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どっどうどどうど



窓がこんなにも強く鳴ることは無くて
夜中3時に目が覚めた


今住んでいるお家は
雨窓が付いていて風が強いと
とんでもなく大きな音で雨窓がガタガタいう


今まで雨窓が付いている家に住んだことがなく
「これは本当に必要なのだろうか?」
と風が強い日になると思う

なんせ雨を凌いでくれるのは窓があったら十分なのである

大きな音を鳴らすために付いているわけでもないのに
他に何の役目をしているのかわからないその窓に
少しいらつきながらも
何だかすごく心は穏やかで
まるで静かな海のようだった



いろんなことを考えた



それこそ私が今全く考えなくていいことだ


那須与一って本当に居たのか?とか
織田信長の死についてとか
坂本龍馬の暗殺についてとか
そんなことを考えていたら
朝の6時だった


起きる時間だ
と思って起きて
仕事しなきゃ
と思ってショートではあったが仕事をした




そして最近はまって観ていた
吉高由里子さん主演の「最愛」を全部身終えて
また風が強いことに今気がついて
少し風にあたろうと外に出て
近くにある100円ショップへ向かったら
「強風の為、手動でお願いします」
と文字が書かれたドアを見てびっくりして
特に買うものもなかったけれど
自動ドアを手動で開けてみたいが故に100円ショップへ入った


その時
「あ、地元で働いていた時お店のオープンの際に
自動ドアを手動で開けて掃き掃除をしてから
手動のスイッチ入れてたなぁ」
と懐かしい気持ちになって
近くのスーパーで干し芋を買って帰路に着いた



強い風のなか
歌が歌いたくなって久しぶりに
お腹から声を出して
ヨルシカの「又三郎」を歌ってみた

向かい風だったので
ほぼ私の声は後ろに風と一緒に流されて行って聞こえなかった


どっどうどどうど



宮沢賢治の出身地である岩手では
上記のように比喩されるような音で風が鳴るのだろうか

どちらかといえば今日の風邪は
ごうごう
という音だった気がする

家ではガタガタゴンゴン



今は夕方

風はおさまって静かに日が暮れていった


外や周りが騒がしいと
私自身はとっても静かな気持ちになれるのかもしれない
と思った日だった


今まで大阪というコンクリートジャングルの中で生活してきて
毎日がいい意味でも悪い意味でも騒がしかった

それをかき消すためにイヤフォンの音量はマックスだったし
音楽はないといけないものだったのに
関東の田舎に越してきてからは
外を歩くときもイヤフォンをしないことも多い


今は電車にも乗らない生活をしているし
視界を遮るビルもない田んぼが多いところに住んでいる



静かな感情になる一方で
自分の中にあった何かが足りなくなるような感覚もある


もっと刺激が欲しい
と感じる

でも静かに今は穏やかに生活したい
とも思っている



結局無い物ねだりだ



でも私は両方知っている


自分がしたいことも行きたいところも
もっと明確に毎日を丁寧に暮らせるはずだ


そう信じて明日は少し最近の自分がしていることと
違うことをしてみようと思う



明日は風が弱いといい

風が弱くて吐く息が真っ白なくらいうんと寒い日がいい

私はタートルネックをもっふり着て
モコモコの靴下を履いて少しチークを多めにのせて
仕事をしたい



明日も良き日に






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