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映画「すずめの戸締まり」を見てきた。素晴らしい導入。

映画「すずめの戸締まり」を見てきました! 公開初日、早朝7:30の回で見てきましたよ。良かったですね。でも、舞台としてここを選んでいいのかとは思いました。見ていて凄く哀しみを感じる映画でしたね。廃墟がたくさん出てきますが、そこは昔たくさんの人たちがいたところ、でも今はもう人はいず。
物語は希望を示して終わりますが、映像が見せるのはものすごい哀しみです。
良い映画でした。

導入部は特に素晴らしかったですね。映画館で見る映画を途中で出る人はほぼいないだろうに、しっかり人の心を掴む導入部ですごかった。
よくわからない場所を一人で歩く少女。興味が湧きますね。それは夢で、高校生くらいの女性すずめが起きて、朝ごはんを食べて学校に行きます(母親らしき人をおばさんと呼んでいて、家庭の複雑さも窺えます)。
そして、道歩く男性との出会い。物語的な運命を感じさせます。男性は廃墟に向かい、それ教えてしまったすずめも廃墟に向かい、そこで変な扉を見つけます。扉を開けると、いつか見た(すずめにはなんとなく記憶がある)異世界が。変なことに恐ろしくなって、学校に戻るすずめ。しかし、学校の窓から廃墟から巨大な蛇のような長い生物の動きが見えます。再び、廃墟に向かうすずめ。そこで、扉を閉めようとしている青年草太(すずめが最初に出会った青年)。扉を閉めた草太は「閉じ師」とすずめは知る。

こんな導入部。素晴らしい興味が湧きますね。

この後も素晴らしく、要石である猫ダイジン(神様でもある)にすずめの思い出の椅子に変えられてしまう草太。すずめは草太とともに、草太を元に戻すために旅に出ます。「行きし、帰りし物語」。この物語の異世界は、すずめの住む町から外の世界です。四国から、神戸、東京へと旅をします。四国では恋をまだ知らないすずめに対して、恋を知る少女と出会い。少女の家の旅館の掃除をしたりと擬似的な労働をし、神戸では、子供二人を育てるスナックのママに出会い。また擬似的な子育て(ただ子供と遊ぶだけだけれど)、スナックの手伝いをしたりと、これから大人としてすずめが行うであろうことを体験しつつ、みみず(扉から出てくる化け物。現実の地震の原因となっている)が出てくる扉を閉め、猫のダイジンを追いつつづけます。

しかし要石として機能はもう草太に移っており、草太を要石として東京でできた巨大なミミズを封印します。

今度は要石となった草太を戻すために、すずめは自分の過去と対峙します。

ここら辺からよくわからない部分が出てきます。猫のダイジンの目的が結局わからない。どうやら、すずめを開いてしまった扉に導くためだったらしいけれど。なんで草太を要石に変える必要があったの?
草太を戻すためにはすずめが過去の向き合わないといけないという物語展開になっていく(草太の友達と、おばさんと、ダイジンともう一つの要石の猫と)。

で、すずめは東日本大震災の被害者であり、母親を失ったということがわかります。
この展開はどうなんでしょう。私は当事者ではないのだけれど「東日本大地震をフィクションの物語の中で描いていいのかな」なんて思ってしまいました。真摯には描いていると思います。人によっては希望になるとも思います。でも、「記憶がフラッシュバックして辛く感じる人もいるだろうな」と思いました。私は事前情報を得ないで、映画を見に行ったわけなので、わからないのですが「東日本大震災」が描かれている映画と情報があったのでしょうか? 何も知らず見に行って、この描写があるのは辛いなと思います。事前情報は公式に出しておいた方がいいなと思います(驚きはなくなりますが)。

草太は助かり、冒頭の夢(子供の頃のすずめが出会った女性の謎)が解けたりと綺麗に終わりました。
「東日本大震災」がテーマの一つというところは気になりましたが(私が事前情報として知らなかっただけですが)、良い映画でした。少女の冒険譚であり、成長物語でした。昔だったら少年の物語なったんでしょうね。
ただ、冒頭にも書きましたが、とても哀しい物語でした。滅びゆく日本を魅せられているようで。作中に出てくる人はみないい人なのに。

「みみず」の設定とか、伝奇的なのもいいですね(前作「天気の子」もそんな感じありましたが)。

すずめの部屋が汚いのは、すずめの性格の説明になっていて良かったですね。と言っても、その後の描写で「部屋が汚い性格」が出てたかわからないけれど。

すずめが草太を好きになったのは、顔がいい、過去知っている感じがする、一緒に旅した、とかそこら辺を理由に納得していけばいいのではないでしょうか。

「君の名は」「天気の子」と三作映画館で見てきましたが、一番好きかも。
「お茶の水」とか、自分がよく行く場所の描写があって、自分が知っているところが映ると嬉しいですね。

すずめの成長は「死んでもいい(よく台詞として出てくる)」と思っている気持ちが、草太を元に戻すことを通じて「生きていたい(草太とともに)」と変化していくところです。

少女の成長。廃墟を象徴としての、滅びゆく世界。おばとすずめの関係。震災そのもの、震災の記憶との対峙、震災によって変わってしまった人生。などがテーマかな。


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