安斉太啓(あんざいもとひろ)

NSC 東京29期生 福島県出身。信州大学卒業。23歳。 このnoteのテーマは、「…

安斉太啓(あんざいもとひろ)

NSC 東京29期生 福島県出身。信州大学卒業。23歳。 このnoteのテーマは、「書き続ける」です。

最近の記事

『魔王城』

とても大きな、深紅の扉の中からは、 ゴオン、ゴオンと、 不気味な音が鳴り響いていた。 しかし、勇者は恐れることなく扉を開いた。 魔王城に辿りついたのである。 王によって選ばれしこの勇者は、 世界を救う使命を受けて、 伝説の剣を引き抜き、 精霊の国で加護を受けた鎧を授かり、 荒れ狂う海にある神殿で魔法の兜を手に入れ、 長い冒険を経て、 魔王城があるこの火山の頂上に立っている。 城の周りはドロドロとした溶岩が流れていた。 しかし中に入ると、 恐ろしいほど冷たい空気が流れていた

    • 『天才が解決』

      庶民が言う。 「世の中に食べ物がなくなり、死にそうです。」 天才は、 空気と電気で、パンを作る機械を発明した。 「これで、問題は解決するだろう。」 人々はパンを食べ、飢える人は消えた。 そして、誰も食糧を作る人がいなくなった。 庶民が言う。 「電気を生むエネルギーがなくなりそうです。  どうにかしてください。」 天才は、 空気から電気を作る装置を開発した。 人々は電気を無限に使えるようになった。 庶民が言う。 「酸素がなくなりそうです。  息が出来ずに死ん

      • 『過去の真実』

        無重力訓練を終えた田口と海野が、 宇宙飛行士だけが使える リラクゼーションルームで話し込んでいた。 田口「ええと、つまりだね。    君はあの星が見えるか。」 田口は、大きな窓から見える、 輝く星を指差した。 海野「さそり座の一等星、アンタレスだろ?」 田口「あの星とこの地球は、    550光年の距離がある。    光が届くまで550年かかるって意味だ。    つまり僕たちが今見ている、    あのアンタレスの光は、    550年前のものってことになる。」 海野

        • 『教育改革』

          安斉です。 5分で読めるショートショートです。 よろしくお願いします。 小学校教師である花田(34)が、担任である6年3組のクラスで、生徒たちと向き合っている。 チャイムが鳴った。 これから5時間目の国語の授業が始まる。 花田「今回は古文の文法の授業を学ぶぞ。」 生徒たち「えーー。古文つまんない。      退屈しうる可能性が存在する      時間軸があることもないべき。」 花田「大事なことだぞ。    昔のことを知れば、    将来に役立つ可能性が存在する時間軸が

          『タッチっぽい話』

          コントっぽいやつ書きました。 男女コンビの方、良かったらネタ見せで使ってください。 「タッチっぽい話」 校門から入り、 三階建ての校舎の中道を抜けた先にある 階段を降りる。 そこには、運動部のための校庭があった。 左側は、サッカー部のためのコート。 右側は野球部のグラウンド。 それらを囲むように、 陸上部のためのトラックが置かれている。 ヒロキは、3階校舎のベランダから、 その校庭の光景を眺めていた。 ふと時計を見る。 まだ明るいのに、 時計の針は18時を指していて驚い

          『洋服の青山』

          光彦は、持っている紙に書いてある住所と、 目の前のアパートの名前を照らし合わせる。 光彦「コーポ富士。ここに間違いない。    ここの203号室に奴がいるのか。」 古びた階段を上がると、ギシギシと音がする。 203と書かれた表札のあるドアの前に立ち、 インターフォンを押した。 中から、立ち上がって、 こちらへ向かう音が聞こえた。 ドアが開く。 中からは、自分と同世代くらい、 30代前後の男が出てきた。 光彦「突然申し訳ありません。    青山さんですよね?」 青山「そ

          『オオカミ系のグリム童話part1』

          オオカミ4匹が集まって話し合っていた。 狼1「で、結局、ブタが作ったレンガの家    の煙突から家に入ったんだけど、    火がついてて、    お尻が焦げてすげー痛かったんだよ。」 狼2「いやいや、俺なんか、    子ヤギを7匹食べたまで    はよかったけど、    母ヤギに腹切られて石詰められて、    まじできつかったんだよ。」 狼3「あ!俺も腹に石入れられた!    赤ずきんの子供と年寄りの代わりにさ!        で、しんどくて水飲もうとしたら、    川

          『オオカミ系のグリム童話part1』

          『ここは私が。』

          会社員の山崎忠雄(35才)は、 元取引先相手で、 今は脱サラして作家をやっている、 星野浩一(36才)と、 久しぶりにご飯を食べた。 山崎「いやー美味しかったですねぇ。」 星野「予約なしで入ったにしては、    当たりでしたね。」 山崎「特にエビチリがね。」 星野「私もエビチリが一番美味しいと    思ってましたよ。」 山崎「一緒ですね。    さて、そろそろお会計にしますか。」  星野「そうですね、    山崎さんはご家庭がありますもんね。」 山崎「その、まぁ

          『ルールブック』

          おじいちゃん家の蔵が大好きだ。 テニスコートくらい広いその蔵には、 ごちゃごちゃとたくさんのものが置いてある。 今日見つけたのは、ある本だった。 全体的に白っぽくて、大きい。 かなりホコリをかぶっていたが、 良い厚紙を使っていたので、 払うだけでキレイになった。 僕はこの白い本を持って、 友達である楠木君の家に行った。 楠木「で、おじいちゃん家にあったの?」 僕 「そう!蔵の中ね!」 楠木「何の本なの?」 僕 「英語わかんないから!読めない!」 楠木「ふーん、お

          『都会』

          畑山「いやー、すんごいところだ。    とにかく人が多い。」 畑山五郎(27)は、 車窓から見える初めての都会に驚いてました。 今まで、 自分の住む市から出たことがなかったのです。 畑山「村から街へ出てバスに乗って5時間か。    ずいぶんかかったな。   高速バスってのは、嘘なんじゃねえか。」 高速道路を通るバス、という意味ですよ。 プシュー。 「目的地に到着しました。」 畑山「ありがとうございました。    あ、運転手さんよかったらこれ、    うちで作った梅酒で

          『料理番組』

          あらかじめ用意しておいたものがこちらです。 私はこの一言がとても好きだ。 まず具材を用意する。 具材を切り、下ごしらえをして、味付けをする。 それを煮ること30分で出来る料理。 テレビ番組では煮る時間を待つことは出来ない。 尺的な問題があるからだ。 そのまま待っていたらエンディングに入って、終了。 まさに煮え切らない。 それを解決する魔法が、 あらかじめ用意しておいたのがこちらです、だ。 番組が始まる前に、 具材を用意して、具材を切り、 下ごしらえをして、味付けをする

          『夜景とかが見えるレストラン』

          「30階でございます。」 エレベーターのドアがやっと開いた。 まず、待合室にある大きなシャンデリアが目に入った。 次にウェイターさん、 高そうなスーツを着こなしている。 言われた通り、ドレスを着てよかった。 そして、そのウェイターさんに 予約した名前と時間を告げる彼を見た。 かなり緊張している。 彼もこんなレストランは初めてみたいだ。 彼 「今、予約の確認してくるって。」 私 「すごいね。    高級レストランって、    お金大丈夫かな。」 彼 「大丈夫、コース料理だ

          『夜景とかが見えるレストラン』

          『国際結婚』

          僕はルームシェアをしている。 だから、こうして家に一人でいる時間は結構幸せだ。 気兼ねなく本当の自分でいられる。 それに、一緒に住んでるあいつは、 もう2,3日はこの家に帰ってきてない。 「ガチャガチャ!ガチャガチャ!」 玄関は鍵が閉まっているのが通常の状態であるということを、 1年たっても覚えないあいつがついに帰ってきた。 「ピンポーン」 チャイムが鳴る。 太田「おーい萩原~、いるんでしょ~。    開けてよ~。」 太田のバカでかい声はドア越しでもよく聞こえる。

          『ノーパンツ』

          よし、決めた。 今日一日、ノーパンツで過ごしてみよう。 朝6時半、スマホのアラームによって、 目が覚めた瞬間に決意した。 昨日の夜から考えていたことなのだが、 結局結論が出ずに寝てしまったのだ。 しかし、もう決めた。ノーパンツで過ごす。 僕は、ベットから起き上がり、 着ていたパジャマを脱いで、 全身鏡の前でパンツ一丁になった。 「ごめんな。  こんなことなら、昨日履かなきゃよかった」 果物がたくさんプリントされたパンツに謝りながら、僕は生まれたままの姿になった。 シャ

          今後のnoteの方針について

          こんにちは。 東京NSC29期の安斉太啓(あんざいもとひろ)です。 プロフィールを少しだけどうぞ。 出身:福島県 年齢:22歳 最終学歴:信州大学卒業 好きな作家:星新一さん。 好きな星新一作品:熱中、午後の恐竜 ほんとに少しだけでしたね。 今回は今後のnoteの方針についてです。 今まで毎日投稿していました。 星新一さんが好きなので、 (新潮文庫からの単行本はほぼ持ってます。) ショートショートをあげてみたり、 相方を探してる間はネタをあげてみたりなど。 おかげ様で

          今後のnoteの方針について

          漫才台本『就職』

          東京NSC29期の安斉太啓(あんざいもとひろ)です。 今日は漫才台本。 お願いします〜〜。 B:ボケ T:ツッコミ T「どうもーよろしくお願いします。」 B「お願いします。」 T「もしもの話なんですけどね、   芸人になってなかったら、   普通に就職してサラリーマンに   なってたんだろうなーと思ってね。」 B「たしかにな。」 T「新入社員としてはいってたら、   どんな感じになってたんでしょうね。」 B「じゃあその感じやってみる?」 T「え?」 B「俺、