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対話とは、2人の人間が何かを共通してつくるということ

同志社大教授の中野民夫さんの新著、「みんなの楽しい修行」にコミュニケーションという言葉の語源が紹介されていました。

曰く、コミュニケーションという言葉の意味の一つは、

「何かを共通のものにする」だそうです。

人が何かを話した時、意図したものが受け手に100%同じように伝わっていくことは難しいものです。

たとえ同意していても、違う人間である以上、微妙に違ったものになります。そこに相手との軋轢の種があります。

しかし同時に、自分と相手の意見に関連する、何か新しいものをが見つかる可能性もあると中野さんは指摘しています。

このことは対話と会話の違いとしても説明することができるのではないでしょうか。

会話が一方的な意思や情報の伝達であるとすれば、対話とは、2人の人間が何かを共通してつくるということだと思います。

お互いがそれぞれもっていた意見、どちらとも異なる第三の新しい内容が生まれていくということが対話だと言えるのかもしれません。

ある方が、対話をする時には「YES、AND」を心がけるとよいと奨励されています。

具体的には、相手と話をするときに、まずYESで「いいね」と受け止めます。

そして続けて相手の意見を否定せずに、「こうするともっといいね」と相手の意見に自分の意見を重ねていくのです。

「いいね。その意見に重ねて言うと、こうするともっといいね」という具合です。

一方でよくやりがちなのは、「YES、BUT」で、「あなたの意見はいいと思う。でもこのような点が問題だ。」

と結局は相手の意見を活かさないパターンです。

これでは前述のように相手との間に何か新しい第三の答えを創りだしていくことは難しくなるでしょう。

このことを組織にも当てはめてみます。

多様性を生かすであるとか、イノベーションを起こすであるとか、社内で意見や新たな提案が出てくるようにしたいという課題は多くの組織にあるものです。

その際の一番ベースとなるところに、このような対話をベースとしたコミュニケーションを整えることがあるように思えます。

人によって自分が活かされ、世界が広がり、気づいたら遠いところまでいけるというのが組織の素晴らしさであり、人生の喜びでもあるように思います。

偏見を持たず、相手の話に対して心が開いているか。知識で武装するのではなく、変化にオープンであるか。常に意識したいです。

また来月もよろしくお願いいたします。

VOL53 2014/10/30                                                                                  sakaguchi yuto

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