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人間は環境に慣れる

23卒が入社したと聞き、自身の入社した頃を思い出して懐かしさが押し寄せてくる。たった一年で環境が、というかそれに適応すべく生活リズムや仕事への姿勢が変わった。間違いなく変わった

入社直後の研修では定時勤務でぬくぬくと勉強し、休みの日は今まで通りリフレッシュにあてていた
しかし、配属されると、そんな日々とは打って変わって帰る時間がどんどんと遅くなり、時には終電を逃すことも出てくる。睡眠時間の短い日が続くこともしばしば。仕事中に眠気に襲われることは日常茶飯事で、夏の暑い日の頃はエナジードリンクが手放せなかった

平日5日間で満身創痍、土日は泥のように眠る。起きても勉強する気なんて起きない。それでも、勉強し続けることが求められる
なぜなら、知らない当たり前を毎日突きつけられるからである
会社法、連結会計、納税申告書、TOB、M&A指針 etc.
具体例の粒度はさておき、この前まで大学生だった人間が扱うにはあまりに専門的で、あまりに広大なのである

もちろん質問はできるがすべてを聞くことはできないし、そもそも限られた時間と労力の中で、専門的で細かい話を網羅的に伝えてもらうことはまず不可能である
となると、分からないなりに調べて、少し分かって、また分からなくなるサイクルを繰り返しながら学んでいくしかない

友達と遊びたくても、恋人とデートしたくても、ちょっと旅行に行きたくても、簡単にいえばそれらを諦めて勉強するしかない。平日は仕事なので、土日祝日に時間を作るしかないのだ
(誤解の無いように言っておくけど休みはあります。あくまで勉強する姿勢を分かりやすく書いたまでで、年間通して考えれば普通に遊びに行くことも可能です)

折れそうな心、甘えたい気持ちに鞭打って、毎日毎日ちょっとは頑張ることを続けていく

そうして一年たった今、労働時間や生活リズムに身体も慣れ、エナジードリンクがなくても遅くまで平気に起きられるようになった。専門書は迷いなく買うし、休みの日の空いた時間を見つけては自分で勉強しようとする。そして、遊びたい気持ちは留まるところを知らないので、短時間睡眠を味方につけ土日もアクティブに動くようになった。結果、今が人生で一番活動的で、一番知的好奇心に満たされて、一番楽しい。

入社前、未知の働き方に怯えていた自分がかわいらしい。人間は環境に慣れる。慣れてしまえば、(自身がポジティブに解釈している意味での)キツイ環境にいればいるほど、人生を楽しめるのではないかと思う
環境には慣れるという前提においては、新卒1社目はなるべくキツイところに行った方が幸福度というか、人生の満足度は高まるのかもしれない

以上が、綺麗な生存者バイアスのお話である







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