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決戦の時

いざ、決戦の時。
この日のために全力を尽くしてきた。
長年のライバル、対F高戦。
試合開始の笛が鳴る。
俺は鼻から大きく深呼吸をした。
頭の中を空っぽにするため、
相手コートの中央を見つめる。
俺の得意技、フローターサーブ。
エースが得意とする時間差攻撃。
チームの持ち味でもあるクロス攻撃。
練習してきた数々の攻撃パターンが俺らを支える。
しかし、
たった一球で運命が変わる。
時が止まったかのようなその瞬間。
俺は生涯忘れないだろう。
ボールが自陣のコートに落ちる。
信じられなかった。
俺は仲間の決定力を、ジャンプ力を、
信じてただ、ボールを上げる。
それがその時の俺の全てだった。
皆の泣き顔。悔しさではち切れそうな胸。
俺の判断ミスのせいだった。
チームメイトと自分の涙は、
体育館の床に涙の海を作った。



お題「番狂わせ」by Kちゃん
P.S. 番狂わせを起こしたかったら
  文章の読み方を番狂わせしてみてね。
  (後ろから読んでみてね。笑)

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