地道なデータ整備が、組織を強くする

近年、ビジネスにおけるデータ活用の重要性が叫ばれている。しかし、その実態を見ると、本当の意味でデータを活用できている組織は多くないのが現状だ。私は最近、とあるプロジェクトの方針を検証するために、ちょっと込み入ったデータ分析を行う必要に迫られた。

政府の提供する過去30年分のデータを分析に適する形に加工するのは、想像以上に大変な作業であった。データがエクセルの帳票形式で提供されていたり、カテゴリー分類の統廃合や追加があったり、定義名が年度ごとに微妙に異なっていたり。そもそもどのエクセルで何が提供されているかの把握だけでも一苦労だ。データの整備は、まさに地道な作業の連続であった。

今回、このデータ整備に約1週間の工数を使った。恐らくこのデータは今後1-2年は活用することになるだろう。もし場当たり的にデータの収集と分析を行っていたら、今回の工数の半分程度の作業を何度も繰り返すことになっていたはずだ。簡単な計算でわかるように、数回の分析で今回の1週間の工数はすぐにペイするのだ。

一度基盤として構築してしまえば、Pythonですべてのデータフローが定義されており、追加データを投入するだけでダッシュボードは最新化される。長い時間にわたって、より多くの人が、その恩恵を受けることができる。そのことを理解したうえでの、データ分析というタスクのアジェンダ設定ができるかどうか、そこがポイントになる。

データ活用の効果は一朝一夕に表れるものではない。地道なデータの整備と、それを支える組織トップや現場の意識改革が不可欠だ。小さな一歩からでも、自社に合ったやり方でデータ活用をスタートすること、それが当たり前だという企業文化を醸成することが大切なのだ。

データ活用は、特別なことではない。日々の仕事の中に自然と溶け込み、組織のパフォーマンスに累乗的に効いてくる。そんな当たり前の状態を目指して、地道な努力を続けていきたいと思うが、それが当たり前に理解される日が来ることを願ってやまない。

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