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お気に入りレターセット「ミュージアムシリーズ編」

100円ショップで販売しているミュージアムシリーズのレターセットを全コンプしたので紹介しようと思う。

お気に入りポイント

便箋裏と封筒内一面に広がる作品のプリント、箔押しの画家名と作品タイトル、年、便箋のゆるい画家イラストが何とも言えずツボ。

可愛いルノワールさん

ゴッホ

夜のカフェテラス

アルル時代の作品。アルルの夜に賑わうカフェテラスが描かれている。
この絵を描いた翌年にゴッホは耳を切断。

初めてゴッホが黒色を使わずに青色を使って夜空を描いた作品。
この作品にはゴッホのサインはなく、残されたゴッホの手紙から彼の作品だと断定。

ガス灯によって浮かび上がる石畳の表情、秋空の星座(やぎ座とけんびきょう座の一部、もしくはみずがめ座らしい)黄色と青の対比が美しくて、大好きな作品。
このカフェは一度戦争で消失してしまったが、同じ場所に再建され、今も営業している。

カフェにいる白い服の人はキリストで、周りに描かれているのは十二人の使徒なのだとか(左側の黒い影がユダ)

ひまわり

7点あるひまわり作品の中で3輪のひまわりは一番最初に描かれたもの。

南フランスアルルに移り住んだゴッホは若い画家たちを集め共同生活しながら、みんなで作品創作するのが夢だった。

実際には色んな画家に手紙を出したが、ゴーギャンしか来ず、共同生活も2ヶ月で破綻。
ゴッホはゴーギャンとの共同生活に向けて家をひまわりの絵で飾り付けるため制作したそう。

みんなの都合お構いなしに夢が膨らんで行動してしまうゴッホのアンバランスさというか、エキセントリックな感じがなんかほっとけなくて好き。
(ストーカー気質だし実際存命していて関わったらえらいややこしそうだけど)


クリムト

接吻

クリムトの最も有名な作品。
金箔を用い、豪華絢爛。花畑で抱き合う男女がロマンティックな作品・・・と評す方もいるのだろうが、なぜか接吻をみると私はとってもかなしいというか切ない気持ちになる。
(といっても実物は見たことがないのだけれど)

愛というのは刹那的で、その瞬間確かに存在するのだけれど、指の間からこぼれ落ちる砂のように、次の瞬間には別のものに変わってしまっている。
接吻はその刹那をなんとか留めようとしているが、これから失われていく予感が描かれているのだと私は感じる。
いつか実物をみた時に、感じ方は変わるのかしら。

メーダ・プリマヴェージの肖像

僅か9歳の少女の肖像画。
クリムトが少女の肖像を残すのは少ないらしいが、9歳とは思えない堂々とした立ち姿に圧倒される。
色んなスケッチをした結果、このポーズで描くことになったそう。

彼女の父はウィーン工房の出資者である企業家で、母は女優(クリムトは母の肖像画も描いている)堂々としている理由がなんとなくわかる気がする。
そしてメーダ自身、とても自立心のある女性だったのだとか。彼女の強さにあやかりたい。


ルノワール

ムーラン・ド・ラ・ギャレット

パリ、モンマルトルにあったダンスホール。
庶民の憩いの場であったらしい。

ギャレット(ガレット)の風車という意味で、
ガレットを売る商人の親子が風車のそばで開いたダンスホールなのでこの名前だそうだ。

このダンスホールは毎週日曜日のみ午後3時から深夜まで開かれ、
労働階級の人々はみんな着飾ってやってきて、踊って飲んでガレットを食べて夜まで楽しく過ごしたらしい。

「自分の絵を見てみんな幸せになってほしい」と考えていたルノワールが描く労働階級の人達の表情はいきいきとしていて明るい。
ルノワールの愛と優しさがよく表れている絵だと思う。

デルフト焼きの花瓶のバラとジャスミン

花を描いたら右に出るものはいないと言われていたルノワール。

白地に青の絵付けを施したデルフト焼きは、中国や日本の磁器の模倣だと言われている。

溢れんばかりの花たちからは、花のしっかりとした厚みや躍動が感じられて、こちらにまで良い香りが漂ってきそう。


モネ

散歩、日傘をさす女

妻カミーユと、5歳の息子ジャンを後ろから呼び止めた瞬間を描いていて、貧しいけれど幸せだった頃の作品。
この後妻カミーユは結核にかかり、次男を出産後子宮がんで亡くなってしまう。

モネの日傘作品は3つあり、残り2つは後妻のシュザンヌがモデルとされているが、顔がはっきりと描かれていない。
後妻にカミーユの面影を探し、当時のカミーユとの楽しかった日々を大切な思い出、心象風景として描いている気がして胸がギュッとなる。

この一作目の日傘からは、純粋に幸せが伝わって来る。

睡蓮


モネはジヴェルニーで土地を購入し庭を造りはじめ、1893年に庭の池に日本風の橋をかけた。
池には睡蓮が咲いていて、ここから睡蓮の連作が始まった。
この睡蓮は1900年の初期の頃の作品。
睡蓮と水面を切り取る後期のものと違い、橋を含めた風景ごと切り取って描かれている。
奥と手前の光の対比が印象的。



美術好きな方も、美術に詳しくない方も興味のきっかけになる楽しい便箋。

レターセットは好きだけど、100均ではあまり買わないなという方もこのシリーズはおすすめなのでチェックしてみてください。

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