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自分ができることは決して練習しない。同時に、やってもできるようにならないこともしない。deliberate practice


先日、2日ほど体調を崩してしまったのですが、30代も中盤に差し掛かると、気づかないうちに体力も緩やかに落ちてくるのでしょうか。

仕事はマラソンのようなもので、短期的には精神面で引っ張り上げて頑張れることも、長く継続して取り組み続けるには、やはり精神的、身体的に理に適っていないと難しいのでしょう。

健全な精神は健全な肉体に宿るという言葉がありますが、自分の身体の声を聴き、よく理解して生きている人はきちんとした仕事ができるということなのかもしれません。

人の熟達化研究の権威にアンダース・エリクソンという方がいます。

たとえばオリンピック選手になった人は、その他の才能のある人と何が違ったのか。どういう訓練をして一流になっていくのかという、大変興味深い研究をしています。

その方がキーワードとしてあげているのが、探求トレーニング(deliberate practice)です。

(私の解釈ですが)探究トレーニングとは、正しい方向にトレーニングを調整していくことで、

この「正しく」行うために重要になるのがメンタルレプレゼンテーション(心的表象)だとしています。

メンタルレプレゼンテーションとは、自分の目指したいパフォーマンスのイメージをきちんと描けているかということです。

つまり、自分のできること、できないことを自分で正しく理解できていて、何をすればどう向上するのかがイメージできているということで、これがトレーニングの質に影響します。

ここが優秀な人は、すでに自分ができることは決して練習しない。同時に、やってもできるようにならないこともしない。ちゃんと、自分の現状から手の届く範囲の、効果的な練習のみに注力していけるということです。

学生時代の部活動にしても、勉強にしても、コーチや教師が何をすべきかを教えてくれ、選手や学生はそれを盲目的に信じて取り組めば、ある程度の結果がついてくるという時期があります。

それは、ある種、子どもはまだまだ考える基礎体力が育っていないということもあるかもしれませんし、また、自分の能力の限界を低く見積もっていて、自分の能力を使い切らないということがあるからだと思います。(もちろんそうした能力が十分にあるが、正しい指導がされていないということもあります)

しかし、オリンピックに出るような選手は、決して人の言うことを盲目的に信じず、やったことを身体や頭で実感するのは自分しかいないということを理解し、その確かめる作業を誰かに委ねたりはしないようです。

自分と対話をし、外部からのフィードバックと突き合わせて、探究トレーニングの質を高めていく人が多くの才能の中でも頭一つ抜けた結果を手に入れることができるのだとしています。

今回、体調を崩して、ふとこのことを思い出しました。

意図せず体調を崩してしまうということは、自分の身体的、精神的状態を正しく理解していないとも言えるわけですが、もちろん、これは体調管理の話のみにあらず、部下や組織をマネジメントするということ、あるいは自分の専門性をどう高めていくのかということにも大いに参考になる真理だなと思ったりします。

皆様の感想もお伺いしてみたいです。

また来月もよろしくお願いします!

2015/8/30 VOL63                                                                                   sakaguchi yuto

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