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周りが見えなくなっても、きっと誰かは見てくれてる。

土曜から月曜まで三連休。
少しでも妻の負担が少なくなればと、
土日は実家に子どもと泊まりにいきました。
ただ、その前からの件もあり、自分の心と体は余裕がどんどん無くなっていった。

一泊して自宅に戻るとき、帰ってからの試練を思い全身が鉛のように重くなる。

妻は、同期の子たちと集まるって言ってたな…
息抜きする時間も必要だよ。
ずっとツラい思いをしてるんだから少しでも気を紛らすことが出来れば。
そんな思いと、
あれだけツラいと何も出来なかったのに、動けるじゃん…
そんな最低なことが浮かぶ自分に更に心をエグッてくる。

幸せそうな顔をして膝の上でおやつを食べている子どもにそんな最低な自分が何とも情けなく、苦しかった。
母は心配していた。
その優しさにどんどん溜まっていた感情が抑えきれず、
妊娠のことは伏せて、妻が体調が良くないこと。
ずっと家のことでしんどかったこと。
イヤイヤ期の子どもとの向き合い方に悩み、抑えの効かない自分がイヤになること。

母は優しい表情をして
「いつでも帰ってきていいから」
「来てくれるだけで嬉しいよ」
声を掛けてくれた。

涙が止まらない。
自分の感情が抑えきれなかった。
子どもを抱きしめて顔を隠しながら必死に拭う。
子どものぬくもりが体に染みていく。

母は涙には触れなかった。

自宅への車内、子どもは元気にアンパンマンを見ていた。
小さな生命を運ぶ。
コーヒーをがぶ飲みしてハンドルを握る手に力をこめる。
家に着いた。
結局、子どもは眠ることはなかった。

荷物を運ぶため、子どもを抱えて2往復いるな…
なんとか第一陣を運び込む。
家の中には誰もいない。

ありがたい母からの食料を冷蔵庫の中へ。
洗い物を洗濯カゴへ。
さあ、次。

子どもともに車へ向かう。
すると、不安に思っていたことが現実に。
子どもは出かける気マンマン。
ギラギラ目が輝いている。
やっぱり、そうなるよね。

子どもを乗せて、目的のないドライブが始まった。
あっち!こっち!と指差し指示をだす、お客さん。
言われるがまま走らせる。
すると
「あれれ?」
「アンパンマン…」
なんとなく察する。
どうやらゲオにアンパンマンを借りに行きたかったみたい。
お客さん…初めから言ってよ…
目的地へハンドルを切る。

すると、静かになった…
ミラー越しに子どもの寝顔が目に入る。
お客さん…
そのまま、自宅に帰る。
40分のドライブ。
疲労のメーターは初乗り運賃とは、いかない。

子どもは、気持ちよさそうに夢の中。
その間、荷物を片付ける。
ようやく一息。
時計の針は18時になろうかとしている。
母が持たせてくれた弁当を食べて、起きてからの戦いに備える。

どうせなら連休の中でやっと出来た1人だけの時間。
今日のこれまでをnoteに綴ろうかと思ったが、
全く何もする気が起こらなかった。
ただ、TVを見てるようで見ていない、
そんな空っぽな時間が過ぎた。
いつ起きるか分からないので、今の内にお風呂に入ろう。
久しぶりにゆっくり浸かった気がする。
静かな時間、今日の疲れや悩みもお湯とともに流されていくような。

そんな時間も束の間、何か聞こえる。
もしかして…焦って上がり、寝間着に着替えてリビングへ。
文字通り、え~ん、とソファの上にちょこんと座り泣いていた。

これから戦いは始まる。
子どもを抱きしめていると徐々に落ち着いてきた。
ご飯の用意からだ。
「シチュー食べる?」
母が持たせてくれた食料の1つ。
ところが、
「あさ?」
どうやら子どもは朝ごはんと勘違いしている様子。

誤解が解けぬまま、シリアルで手を打つ。
口に入れてくれるものに文句はつけない。
イヤイヤ期、真っ只中で学んだこと。

2杯おかわりして満たされるとお風呂へ。
これもイヤイヤ。
どうにか入ってもらいたかったが、テコでも動かない。
仕方なくぬるま湯でタオルを絞り体を拭く。
これは、いいのか…
今のところ、カッとならずに冷静に対処できている。
自分でも驚くほど冷静だった。

敢えてTVを点けず、静かな部屋の中で子どもと野菜のオモチャで料理ごっこで遊ぶ。
フライパンで炒める真似をしながら、
「どうぞ」
と、運ばれる。
「パクっ、おいしい」
満足そうな子どもとこの時間を何ともいえない愛おしさで包まれる私。
同じやり取りが繰り返される中でも愛おしく、この時間がかけがえのないものだと思わせてくれる。

何十回、繰り返したか分からない頃、
「ねんねする〜」
子どもからこの言葉が出たことが、ただただ嬉しかった。

寝室に入り、いつものように絵本を読み聞かせ消灯。
やっぱり一筋縄ではいかない。
いつもラリー形式で妻と私をガシガシ蹴って、のしかかる。
それを一身に受けながらも耐える。
今日の私は満たされている。
きっと大丈夫。

1時間があっという間に過ぎていく。
ようやく、いつもの
時刻は22時。
ガチャンと鍵の音。
扉が開くよりも先に
「まま〜」
子どもが飛び起きる。
大丈夫じゃなかった…

よりにもよって、このタイミングかよ!
思わず「あ~クソっ!」心の声が言葉となって制止を振り切る。
しまった…
子どもが見ていた。
何も成長していない…

そこからは子どもが妻に実家で芋掘りをして取ったサツマイモを嬉しそうに見せていたこと。
ほとんど何と言っているか分からないが、きっと泊まりにいって楽しかったことを身振り手振りで伝えていること。
つい2時間前なら優しく目を細めていたであろう光景を虚ろな目をしていて見ていた。
そんな様子が妻に嫌な思いをさせてしまうことを知りながら。

妻が入浴を済ませて、寝る準備が出来ても子どもの聞いて、聞いては収まらない。
「先に寝てていいよ」
妻の優しさ。

「まだ、やりたいことあるから」
冷たい一言。
私の卑屈さ。
いままで何も出来なかった、というニュアンスを込めた意地の悪い言葉。
たいしたことする訳でもないのに。
それも自分で分かっているから
「ちょっと頭冷やしてくる」
(こう言っとけば反省してるだろう)
都合のいい言葉で濁して、また逃げる。
「気が狂いそうになる」
余計な一言を添えて…
(こっちが本心)
ただただ、ダサい。幼稚だ。面倒くさい。
こんな拗らせた子どものような父ですみません。
言っておいて、秒で後悔する。
どうして自分はこうなんだ…

今日、何度目かのドライブ。
誰も乗客はいない。
後悔のメーターが、みるみる上がっていく。

こんな自分を母は、どう思うのか?
いっそ厳しく叱って欲しい。
本気で心配してくれて、本気の言葉を掛けてくれる。
常に自分を見ていてくれる。
いつまで甘えるのだろうか?

ただ自分にもそんな存在がいることで反省と後悔を与えてくれているのかもしれない。
今はミラー越しに情けない顔をした自分がずっと見ている。

これを綴っているときは三連休の翌日。
いろんな感情がごちゃ混ぜになり全くまとまらなかった。
この次の日については、しっかり自分と対話しながら改めて。


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子どもに教えられたこと

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