気に沸騰して鍋のなかの場所による温度勾配がなくなるからじゃないかな。

これはわたしの仮説だけど、いい線いってそうな気がする。もちろん真相はわからない。もっといろいろ調理して確かめていかないとなぁと思う。楽しみが増えた。せっかくお金をかけてコンロとオーブン一式を新調したんだから、とことん楽しまないと。

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