建築の言葉

久しぶりにnoteを開いた気がする。
そんな間にも色々あったんだけれど、今頭に浮かんでる疑問をつらつらと残してみる。

建築家の言葉は分かりづらいと言われていると思う。
確かに建築をやっていても分かりづらいと思うし、あの時理解できなかったと思うことが次々と出てくる。
ただその言葉の中にある様々な視点から思考され出てきた言葉はとてもおもしろいと僕は思っている。
普段の生活においてもシンプルで分かりやすいことばかりだけでなく、複雑でめんどくさいところにもおもしろさがあると思っている。

物語がいろんな積み重ねや困難があるからこそおもしろくなるように、
もしくは、何もないところに「ぽつん」とモノが置かれているときのように、そこにある事柄だけでないおもしろさがあるように思う。

そう思う一方である物語というか話というかを思い出す。

自分の本のよさを誰にも分かってもらえないと嘆いていた一人の青年がある大学の教授に質問をした。
「どうやったら教授のようにみんなに見てもらえる本がかけるのですか?僕の本の価値を分かってくれる人が誰もいないんです。」
教授は答えた。
「猿にでも分かるように、本を書きなさい。複雑に書いてそれをひけらかしているだけでは、誰にも伝わらない。君は君の本を分かってくれる人だけが賢くて偉い人だと思っているのか?」

僕は建築は暮らしの延長にあると思っている。
なぜここまで、複雑になってしまったのかというと、僕らの暮らしが人それぞれ積み重ねてきた結果のように思う。

そんな感じで色々な考えをぐるぐるしながら思うことは、単純に言葉足らずになっているのではないかということだ。
もう一言あれば足を掛けて、理解できたのではないかというもったいなさを感じることがある。
大学の授業を今思い出すと特にそのように感じる。
積み重ねてきたが故の口から出ていない言葉がたくさんあるように感じる。
生きてきた年数が増えていくにつれ、自分にも誰かにも感じる。

そんな口から出せなかった言葉たちをみつけて、ひとつでも口から出したいと僕はなんとなく思っている。

大それた考えなどはないんだけどなんとなくそんな気がしている。
当たり前の延長というか、そもそも何を軸に生まれたのか、考えが捻れすぎないように、絡まった糸を解くように考えたい。

橋にも棒にもかからないやつだけれど、今そう思っている。
もっと建築や暮らし、場所の魅力が溢れた豊かな生活ができる場所がたくさんできればと思う。

考えや思いを共有してほんのちょっとしたことでも、誰かの手助けや新たな景色がみれるようなきっかけになればいいなと考えています。 黒か白かどちらなのか。 決断をしなければいけない時はありますが僕は灰色でもいいと思うんです。 サポート頂いたら誰かとの良い経験に使いたいと思います。