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スウェーデンと日本との比較から考える日本人の働き方

4月を迎え、身の回りに変化がある方も多いのではないでしょうか。

プライベートな話ですが、私の従兄弟にスウェーデン人がいます。
某グローバルITコンサルファームのスウェーデン事務所から東京事務所に転勤してきて10年くらい経つのですが、この春に、元のスウェーデン事務所へ戻ることになりました。

先週、彼と会って話をしてきたのですが、興味深いことを伺ったので共有させていただければと思います。

彼が働いている会社は、コンサルティングファームということもあり、
仕事に求められる基準が高く、猛烈に働く文化がありました。

深夜の1時、2時に会議の時間が設定されていて、さらにそこで資料のレビューがあり翌日のクライアントへの訪問に間に合わせなければならない、、、
10年前は、そんな働き方が見られ、彼も来日した当初は連日タクシーで帰るという生活だったそうです。

当時の彼は、ヨーロッパと日本との職場の文化の違いに驚き、疲れた様子だったので心配したことを覚えています。

元々、同じ会社のヨーロッパ事務所で働いて日本に転勤してきていましたが、働き方は同じ会社とはとても思えないほど違っていたようです。

一度、「その要因はなぜなのか?」彼に聞いたところ、仕事に対するコミット、細かさが違うという返事が返ってきました。

「無駄にも思えるくらい、細かな修正ややりとりが入るので、必然的に
工数が多くなってしまう。もちろんクオリティは高くなるけどね。」

それが、10年経った今は残業もあまりなくなり、オンとオフを切り替えられる働き方にすっかり変わってきたそうです。改めて、この変化はどういうところにあったのか、彼に聞いてみました。すると、


「クライアントである大手企業の変化が大きいと思う。大手企業はどこも働き方改革が進んでいて、昔のように夜に連絡をとることもできないし、無理のない納期で仕事を受注できるようにもなった。商習慣が変わってきたので、必然的にうちも無理なく働けるようになっている」

「大手企業はダイバーシティに対する関心が高い。海外人材や、介護や育児をしながら働く人、それに自身の副業などを持ちながら働く優秀な人材を採用し、雇用し続けるためには、働き方改革はやったほうがいいというレベルではなく、やらないと生き残れないという状態になっている」

このように話していました。

一部には、労働時間が短くなることで、仕事に対する基準が下がることにつながり、成長できない「ゆるい職場」が生まれているとの話を聞くこともあります。

しかし、当然ですが、働き方改革を進めるとは、仕事の基準を下げることと同義ではありません。

仕事の基準を維持しつつ、働き方を変えていくことで、優秀な人材の活躍を促進し、会社の競争優位性につなげるということを今の時代は実現しないといけない時代になったのだなと実感します。

スウェーデンの彼はまた、日本とスウェーデンとの働き方の違いとして、日本人は上司、会社に言われたことを責任感を持って完遂しようとする。指示を待たずに主体的に動くところは上司からすると非常に頼りになる。

だけど、あくまで上司を向いて仕事をしているので、時にその仕事がそもそもどうあるべきかという視点でクリエイティブに働くことが苦手。だから、非効率になったり、無駄な残業時間が増えたりということもあると言っていました。

これは考えさせられる指摘だなと思います。

私たちの働き方を変えるために、上司ではなく仕事にコミットすること
そして、一人ひとりが自律して、率直に意見を言う文化をつくることに
生産性向上の一つのヒントがあるようにも思いました。

また来月もよろしくお願いします!

2023/3/29 VOL148  sakaguchi yuto

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