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心が共感で燃えたとき、人は強くなる。組織は魔神と化す。それは美しくさえある

前回私は、ビジョンの定義として、

「創業者の思いであり、実現したい未来の映像イメージである」

という捉え方をご紹介いたしました。

私はビジョンを共有することができた場合、まずは、社員を集めるという採用時においてすでによい影響が現れるものだと思います。

具体的には、「必要な人材が自然と集まってくる」効果を生むと思います。

そう思いましたのは、前回取り上げた社会イノベーター公志園を通してでした。

イベントでは、創業当時から社長と共に仕事をしてきた社員も壇上でコメントをされたのですが、その様子からは、多くの頼りになるサポーターがリーダーを支えている様子を感じました。

彼らは仕事内容や待遇というより、社長の思いに惹かれて自分の専門分野を提供しに集まっているように見えました。

また、各社長の元には頼りになる経営のプロも右腕として集まっていました。

今回のイベントの仕掛けの一つとして、伴走者という社長をサポートする役割が設けられていたのですが、多くの一流企業の経営層が、その募集に応じて伴走者となり各事業の経営をサポートしていました。

業界の知識経験があるメンタ―のような人材が、進んでサポートしようと集まってくるのは、やはり創業者の実現したい世界に共感したからではないかと感じました。

一般的に、創業期にこれほど多様な人材を集めることは難しいと思います。この点において大きなアドバンテージだと感じました。

次にそのようなビジョンに共感した人材が集まることで、その後の組織づくりにおいても違いが生まれると思います。

それは、社員が「共に会社を成長させようと思っている」という意識の違いです。

別の言葉で表現しますと、雇われているという感覚以上に、自分がともに創っていく会社だという意識。

あるいは、自分が働く会社を愛しているという意識。

そのような意識が入社時点ですでに備わっていると思います。

リクルートの元役員、生嶋誠士郎さんの著書に以下のような一文があります。独特な表現ですが、ビジョンが共有された組織状態を表す、心に残る言葉です。

「心が共感で燃えたとき、人は強くなる。組織は魔神と化す。それは美しくさえある。」

皆が会社の方向性に共感していれば、主体性が発揮されて業績にも反映されると思います。

マネジメント側は常に、いかにして組織を強くするかに心を砕いていると思いますが、もし、担当する仕事内容や給与だけを求めて入社してきた人を相手にする場合、組織作りは困難になるだろうと思います。

組織風土に問題を感じ、研修教育、人事制度などの各種施策を講じることはよくありますが、その原因を社員個々人の能力の不足や制度不全に求めるのではなく、ビジョンの共有がなされていない、あるいはビジョンと各種施策がつながっていない。そんな可能性も考えてみるべきではないかと思いました。

また来月もよろしくお願いします!

VOL9  2011/2/27                                                                                             sakaguchi yuto

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