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詩集#3

50
第三詩集です。
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記事一覧

【詩】休暇届

地球は今日も廻っている 私は今日も生きている 人生とは何だ 人生は旅ではない 人生は海でもな…

【詩】鼻歌

鼻歌が聞こえる トイレ掃除の音とともに、それは聞こえる 心が弾むからではなさそうだ 思いが…

【詩】愉快な世界

ここは、とても愉快な世界です 障害を負わされた人のためのグループホームを作ろうとすれば …

【詩】いつか菓子折を

歓喜も開放(解放)も、始まりの中にはない 歓喜も開放(解放)も、終わることの中にしかない …

【詩】その愛は遅すぎる

愛してる、愛してるって言ったって 大切なんだ、大切なんだって言ったって その愛は遅すぎる …

【詩】夕暮れ前

夕暮れ前、近所の保育園から子どもたちの声が聞こえる ふと、それを恐ろしいことのように感じ…

【詩】武器を持つな

持っているものは使いたくなるのが人情だから ナイフを持ち歩いてはいけない 持ち歩いていれば、刺したくなってしまうよ 持っているものは使いたくなるのが人情だから ピストルを持ち歩いてはいけない 持ち歩いていれば、撃ちたくなってしまうよ 自分を守るために、ナイフや銃を持ち歩くのじゃなく ナイフや銃を持ち歩かないのが、自分を守ること 道の反対側から罵声を浴びせられたとき 私を守ったのは何かしらの武器ではなくて 何も武器を持っていないことだった 何も武器を持っていなかったから

【詩】脳内革命

あたし、あいつを殺したわ もちろん、頭の中の話よ あたし、あいつを殺したわ 何度も何度も殺…

【詩】光の中へ

目を開けられないほど まばゆい光のほうへ 歩む子らよ 生まれさせられたことは どのみち取り…

【詩】恐れ

母の手に刻まれた皺が恐ろしくて 私はそれを直視できない 母が生きてきた証である皺よ 母が家…

【詩】忘れたとは言わせない

来年の話をすると鬼が笑うと言うが 去年の話をするとポジティブ教の信者たちが眉をひそめるだ…

【詩】一年が終わる日に

一年が終わる日に太陽が爆発すると知っていれば もっと朗らかに、もっと愉快に、もっと陽気に …

【詩】たまたま

たまたま君がいた たまたまわたしがいた 君じゃなくてもよかったし わたしじゃなくてもよかっ…

【詩】フレネミー

あいつは君のフレネミー 薔薇の花束を差し出しても 無数の棘は包み隠したままで あいつは君のフレネミー 仲良しだねって言ったって 一万人の前で笑って侮辱する あいつは君のフレネミー 愛してるって言ったって 愛してるのは才能だけで 正面から殺しに来る奴より 味方のふりして後ろから 斬りかかってくる奴のほうが よっぽど始末が悪いって 知っていたかい? あいつは君のフレネミー 散々おもちゃにしておいて いざとなったら被害者面さ でもね、僕はそんなこと 君にはとても言えやしな