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【漫画×倫理】ブルーピリオド×ニーチェで考える、意味に意味はあるのか。

〈この記事を読んで欲しい人〉
好きなことはあるけど、仕事が忙しくてできていない社会人。
好きなことをするか、すべきことをするか進路に迷う高校生。

ぼくは最近読みました。
2020漫画大賞受賞作品を、倫理します。

漫画『ブルーピリオド』1巻での、矢口八虎(やぐちやとら)の名言を考えます。

でもやっぱ思っちゃうんだよなあ
お絵描きって 趣味でいいんじゃないの?
プロ目指さなくても
美大にいかなくても 絵は描ける
ガチでやる意味ある?

高校生もよく言いますよね。
「これって意味なくね?」
僕たちも無意識のうちに思ってますよね。
「仕事にもならない好きなことを本気でやる意味あるのかな。」

こんなひとたちに是非、この記事を読んでもらいたい。
漫画も読んでもらいたい。


あらすじ

主人公の矢口八虎は高校2年生。友達付き合いよし、成績も優秀、なんでもできる(努力で)。そんな八虎は、ある先輩の描いた絵をきっかけに、美術の道に進むことになる。日本唯一の国立芸術大学である東京藝大を目指し、本格的に絵の勉強を始めることに。

今回の名言は、お金になる保証もない芸術の道に進むのか、周りも望む”普通”の道に進むのか、主人公が分岐点に立った時の言葉です。

迷った八虎は先生に尋ねます。


佐伯先生の答え

佐伯先生はいろいろと理由を挙げます。

・東大生でも就職が困難、美大生は一芸ある分有利かも。
・有名美大は大手企業が説明会に来てくれる。
・教員免許や学芸員免許もとれる。

でも先生の言いたいことはこれらではありません。本心はこちら

八虎も「・・・えっ」と確信をつかれたような反応をみせます。

先生は次のように続けます。

つまり「意味があるからやる」これは大人の発想。

どこかで人は「好きだからやる」をわすれていきます。

みなさん好きなことする優先順位下がっていませんか?
1.生きていくための金稼ぎ、
2.明日の仕事の準備
3.好きなものをする

先生は、好きなことを全力でやることは普通のことである。
と、「好きなものを避けるために、意味を探す」を否定します。

「〇〇する意味」というのは本質みるようですが、
好きなことから逃げることを肯定するための道具ではありません。
先生はそこを示してくれます。

働いて、安定的に生活しているみなさん。
今を捨て、好きなことをするのは怖いですよね。
そんな方々の背中を押す、ニーチェの思想を紹介します。


ニーチェの思想

ニーチェの永劫回帰と運命愛を取り上げます。

永劫回帰
世界は意味も、目的もなく、永遠に繰り返すもの。

いくら努力しても、人間はいつか死にます。
この世界に意味なんてなく、喜びも苦しみもただただ繰り返されます。

運命愛
たとえ世界が無意味でも、それが運命であると認め受け入れること
「これが人生か、さらばもう一度」

そもそも全てに意味なんてない。だったらそれが自分の人生で受け入れる。それが運命愛です。

そして、ニーチェは無意味な人生の悲惨さを直視し、既存の価値観を壊し、新たな価値を設定する態度を能動的ニヒリズムと呼びます。

ニーチェ思想でいうとこの世の全ては「無意味」です。
しかし、それを受け入れることに意味があります。

佐伯先生の思想+ニーチェ思想=最強
理論を提唱します。


ニーチェの思想で『ブルーピリオド』を、倫理する。

佐伯先生の思想:意味は考えなくていい。好きなことをすればいい。
ニーチェ思想:意味はなく、無意味が存在する。

つまり、
意味について考える意味はないんです。
意味を考えれば考えるほど、動けなくなります。

みなさんも、好きだけどやる意味を考え動けてない人いませんか?
人生に意味のあることはありません。

そうだとすれば、どうせならば、
好きなことを全力でやってはみませんか。

この漫画の中でも、能動的ニヒリズムの描写はいたる所に見られます。

今の現実をまずは受け入れる。
そうすることで、思い切って先に進めるのです。


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