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ミンツバーグの「マネジャーの仕事」を読んで

販促・マーケティング部でマネジャーになって半年が経ちました。

ここ数か月は、入社以来一番忙しく、日付が変わるまで毎日働いています。

単純に、多くの案件が私を経由する役回りになり、処理する情報の量が増えたというのが忙しさの原因だと感じていますが、押し寄せる仕事をただ受け身に処理しており、コントロールできていない状況が問題を大きくしていると感じていました。

糸井重里さんが、「多忙は怠惰の隠れ蓑」という言葉をおっしゃっています。

「忙しい」というのはある種、根本的な問題や広い視座がとれず、思考をさぼっているという側面があるという戒めの言葉です。まさにそんな状態に当てはまります。

そこで、なぜこんなに忙しいのか、一日に自分がしている仕事を記録するということを始めてみました。

2週間ほど記録した結果から、いかに自分が周りに振り回されて仕事をしているかということが見えてきました。

基本的に昨日まで予定になかった仕事が一日野仕事の大部分を占めているのです。

毎日、出社すると、たとえば、「この件に判断をください」とか、「相談させてください」とか、「問題が起きているので対処してください」等といった案件が持ち込まれてきます。

私のいる販促マーケティングの部署は、情報の結節点のようなところで、多様なセクションと広く連携して仕事をしており、コミュニケーションをとる人の数が非常に多くなるのはある意味当然のことだと言えます。

ミンツバーグの「マネジャーの仕事」という本は、

マネジャーが職務上どのような状況に陥るか、多くの企業のマネジャーに密着した結果が考察されています。先日、しばらくぶりに思い出して手に取ったところ、大変参考になりました。

この本がユニークなのは、マネジャーの仕事の特性、内容を論じ、マネジャーが直面するジレンマとその対処法を検討しているところです。

本には、現場観察からわかったマネジャーの仕事の特性として、過酷なペース、頻繁な中断、書面以外のコミュニケーションの多さ、行動志向の強さといったものがあり、また、看板役、障害処理役という役割を引き受けると指摘されています。

また、調査の結果、名だたる一流企業で、社内体制が整っていそうな大企業のマネジャーでさえ、いつも時間に追われていて、たびたび仕事を中断させられており、自分が主導して何かを始めるよりも問題への対応を強いられることの方が多かったという実態が紹介されています。

この事実に私は驚くとともに、私だけじゃないんだと少し安心することができました。

私の仕事スタイルをご存知の方はおわかりだと思いますが、私は、じっくり思考してしっかり納得して進めていくタイプで、スピーディな仕事は得意としていません。

マネジャーという立場になってから、時間をしっかり取れない中で判断を迫られたりすることがあり、ストレスを感じてしまっていました。

研究によると、経営者が行う口頭でのコミュニケーションのうち、自分から率先して始めたものは全体の3分の1にも満たない状況だったそうです。

マネジャーや経営層は、雑務から解放されて大局を見ることに集中するのが仕事だとのイメージがわりとあるように思いますが、実態と乖離しているかがわかる興味深いデータです。

著書では、このような状況下で、マネジャーが自分の仕事をコントロールするために2つのことをしていたと紹介しています。それは、

1、ある決定をくだすことでそれに関連した活動を自分のスケジュールに入れこむ

2、義務としてやらねばならない活動の中に自分の目的を役立てる

以上のように、手持ちの自由を最大限活用することが優れたマネジャーだとしています。

私はこのことは、流れを自分で創ってしまうこと、そして来た流れを活用するということだと解釈しました。

流れを無理やりせき止めたり、拒否したりするのではなく、部下や同僚との上手な流れを創っていく感じです。

また、マネジャーは以下の3つの仕事をバランスよく担うことが重要だと指摘しています。

①自分で実務を行う

②人に動いてもらう

③大きな戦略を策定したり対外折衝をする

①②③のどれかに偏らないことが、経営的に成功を収めているマネジャーに見られたそうです。

私は、現場作業で手を動かしすぎて考えることをさぼってしまったり、逆に思考する時間をとりたくて現場から離れて情報不足になったりと、まだまだ上手にバランスをとれていないように思います。

このことを知って、自分の書き出した一日の仕事がこの3つのうちどれにあたるのか、そのバランスは適正かというのを自分の仕事のチェックとして役立てています。

また来月もどうぞよろしくお願いいたします!

VOL37  2013/6/28                                                                          sakaguchi yuto

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