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矛盾を煮詰めた人間たち

今日は平日にもかかわらず仕事が早く終わり、同期の友達とコンカフェに行き、ラーメンを食べ、公園でお酒を飲みながら駄弁るという最高としか言いようのない春の夜を過ごしてきました。

仕事をしているとよくスタンスを取れと言われます。
要するに、調査や分析結果を踏まえてGOなのかNO GOなのかはっきりしろということです。
Twitterを眺めていると極論の殴り合いをよく見ます。
たけのこ派なんてありえない、間違っている、きのこ一択だろといった具合にです(実際はもっと生々しい社会問題に対してが多いですが…)

そんな感じでビジネスやネットの世界では、白か黒かのスタンスを取ることが往々にして求められます。
確かに意思決定をするにはスタンスを取ることが必要です。
一方、プライベートでもスタンスが求められ、曖昧さが許容されなくなってくると少し息苦しさを感じます。
たけのこのほうが基本的には好きだけど、きのこにもいいところがあるし、たまにきのこを食べたくなる時もあります。

そもそも、白黒つけてスタンスを取ることのほうが簡単な気もします。
えいや!と決めてあとはそれを補完するために、都合のいいロジックを組めばいいだけなので。
寧ろ、複雑に絡まりあう事象を多面的にとらえて、無理に抽象化せずその複雑さを保ったまま物事を正視することのほうが、思考力や胆力が要求される営みであると思います。
あきらめて、まぁこっちでいいんじゃないかとしたほうが早いです。
複雑で分からないものに対して、思考し続けるのは相当に難しいと思います。

だからこそ、物事や人の複雑性に対してごまかさずに真摯に向き合い、同時に自身の中にも矛盾や複雑さを抱えている人間はとても魅力的に映ります。
"俺は海賊王になる"のような行動原理が分かりやすく単純な人や、何かに向かって真っすぐ突き進むタイプの人間はかっこいいですし憧れたりするのですが、個人的にはいろいろとアンビバレントな感情を包摂して苦悩しながら生きている人のほうが奥行きがあって好きです。
愛嬌がある人たらしに見えて実は相手の気持ちを細かく汲み取って行動している人。
人見知りで人間関係が億劫だけど実は人間と関わることで幸せを感じている人。
クールでかっこいいシティボーイに見えて実はクセがあって不器用で繊細な人。
世の悪すべて包み込むような優しさを纏っていながら実はものすごく冷静に物事を見ている人。
それらの一見相反しているように見える側面すべてがその人であって、その多面性や複雑性がその人をその人たらしめているんだなと思います。
上手く表現できないですが、その人の中にうずめく矛盾をグツグツと時間をかけて煮詰めていくことによって複雑なコクとなり、その人の生き様を形作っているんだと思います。
そういうコク深い人間は知ろうと思っても全く掴めず、寧ろどんどんとその人が持つ人間としての魅力に引き込まれてしまいます。

自分はまだまだコクが足りないですが、いつかおいしそうなカレーの匂いがする人間になりたいです。
何だかカレーが食べたくなってきたので、明日の昼はカレーです。
おいしそうなカレーの匂いがする皆さん、今日も読んでくださりありがとうございます。

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