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やっぱり今も部下と面談をすると、心の奥底では怖いんだよ。 何を言われるか、批判されるんじゃないかって気持ちがあるんだ

先日、1on1を推進しているとある管理職の方が、次のような話をしてくれました。

「コーチングやカウンセリングを学び、現場で長年実践してきたけど、
やっぱり今も部下と面談をすると、心の奥底では怖いんだよ。
何を言われるか、批判されるんじゃないかって気持ちがあるんだ。」

その方は数年前にメンバーの離職が続き、チームが不振に陥ったことを重く受け止め、それ以来、一度相手の話を真剣に聴いてみるということをしようと決意して1on1の実践を継続してらっしゃいます。

たとえメンバーの話が自分の考えとは違うと思っても、いったんその気持ちは脇に置いて、相手がどういう背景からそれを言っているのか、ありありと想像できるまで聴くことに集中する。

マネジメントをする立場になってみると、好き勝手に自分の考えを伝えてくるメンバーに悩まされる経験を誰もがされていると思います。

そう考えると、これはなかなか怖いことではないでしょうか。
例えると、いったんノーガードで相手の言葉を受けるようなもの。

冒頭の「やっぱり心の奥底では怖いんだよ」という言葉は、
日々、真剣に実践しているからこその、とてもリアリティのある言葉のように感じました。

思うに、会社の経営方針や人事制度、日々のマネジメントのスタンスは、
経営がメンバーをどう見ているかの影響を受けています。

世にマネジメント理論にはいろんなものがありますが、
厳格に上位者の権限を明確にし、ルールを定め、規律を求めていくのか、
ルールはあえてあいまいで、自律的に判断することを尊重し、フラットなコミュニケーションをよしとするかの2つの方向性があります。

どちらのスタイルがいいのかは組織によるかもしれません。

たとえば医療や、工場などのある製造業などミスの許されない職場は規律重視。コンサルティングや企画などの個別性の高い組織はフラットなスタイル等、ビジネスによって向き不向きの傾向はあります。

このように自社の仕事の特性から、自社のマネジメントスタイルを決めて
いらっしゃる部分もあるとは思いますが、多くは経営者がこれまでの経験を通じて蓄積してきた思想が反映されるということの方が大きいのではないでしょうか。

これまで、明確に指示をしないと現場が混乱した、トラブルが起きた、
という経験があれば、規律はより重視されることになるでしょうし、

ビジョンに共感してメンバーがモチベーション高く目標達成した
という経験をしてきた方は、そのスタイルの良さを実感されている
ことでしょう。

このように、自分の思想の背景にあった経験を自覚しておくことは大事です。

そして、その経験が”恐れ”を伴うものであった場合、それを避けるために施策を考えていたとしたら、もしかしたら、本質的な解決にはつながらないことが注意すべき点です。

マネジメントは自分の”恐れ”を自覚し、そのことにどのような対処が必要か考えることが大事です。

冒頭の発言をされた方の組織は今、イキイキとされています。
離職率も低く、モチベーション高く働くチームになっています。

その方の覚悟がメンバーに届いている面もきっとあるのではと推察します。

また来月もよろしくお願いします!

2021/6/30 VOL128                                                                                             sakaguchi yuto

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