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成長組織の倫理と、お互い様の精神

 どこのウェーバーだよ!!ってツッコミが入るかもしれないが、決してふざけているわけではない。入社してもうすぐ丸4年、今の所属組織で出来ることをやりきりたいから、思考してみた。

 僕は企業の目標と、個人の自己実現を両立させるのが最もパフォーマンスが高い状態を生み出す、と考えている。もう少し言うと、企業の目標達成と、個人の自己実現と、一人ひとりの心の平和はすべて一致するポイントが有るはずだ。完全一致することはありえないが、どこまでそのポイントに近づけられるか、が大事だ。

組織の成長を支えるための価値観がある

 組織において、人対人の軋轢は必ず生まれる。一人ひとり働く動機が違うからだ。クライアント一筋の人、会社一筋の人、自分一筋の人、八方美人の人、オンオフのスイッチが入る人、ずっとオンの人、ずっとオフの人、など。

 僕の所属会社の業界は人の流動性が高い業界であるため、人が組織に合う合わないは必ずある。それでも、個の強さ+αで組織を支えている何か、隠れた前提があるはずだ。そう思って、経営層、主に社長の会話をストックから引っ張り出して、隠れた前提を探ってみた。
(僕は人から貰ったメッセージは強く記憶する性質がある。伝えてくれた人に対していつまでも感謝しているし、ネガティブメッセージをくれた人にはいつまでも根に持ってしまう、こともある。もちろん時間の経過とともにいい思い出に変わるが)

 見つけたのは自分の組織の話だが、おそらくほぼすべての組織でも共通適用できる基準だ。当たり前のようで当たり前でないもの、それは、対等性、噛み砕いて言うと、「お互い様」の精神だ。

 決して階層のある組織体制が不要ということではない。役割は別の話で、組織運営を円滑に回すために役割は必要だ。「お互い様」と言っているのは、一人ひとりのメンタリティが対等であること。それが重要だ。

 自分自身、お互い様の精神には助けられてきた。ゼロポジションから入って、1:Nの関係性の中で最初から役割を果たせるわけがなく、社長含めた多くの社員に気を使ってもらうことで仕事をしてきた。本当に有り難いことに。もし全然助けて守らず、組織上の役割だけを押し付けられるようなことがあれば、まず続けることはなかっただろうと思う。

もし、お互い様の精神がなかったら(極論!)

 もし、お互い様の精神がなければどうなるか。他の要因も複合的に絡むが、一番の弊害はコミュニケーションに妥協が生まれることだろう。リーダー、メンバー双方向に率直なフィードバックが得づらくなる。率直さが失われると、知恵を出す必要性が薄れていく。

結果として、

①諦めて良い理由が作られる
 「だって、〇〇さんが××をやらないからだめでも仕方ない」(メンタリティのバランスがリーダー>メンバー、リーダー<メンバー)

②メンバーがリーダーについていく理由がなくなる(もしくは辞める)
 「言っても無駄だから言いません。」(メンタリティのバランスがリーダー>メンバー)

③リーダーがメンバーに合わせて目標を下げるようになる。
 「だって、この範囲しかできませんよ。」(メンタリティのバランスがリーダー<メンバー)

④リーダーの限界が組織の限界になる
 「だめでしたけど、指示通りにやりましたよ。」(メンタリティのバランスがリーダー<メンバー)

とかとか。


1人が出来ることには限りがある。

メンバーがついてこないと、リーダーは無力だ。
メンバーが知恵を出さなければ、リーダーの限界が組織の限界になる。
そんなパフォーマンスが出ない状況でも、それで良いという人は必ずいる。一人ひとり動機が違うから。

もし、お互い様の精神が浸透していたら(極論!)

 もしお互い様の精神が浸透していたら、双方向のコミュニケーションに妥協しない状態になるはず。(こちらもその他複合的な要因があるが、、、)

①一人ひとりが目標と課題の前に対等に立てる。リーダーやメンバーの状態にかかわらず。
②組織の目標値はリーダーとメンバーのコミュニケーションによって決められる。結果、リーダーの描く絵以上の結果が得られる可能性が出てくる。

とかとか。

お互い様の精神につながる一歩

 お互い様の精神を醸成する土台は何か?答えはわからないし、時代性によっても変わる。出来ることは、試して試して、伝播するかどうかを試すだけだ。2つ思いつくことがある。「目的と情報の共有」と、「相手の時間コストへの配慮」だ。
 情報格差を徹底的に無くし、目的達成のため、組織内にある情報の土台を作ること。対等性の十分条件ではないが、必要条件だ。具体的な方法は情報共有ツールが巷にあふれているため、今回は割愛。
 指標としては「情報が降りてこねえ」「言ったのにやらねえ」「俺は聞いてない」という不毛な言葉の量をどれだけゼロに近づけられるか、だ。

 時間コストへの配慮は、感謝を言葉にすることが大事だ。メンバーがリーダーの配慮をすることは新入社員研修の定説とされるが、お互い様の精神を文化として作るならば逆もまた然り。たった一声だけでも、言葉にすること、「忙しいのに悪い。ありがとう。」これが文化形成のために大事だ。

 明日、全社員への3分スピーチの機会がある。明日話すネタとして作ったが、どう受け取られるかは分からない。30cmくらいでも、いい方向に転がれば嬉しい。(最初は1cmと書いたが、1cmは感覚的に物足りない)

 自分の信じるものを形にする訓練として、文章を作っている。それを発信するんだ。試せることはいくらでもあるはず。時間の限り、やってみよう。

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