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映画「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」を見てきた。あっという間の二時間四十分。

映画「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」を見てきました。面白かったですね。見る前は上映時間の長さを気にしていたのですが、見終わってみればけっこうあっという間でしたね。面白かった。

冒頭は珍しくイーサンは出てこないし、アクション場面でもないですね。ロシアの潜水艦がアメリカの潜水艦と思われる船から攻撃されたと思ったら、その攻撃も潜水艦も存在せず(レーダーから突然消える)。というサスペンスが続きます。いきなり何の説明もなしに始まるけれど、緊張感あって惹きつけられる。
この原因が潜水艦のAIの暴走で、物語の核となる敵(AI。エンティティ)となるのかな。
こいつをどうにかできる二つの鍵(二つを組み合わせる)がこの作品の「マクガフィン」ですね(何でもかんでも「マクガフィン」って言ってるけれど、使い方あっているのか?)。
鍵を求めていると同時に、その鍵は何のためにあるかも重要だった。というか、珍しく何度も言及されるから「重要」なんじゃないかなと思わせられる(ただ鑑賞していたわたしは冒頭でAIが潜水艦由来と知ってあるわけで、何で「何のために」がそれほど重要なのか分からなかった。作中の人たちは「エンティティ」の由来を知らないらしい。どこに鍵をさすのかわからないのね)。
その鍵を巡ってイーサンは動くわけですが、アメリカも含めて「エンティティ」を使って、自国を優位にしたい。それに反感覚えて「エンティティ」破壊のためにイーサンは国の動きとは違う動きをします(表立って国の方針と反対に動くのは初めてでないかな。先に国から切り離されたゆえに、国と対立したことはあっても。それにしてもいつも思うが国の協力を得ないで、装備が揃っているのだろうか)。一応、国の傘下の組織にイーサンはいるので、国と対立するならそれなりの葛藤などが欲しかったな、とは少し思う。
エンティティはもう動いているらしく(誰が支配しているのか、勝手に動いているのかは不明だけれど)、機密情報が盗まれる可能性があるということで、紙にデータを写している場面は圧巻でしたね。絵としても映えるし、「そうだよね」と思わせて、丁寧に描写しているなと思った。

テーマは「AIの危険性」ということになるのだろうか? 確かに危険なのはわかるけれど、物語の一設定に止まっている。テーマとなるには、もう少しイーサンら登場人物が「AI」について考える必要があるかと思う。ただ、上述しているように「紙にデータを写す」場面なんて見ると、「AIが暴走した時(別にAIじゃなくてもいいけど。デジタル依存している世界への皮肉とも考えられる)」の危険性は想像してしまうので、テーマになるのかな? この作品、一区切りのところで終わっているけれど完結はしてないからね。
他にテーマになりそうなのは、泥棒のグレースが、IMFのエージェントになるかどうかに重点を置いたら、テーマになるかと思う。が、このシリーズはどうしてもアクションを描く必要が出たしまうのか、個人の心中の動きを描くことに時間を取らないんだよね。心中を描くことに時間をとったら「ミッション・インポッシブル」ではないのかもしれない。
職務を放棄して戦いを選ぶので、その葛藤を描けばテーマになったかもしれないですね。
そこらへんが、わたしが楽しめながらも「楽しいだけなんだな」と思う理由だとは思っている。「楽しいだけ」という感想は、満足しきっているうえでの感想です。

物語展開としては、アクションやカーチェイスなどシリーズ通しての展開は同じだけれど、面白いですね。出てくる人物も四作目あたりから定まってきた人物の性格なども見ている私もわかっているので、その人物たちの動きを見ているのも面白い。それぞれ見せ場があるし(ベンジーの爆弾解除場面。ルーサーはハイテク機器を使って、イーサンに指示)。
冒頭の潜水艦の場面から、イーサンがアラビア砂漠に向かう(イルサが鍵の一本を持っている)。
その後は、アメリカの動きを確認し、国の動きに従えないと単独行動(チームは協力)。イーサンは鍵を狙い、アメリカからは追ってがあり、鍵を狙う他の人間も(ガブリエルという、イーサンの過去と因縁がある存在がでてくる)。女性の泥棒グレースと出会いもある。
ローマでのカーチェイス。グレースは鍵を武器仲買人ホワイト・ウィドウと行うためパーティ会場に。物語には、見せる要素としてこういう派手の舞台があった方が良いんだろうなと思った。
そして鍵を取るための、争い。格闘描写もあり楽しんで見る。イルサが死んでしまう(イルサの死で、イーサンの何かが変わる場面とかあったっけ? あったほうが物語は盛り上がると思うけれどあまり印象がない)。
そして、グレースは列車内で、イーサンは鍵のありかをバイクで追う(ここでCMでよくでくる、崖からの滑空場面。すごいけれどCMで見せられすぎているせいだろうか、あまり興奮しなかった)。
列車でイーサンと、ガブリエルの闘争を見せる。ガブリエルは鍵を手に入れたと思って逃走。崖に落ちていく列車の中でのアクション。邪魔する物はいないので、自然とか災害との戦いになる。人と人との争いでなく、こういう戦いも素晴らしいよね。最後にイーサンが鍵を手に入れて、一旦物語は終わる。

ほぼ飽きがこない展開。すごい面白い。それでも、やっぱり「何かしら内面とか、人として問題を抱えていて、物語の終わりの時それを解決する展開」を求めてしまう。
欲しいものを手に入れてはいるけれど、それによってイーサン(グレースでも、作中の人なら誰でもいいけれど)の中で、何かが変わったわけではない(良い方にも、悪い方にも)。
ただ、私がそういう話が好きというだけかもしれないが。
人間が別に変わらないなら、AIが人にとって脅威という点を強調してイーサンに危機を与える展開でも、私はほんの少しの物足りなさは感じなかったかもしれない。それをテーマとして考え「AI」について色々と考えることができるから。ガブリエルがAIの判断のもとに動いている場面とか入れてもいいよね(ガブリエルは何で仲間の女戦士を裏切ったんだろう。よく分からなかったけれど、AIのせいかな。この女性は魅力的で良かったのに)。五作目みたいに、敵側の行動が明確な話が私は好きらしい。物語の中で人が成長しないというなら、そのほか考えられる展開としては「力を手に入れるために、人がどんなにおぞましく、汚く動くか」などを描くとかね。悪人でなく、普通の人の変化が見たい。ガブリエルは権力を求めるというより、「エンティティ」をさの力を解放したいという感じで、「エンティティ」の意思のもとに動いている感じがするんですよね。イーサンたちを追っている存在も、国のためと思って行動しているみたいだしね。

一貫した強くわかりやすいメッセージやテーマが私は欲しいらしい。アクション見ていれば全然起きないのだから、それでいいとも思うけれど。強いテーマや、メッセージがアクション主題の作品を阻害するのかもしれないけれど。

情報の提出の仕方がすごい上手い作品でした。鍵について、どういうことが起こっているかをイルサから伝える(イルサはMI6はもうやめているが、同僚から鍵を取ることを依頼される。便利屋みたいなことをイルサは仕事としているのか? 何で依頼されたかをイーサンたちに語ることで、情報を伝える)。
鍵を何のために使うのかは、ガブリエルの元部下(ガブリエルに裏切られて、切り付けられる)から伝えられる。

二時間四十分があっという間に感じた、面白い作品でした。色々不満を言っていますが、すごく満足しています。パート2が楽しみだ。



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