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君はライブ映画の最高峰を見たか。僕は2回見に行った。

『STOP MAKING SENSE』


訳すと「意味(センス)をつけるのをやめよ」といったところだろうか

この映画には、ドキュメンタリーのようにインタビューがあったり、途中にMCを挟むなどはない。
ただ、ひたすらに曲を演奏し続ける。

アメリカの主に70年代後半から80年代に活躍したバンド
トーキング・ヘッズが1984年に公開したライブ映画である本作は
高い評価を得て、4Kにリマスターされ、2024年日本でも公開されたのが最近の話

私(わたくし)、観てまいりました。それも2回も。
最初は普通の4K、2回目はIMAXにて


最前列IMAX
うるせぇぇぇぇ!!!(いい意味で)

そうだ、この最高のライブに意味(センス)をつけるのは
逆にナンセンスなのかもしれない

ただ、僕はこれを観たことない人のために
または、観た人にも共有するために
あえて、自分の思ったことを言語化する!
するもん!!
してやるんだもん!!!!

ライブの序盤における他のライブとの違い

おいおい!結局最初からセンスを見せつけてくるんだよ
コイツらは!!!(いい意味で)

ライブの1曲目『Psycho Killer』はオリジナルのこれぞニューウェーブ/ポストパンク (なんか"ポスパン"って略したくなるよね)な曲調とは打って変わり
デヴィット・バーン(Vo,Gt)によるアコギとリズムボックスでの一人演奏から始まる
この時点で、ステージには彼一人
それどころか、なーーーーーんの機材も準備されてない
演奏に必要最低限の質素な形から始まる

ここから2曲目『Heaven』は、ティナ・ウェイマス(Ba)が登場して、2人での演奏となる
その演奏中にドラムセットをその場でセッティングしだすクルーの各々方々

そう、ライブがライブ中に作り上げられていく

・入念に準備したものを幕開けから観客に見せる
・セットリストで緩急をつけてライブのストーリー性をつける

こんな通常のライブの形を崩し

準備もろともライブのストーリー性の一部にしやがった!

これをセンスと言わずしてなんと言おうと思っても…
!!!!!!ストップ・メイキング・センス!!!!!!


こうして準備されていく楽器
一曲ごとに
ドラム、キーボード、コーラス隊、パーカッション…

人数はどんどん増えていく
そして、6曲目『Burning Down the House』で全員揃い踏みで
全員が揃うから重なる掛け声『バーニンダウンダハウス!!!!』
は完成する。

なんて勢いなんだろう。
もしここまでで、映画館で寝ているやつなんかいても
絶対ここで起きる。

というか俺が起こしに行く。
「この曲は聴いた方がいいぞ」って


演者が楽しむ心。人種を越えていけ。

何より、僕が思うのは、演奏する布陣

トーキング・ヘッズのメンバーはみんなそれなりの白人だが(それなり?)
サポートは全員黒人のミュージシャンを起用している。

彼らが、演奏中
一緒に踊ったり
高速足踏みしたり
目を合わせながらノったり

これじゃん
共存

アメリカが目指すべきステージ

何より白人の作った曲に乗る黒人のパワフルな演奏

適材適所

これこそそれぞれのセンスを引き出すステージという最適の場

!!!!!!ストップ・メイキング・センス!!!!!!
(文章に困った時のブリッジ)


その後のステージハイライト


8曲目『Life During Wartime』

これまで、ギターを弾いていたデヴィットがギターを置いて
全身を大いに動かす
こんな振り付けは見たことないと
誰もが思うそれは
一見ヘンテコでありながら緻密に計算された振り付けである。

「戦争するんだから遊ぶ暇はないぜ」という重い歌詞だが

そのような状況に置かれりゃ、おかしくなる。
それを体で表現しているようだった
それこそが抵抗であり、自由の表現なんじゃないのかな!(同調圧力)

11曲目『This Must Be The Place (Naive Melody)』


ステージのど真ん中にフロアランプを置き、それを撫でたり、キスしたり
倒れるか倒れないかゲームしたり(観た人にはわかる)
何より
コーラスがいい

12曲目『Once In A Lifetime』ではカメラはデヴィッドだけにフォーカスし
メッセージ性のある歌詞に、意味ありげ(意味はつけるな
ストップメイキ…..)な動きを見せる。狂気

13曲目『Genius Of Love』

この曲は、トーキングヘッズではなく、ティナ・ウェイマス(Ba)とクリス・フランツ(Dr.)夫妻による、トーキングヘッズやんないなら違うバンドやっちゃおでお馴染み、トム・トム・クラブの曲である。
デヴィッドがステージから消えて、場はもう夫妻のもの
ティナの歌声、これまでメッセージ性の強かった曲たちから、一息つくような軽い曲調
心なしかこの曲を演奏する彼らはより楽しそうだ。
これは、センスのあるイチャイチャだ!!!!

!!!!!!ストップ・メイキング・センス!!!!!!

14曲目『Girlfriend Is Better』

前曲で休んでいたデヴィッドは何をしていたのか!
まさか、喫煙所で一服していたのか?
もしくは、コンビニでジャンプを1連載だけでもと読みに行ったのか!?


答えは、「サカゼンに行っていた」でした!!!(違う)

この曲で現れた、デヴィットは、どでかいブカブカスーツで現れた
無論、さっきの曲で休んでいる間に太ったわけではない。
これは日本の能を意識して作られたスペシャルスーツは
エルビスやマイケルのように派手でもなく
ビートルズのようにシンプルなスーツでもない

大きく見せる
それはステージ上でも大事になる技法
それをスーツで見せセンス

!!!!!!ストップ・メイキング・センス!!!!!!
(何回やるんだこのくだり)

ちなみに本映画の『STOP MAKING SENSE』は
この曲中の歌詞から取られている

おわりに & お詫び

演者が演奏を楽しんでいるところを見ていると
こちら側も自然と楽しくなる。

この映画は、最後の曲になるまで観客を映さない
演者が楽しんで演奏している姿
あんなことやこんなことをしている様子

LIVEとは、「生きる」という意味もあるような
その本質が現れている気がする

音楽を媒介物として、生きることを見せてくる


そうか、生きることにセンスなんていらないのかも…




かっこよく終わろうとしてんじゃねぇぞ!!!



ここでお詫び。

このような魅力を伝える記事を
映画の公開が終わってしまったタイミングで出してしまったこと
深くお詫び申し上げます

またいつか映画館で見られる機会がありますよう願い
それまで意味のない。センスのない生活を続けよう




かっこよく終わろうとしてんじゃねぇぞ!!!



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