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離婚するならどっちに付いていく?

 虐待サバイバーのゆうかです。
 
 父は母にもDVをしていました。
 母に単独でDVをすることもありましたし、私達4姉妹と一緒の場合も多くありました。

 母は口数が少なく、父がイライラしはじめると頭が真っ白になってしまっていた、と大人になってから聞きました。

 父は怒鳴り始めるとよく「離婚」を持ち出しました。
 そして、ある日離婚するならどっちについていくか、子供の私達に聞いてきました。

 当然、父に虐待されている私達の答えは母しか考えられません。

 4姉妹の3人が当たり前のように「お母さん」と答える中、次女の私だけが「お父さん」と答えました。

 父を含め、その場にいた全員が「ギョッ」としたのを感じました。

 ありえない答えでしたから。

 けれど私は本気でした。
 虐待されながらも、父の憂いや悲しみやジレンマや自己嫌悪を、勝手に感じ取っていたのです。

 父のことを嫌いになれなかったのです。
 父をひとりにしてしまっては絶対いけないと思ったのです。

 初めてこの質問をされ、私が「お父さん」と答えた時、父は泣いていました。

 子供の私は父に気持ちが通じた気がしました。
 虐待されていても子供の親への愛は簡単にはなくならないのです。
 これが実は一番厄介な感情であり、その後の人生を苦しめるのです。

 いっそのこと憎めればよかったのですが、大好きだという気持ちや、理解できる気持ちがあるからこそ、憎みきれずに苦しむことになりました。

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