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手紙と手袋

中国語で手紙と書くとトイレットペーパーのことだということはよく知られているようです。香港に旅した時、TVの広告で手袋がbag,日本で言う手提げバッグのことであることが分かりました。 中国語では日本語の感覚とは少々違って「手」が付いた言葉は「手を使って使うもの」と言うニュアンスが含まれているとかです。

中国語で日本語で言う手紙のことは「信」です。日本語も場合によってはこの字が手紙の意で使われますよね。通信とか返信のように。

なお、韓国では手紙のことを「便紙」と言うそうです。もっとも、現在では漢字を使う韓国人は少ないでしょうが。

「便紙」も中国人が見るとtoiret paperにしか理解されないようです。日本に漢字が伝わった時代よりはるか後で使われるようになったものは、日本と中国では違った名称がつけられ、違った漢字が使われるようになったということですよね。汽車もそうです。日本ではtrainのことですが、中国ではbusのことです。バスの外側に公共汽車と書いてあるのが面白いと眺めたことがあるのを思い出しました。

もう一つ手紙の話です。
手紙を書くのは好きですか?どれくらい長い、短い手紙を書きますか?

フランスの作家、Victor Hugoの手紙には驚かされます。出版社と彼との間のやり取りを「?」「!」だけで済ませてしまったとか。

さすが大作家、それにエスプリの分かるフランス社会と思ってしまいます。売れ行きを問う「?」に「!」と出版社は返信しています。つまり、返事は「すごい売れ行き」と言うことです。

しかし、言葉は絶えず変化していて、英語でもP.T.O. air con WSP XXXとか様々に省略した言葉、フレーズが増えてきているようです。

P.T.O は書面の一番下に書き「神を裏返してください」の意、Please turn over.です。 

air con はもともと日本語ですが、この言葉もイギリスで使ってもいいようになったみたいです。イギリスの友人にこの言葉について話したら、そりゃあ日本だけの言葉だと言っていましたが、彼も長いことイギリスに帰っていないので変化に取り残されつつあるようです。もちろんair conditionerのことです。

WSPは手紙の最後に書く言葉 Write soon, pleaseの略で「意味はすぐにお返事ください」。もうこうなったらまるでパズル?

XXXは手紙の最後、自分の名前をサインした下くらいの場所に書く文字ですが、この字を発音した時の音からkissをいっぱい、つまり「大好きだよ」と言う意味です。

これらの省略暗号(?)は何十年も前からあったのですが、今じゃあスマートフォンとかでテキストを送る時には絵文字もあり、わたしゃあもうついていけません!! 

夏目漱石が後に続く作家たちの文章を見、日本語として優れた文章ではないと嘆いたというエピソードがありますが、いつの世も、話し言葉が段々書き言葉として通用してきているということでしょうか。

手袋の写真、刺繍が施されている手袋が美しいとこの写真にしましたが、よく見ると一番左のものは大きくほつれていましたね。そんなのでも保管されているということは年代物なのでしょう。最初トルコかどこかのものかと思いましたが、ロシアとかかもわかりませんね。

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