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発達障害当事者デザイナーによる仕事ライフハック

こんにちは。株式会社トルクのデザイナー山﨑です。前回投稿しました「発達障害当事者デザイナーとウェブアクセシビリティ」では想定以上にたくさんの人に読んでいただけて嬉しく思います。ありがとうございます。

今回はASD(自閉症スペクトラム障害/アスペルガー症候群)ADHD(注意欠如・多動症)の両方を持っている発達障害当事者デザイナーによる仕事ライフハックになります。発達障害当事者の方や職場に発達障害の方がいらっしゃる方向けの記事です。
発達障害の仕事ライフハック本はたくさん出ているので「もしかして私って発達障害?」と気になっている方、すでに発達障害診断済みの方はそちらも参考にしていただければと思います。発達障害×仕事ライフハックですと借金玉さんの本が有名ですね。私も参考にしています。

タスク管理は見える化が大事。時間割を作る

私はADHDの特性があるため時間感覚の把握が苦手であり、先送り癖があります。しかしデザイナーは締め切りを守ってこその仕事でもあります。締め切りを守りスケジュール通り仕事を進めるためにも、一日の流れをまとめた時間割を印刷しデスク上に置いていつでも見えるようにしておきます。(以前は1ヶ月単位の表も作っていました)この時間割を1ヶ月分印刷しホチキスで留めて後から振り返られるようにします。時間割は朝出社し仕事を始める前に、左側に一日の流れを右側に一日のタスクやメモを書き出します。
※Googleカレンダーでのタスク管理はブラウザを閉じてしまうと見えない=ワーキングメモリが低い私にとっては「無いもの」と同じですので紙であることが個人的には大切だと思っています。(あくまで私にとってはです)

時間割のイメージ(左に時間割、右にタスクを書き出すと便利)

この時間割のメリットは以下です。

  • 複数案件を抱えている場合時間を区切ることによって進捗の偏りを避ける(A案件は進んでいるのにB案件は進んでいない等を避ける)

  • ADHD・ASDの特性である過集中を避ける(可能であれば意図的に休憩を入れて脳疲労を避ける)

  • 一日の流れを可視化し時間の感覚を認識できる

  • タスクを細分化することにより着手のハードルを下げ先送り癖を回避

  • 発達障害の苦手なマルチタスクを分解しシングルタスク化させる

  • 工数管理ができる(自分が何の作業にどのくらい時間を使ったか把握できる)

  • タスクを箇条書きし打ち消し線で消していくことで達成感を得てモチベーションを上げる

  • タスクの漏れを防ぐ(ADHDに多いうっかり防止)

  • 右側のタスク欄に指示やアドバイスはとにかくメモを取る(ADHDの特性である短期記憶が苦手&私はASDの特性で聞き取りが苦手で視覚情報優位なこともありメモはとても大切です)

  • 1ヶ月分印刷しまとめておくことで何日に何があったか後から振り返りやすい

デスク上はグレートーンやアーストーンで統一する

私はASD特性により視覚過敏があります。ビビッドな色に過剰に反応してしまい集中できなくなってしまいますので小物類は無彩色で揃えています。デスクトップの壁紙もグレーが落ち着きますね。(関係ないですがモンティ・パイソンが好きです)

小物は無彩色で統一します。ASDの特性"こだわり"もあるかもしれません。

参考:大人の発達障害「目がチクチク」「室内にいてもまぶしい」そんな視覚過敏とその対策 3選

過集中の防止

ADHDやASDの特性に過集中があります。過集中はクリエイティブにおいてメリットをもたらすことも多いですが中長期的にみて健康面にデメリットがあります。20代のうちは体が元気ですので過集中で乗り越えても大丈夫かもしれませんが、30代以降は体力の衰えもあり過集中の結果体調を崩してしまい自分にも周囲にもマイナスをもたらしてしまうこともあり得ます。また発達障害には易疲労性を訴える方も多いです。私も35歳を超えてから極端に体力が落ちたように感じます。環境が許されるのであれば作業の途中で5〜10分程度意図的に休憩時間を設け過集中後ダウンしないよう予め対策しておきたいです。
ポモドーロテクニック等も有効だと思いますが、25分作業・5分休憩が自分には合わないため、60分作業orキリの良いところまで作業・5〜10分休憩を取り入れています。
ちなみにスマホを見ることは休憩のうちに入らないそうですので、スマホをいじらず目を閉じたりマインドフルネスをするなどして脳を休ませるのがベターです。
参考:過集中とは?メリット・デメリットと発達障害との関係

眼鏡をかける

私はASDの特性によりチラつきが気になります。例えば人の出入りなども集中力を削ぐ原因になります。そこで伊達眼鏡をかけて対策しています。私にとって眼鏡の縁は競馬の馬の目隠しのような役割を果たしています。また、眩しさも苦手なためブルーライトカットレンズを入れています。以前のブルーライトカットレンズは黄色みがかっていましたが現在はほぼ透明のレンズが売られています。(念の為たまに眼鏡を外して裸眼で色味を確認するようにしています)パーテーションを立てられない環境の方には伊達眼鏡をお勧めします。また、通勤の電車でのLEDの白さもそれなりにストレスに感じているので伊達眼鏡はお守りのような存在です。

書類はすぐ処理する・捨てる

私はウェブデザインがメインのデザイナーですので紙モノがたまっていくことは少ないですが不要に感じたらすぐシュレッダーにかけます。ADHD特性のある方は先延ばしで貯めてしまったり放置してしまう方も多いと思いますが…目安として3分以内で処理できるものはその場で判断してすぐ処理します。3分以内で処理できないものは先ほどのタスクリストに残して忘れないようにします。ASDの特性からデスク上がゴチャつかせたくない、またADHDの特性から忘れ物や失くし物が多いためデスク上は綺麗にしておきたいです。
またMac内も常に綺麗にしておきたいです。私は毎日デスクトップ上とダウンロードフォルダを整理する時間を設けています。デザインデータも整理する習慣をつけています。私の場合ASDの特性が上手く働いているのかもしれません。

今回の記事は当事者デザイナー向けや当事者が職場にいらっしゃる方向けでしたのでスコープが限られてしまうかもしれませんがどなたかの参考になれば幸いです。それではまた!

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