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よい思考を持つことは、その人の意志である

最近、縁あって何人かの方にコーチングをしています。

内容については守秘義務があるので、詳しく書くことはできないのですが、
しばらく継続的に話し相手をさせていただくと、
その人が徐々に変化していく様子を本人以上に感じることがあります。

私はそれほど個人コーチングの知見があるわけではないため
特に高度なことをやっているわけではないのですが、
やはり、他人と話をすることは気づきを生みやすく、
行動や思考の変化につながるもの
なのだなあと実感します。

私がコーチングの際に心がけているのはベーシックなことで、

・その人の話をしていることの発言の中にある、「捉え方」を確認すること
・そこに紐づく経験や価値観を聞き、率直に感じたことをお伝えすること

たとえば、すごく忙しくて部下に仕事を振りたいのだけど、
なかなかうまくいかないとおっしゃっている人に対して、

「部下に振ってしまうとどうなってしまうと思っているのか?」
「なぜそう考えるようになったのか?」

ということを率直に聞いていきます。

これが、問題解決のコンサルティングならば、

「メンバーに仕事を振るためにはまず自分の仕事を整理することだ」
「委任するためにはSMARTの観点をおさえるとよい」

などのアドバイスに直線的に入っていく感じですが、
コーチングでは、相手の捉え方を確認しに行くことをします。

というのも、部下に仕事をふれないというのは、
単にノウハウを知らないということではなく、

「そうしてしまうとまずい」と感じている、その人自身の捉え方が影響していると考えられるからです。

捉え方を聞いていくと、たとえば

「仕事は責任をもって自分でやりきるからこそ成長できる」
「もし任せてしまって失敗したら自分が困る」


という捉え方をしていることが出てきたりします。

このことは、潜在的には思っていても、改めて人から聞かれないと
口にすることはなかなかありません。

口にしてみることで、
「そうか、だからなかなか人に仕事が振れなかったんだ」
客観的に気づき、明確に自覚することができます。

いくら仕事の振り方を学んだとしても、この捉え方を自覚できていなければ
本当に状況を変えることが難しいものです。

捉え方とは、本当に奥深いものだと思います。

人は、捉え方を自然に任せるがままにしていることがほとんどですが、
実際のところ、それを自覚していることは少ないと思います。
選択肢はたくさんあります。

私の尊敬する方は、とても仕事ができる方でしたが、
その方はこの捉え方の選択が実に上手く
常に「どうすれば問題解決できるか」という軸をぶらさず、
困ったお客さんや、絶望的とも思えるプロジェクト、部下へのかかわり等に使っていました。
その方はいつも鮮やかに状況を打開していました。

Pessimism is nature, optimism is will.

私はその上司をみていると、上記の言葉を思い出します。
よい思考を持つことは、その人の意志です。

新年を前に、変わり続ける意志と柔軟な思考を大事にして
来年も頑張っていこうと思います。

2019/12/31 vol.112
sakaguchi yuto


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