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🍥燻製やりいかのおぺぺ🍥





スーパーの鮮魚コーナーに差し掛かったとき、何だか妙な気配を感じる。その違和の方を見やると、10杯ほどのボイル済み小ヤリイカがパックの中でひしめき合いながら、私をじ、と見つめている。

大海にて絶賛成長中に捕らえられた無念と、釜茹でにされ窮屈にパッキングされた怨念が、その虚ろな目に宿っているような気がしてならない。

小ヤリイカの怨念を察したときには、速やかに持ち帰り、そして燻製にしてイカ怨みを祓うに限る。


  1. 軟骨、クチバシ、目玉を取り除く

  2. 煮切り醤油にひと晩漬け込む

  3. 表面を軽く拭き取り、50〜60℃で30分程度の温熱乾燥にかける

  4. 60℃で1時間燻製する(チップは2回ほど追加)

  5. 保存瓶に燻製ヤリイカを入れ、潰したにんにく、鷹の爪を加えてオリーブオイル、または太白ごま油を注ぎ3〜7日程度寝かせる

燻製後に笑顔をみせるヤリイカ




数日も漬け込んでおくとヤリイカの燻香、にんにくがオイルに溶け込み、実に妙なる香りとなって、保存瓶からスンスンと嗅ぐ鼻を止めることが出来なくなる。
しかし、ヤリイカ保存瓶に鼻を近づけていつまでも陶然としている父の姿を幼い娘に見せるには情操教育的にNGといえるだろう。

上記の極上オイルをたっぷりと使い、酒盗と黒胡椒を少々。燻イカとルッコラをさっと炒め、スパゲッティーニを絡めて大葉を散らし、皿に盛り付けて私は叫んだ。


「ユリイカ!!」

と。

一度でいいから言ってみたかったユリイカだが、ヤリイカとは無関係だ。ニュートンと牛丼くらいの距離がある。

ちなみに一番好きなユリイカは、大大大名作のSF「インターステラー」の主人公クーパーの娘マーフが重力を解き明かした時のものが最高に気持ちがいい。
下動画1:35〜


今回は燻製ヤリイカのオイルパスタが最高で、思わずユリイカが出てしまった。

この状態を、燻製ユリイカと言う。

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