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会社の理念はいつから必要になるのか

経営者の方と組織づくりの相談の話をする中で、よくこんな事を聞きます。

「会社の理念は重要だと分かりました。ただまずは事業を立ち上げるのが先で、その後で理念を考えたらいいと思っています」

と。基本的には私も同じ意見です。会社を存続させるために、社会の中で価値を発揮するために、理念よりも事業を優先させることは分かります。

ただ、そのメリット、デメリットは見る必要があります。

◽️メリット
事業の立ち上げに集中することで、立ち上がるスピードと確率が上がる。

◽️デメリット
経営者が考える夢・ビジョンに共感する人のみでメンバーが構成されるので、「社長と愉快な仲間たち」の状態になりやすい。

会社の創業時は事業もお客様も組織も仕組みもお金もない状態なので、人の心を掴むのは経営者の人柄、夢、ビジョンぐらいしかない。

そこから立ち上がり、徐々に人が増えていくと、経営者の人柄や腕力で30人ぐらいの組織になったりする。

この状態の時に経営者が「ここまで何とかやってこれた。このままの勢いで行けるはず!」と思って、今までと同じような考え方とやり方で会社を経営しようとすると、大きな壁にぶつかる。

経営者の時間は当然に有限で、人が増えることで一人一人と対話する時間が圧倒的に減る。すると、人柄や腕力の影響の輪を越えた状況になる。この状況になると、

「最近、社長が何を考えているのか分からない」
「会社が成長して、社長は人が変わってしまったよね」

と言われるようになる。ここまでで理念を作り、全体に染み込むような仕組みと意思決定の積み重ねがないと、愉快な仲間たちの組織は簡単に崩壊していく。

組織で理念が必要な時は、「必要だと感じる少し前」が最適なタイミングなんだと思う。

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