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【経験談】頂点からの転落、資産ー47%

米国株に転身した僕は絶好調でした。買う株、買う株全部上がる。TSLAやLVGO(後にTDOCに買収される)は1ヶ月で2倍以上になりました。

自分は投資が上手いと有頂天になっていました。自分の投資の目には狂いはないんだと確信していました。それくらい爆発的に資産が増えていったのです。

2020年夏頃、僕はある決断をします。

ここまで来たのなら一つの銘柄に思い切り突っ込んで、一気に億の壁を超えてやろうと。狙いをつけたのはコロナワクチン銘柄でした。しかし、これが地獄の始まりだったのです。

当時、開発競争のトップを走っていたのはウィルスベクター型のAZN、mRNA型のMRNA、PFE/BNTXでした。そして、泡沫候補としてNVAX、VXRTがありました。

今から先頭集団を買っても儲けは薄い、泡沫候補の方が上げは大きいとVXRTを選びました。もちろんVXRTがコロナワクチンを開発できるなんて微塵も期待はしていませんでした。しかし、VXRTは先頭集団のAZNと同じウィルスベクター型であり、第一次臨床試験を突破する可能性は高いだろうと考えました。僕は第一次臨床試験を突破し株価がぶっ飛んだNVAXの再来を期待したのです。

資産の半分をVXRTに突っ込みました。そして第一次臨床試験の結果が出て、株価がぶっ飛んだ時に売り逃げようと考えたのです。株価は少しダレ始めてきていました。

株価が下がる度に他の銘柄を利食いしてVXRTに突っ込みました。自分の目に狂いはないと思い込んでいたからです。下げはただの買いチャンスに写っていました。どうせ上がるから株価が下げても問題ないと。

秋になってそろそろ第一次臨床試験の結果が出てくる頃、僕は少し不安になっていました。VXRTの臨床試験が想定より後ズレしていたからです。先行組がワクチンを開発してしまえば後発組は用済みになります。そうなってしまえばお終いです。

そうこうしている内に結果が出ました。VXRTの第一次臨床試験の結果は良好でした。第二次臨床試験に進むとアナウンスされました。

しかし、株価はうんともすんとも動きません。バカな!自分の目を疑いました。これが現実とはしばらく思えませんでした。

何を読み違いしていたのか、それは投資家の期待です。NVAXが第一次臨床試験の結果を発表した頃は他の先行組もそこまで開発が進んでいなかったため、投資家はNVAXもいけるのではないか?と期待できたのです。

VXRTが結果発表した頃には、先行組は最終試験の結果を待つ段階で完成間近。この状況ではVXRTが間に合う可能性は皆無です。投資家が期待などするはずがないのです。この状況の変化を読めていなかったのです。

株価が上がらない理由に考えが及んだ瞬間、全てが暗転しました。とんでもない間違いをしてしまった。希望がある内は含み損なんて気にならないのです。しかし、それが打ち砕かれたなら、残っているのは取り返しのつかない程の損失という現実のみ。

すぐに損切りしました。このまま放置しておいても全損になってしまうリスクの方が高かったからです。資産はピークから-47%、約半分になりました。堅実にインデックスにしておけば結果は違ったはずなのに。

三日三晩ストレスで血尿が出ました。

しかし、これで退場しようとは微塵も思いませんでした。このまま終わったらただの道化。自分はまだやれると。

ここから約1年半、迷走の時期に入ります。続きはまた書きます。

(おまけ)
僕がXとかにいる泡沫的なテーマ株とかを弄っている投資家を見て軽蔑するのは、過去の自分を見ているようだからです。僕もあっち側で、そして痛い目を見たからなのです。



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