父の言葉

前回からのつづき。

原因不明の病に冒されていた父であったが、
自力で徐々に回復を見せ、先生も驚かれたようだ。

そして、それにはこんな副産物も。

今までほとんど家から出ない生活をしていて体力が落ちていた父だが、
今回原因不明の病になったことで、これは自力で治すしかないと強く思ったようであった。

目標ができたおかげなのか、自ら行動することが増え、さまざまなことに前向きになった。

そして、昨年末には料理をするまでに回復し、外に出て買い物にも行きたがるようになった。

病を治そうと強く決意したことで、長らく患っていた病気にも回復の兆しがみられるようになったのだ。

最近私自身に悩むことがあり父に相談をしたときに、

「もうさ、人生良いことばっかり起きてればいいのになんでわざわざ良くないことが起きるんだろう〜」

と嘆くようにつぶやくと、

「人間も自然の一部だからね、雨が降らなきゃ植物が育たないように、そして雨はずっと降り続かないように、全てには流れがあるんだよ。
良いことも悪いことも時には起こるけど、でもそれは全て良くなっていくためなんだ。
今回お父さんだって原因不明の病になって、それは悪いことだけど、それがあったから外に出られるようになったんだから。」

と諭すように言葉をくれた。

お父さんの作るカレーが食べれる日が来たら、きっと泣いてしまうだろうな。


#創作大賞2023

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