見出し画像

牛の歩みと春

ここ数日は春の陽気だったベルリン。今朝は寒の戻りなのか気温は3度。体感温度はマイナス2度となっていた。こうやって一進一退しながら4月下旬くらいにようやく春がやってくる。ベルリンには本格的な春がなかなかやってこないのだ。

一進一退、といえば今日の午後に見知らぬ番号で電話連絡が入った。どうせまたつまらない勧誘だろうとそのまま切ってしまったが、その後すぐにメールでも連絡があった。「残念ながら先ほどお電話がつながりませんでしたので…」とあり、なんと連邦雇用庁(Bundesagentur für Arbeit: BA)からだった。メールを読み進めるとサービス番号に問い合わせるか、BAのサイトからコンタクトを取るように指示があった。

え、先日電話で問い合わせたときに聞いた内容と全く同じなんだけど。サービス電話に電話をすると、待ち時間が10分以上だとメッセージが流れたのでオンラインフォームから予約に関する問い合わせを入れていたのだ。そして、おそらく先ほどの電話はその問い合わせに関するものだったはず。職業相談のための予約を取りたい、と問い合わせたのだから具体的な日時に関する連絡だったはずである。

今となっては後の祭りだが、ここでめげずに今日はサービス番号の方に電話をかけてみることにした。待ち時間は10分。これも前と全く同じである。「〜の手続きをご希望の場合はオンラインサービスをご利用ください。ヴェーヴェーヴェー、、、」向こうも何とか回線(職員?)の負担を減らすために電話を切らせようとあの手この手を使ってくる。

だが、10分も経たないうちに女性の担当者に繋がった。声の調子は明るくて若い職員のようだ。オンライン登録をしたので顧客番号と氏名を伝えたが、見つからないと言う返事。住所と携帯番号を伝えると、データが見つかったようだが登録が受理されていないとかで新しく顧客番号を出してもらった。

さて、これでようやくアドバイスをもらうための面接の予約がもらえるのかと思いきや、システムがダウンしているとかでオンライン申請やSMSサービスが利用できない状況らしい。結局、10年前とほぼ同じ手順を踏むことになった。通話料金が無料のサービス番号に電話で連絡→データを口頭で登録(今ここ)→担当者から郵便で通知が届く、という流れである。せっかく通訳の仕事で同行した際に、デジタル化が進んだイメージを持てたというのに、これでは以前と何も変わらないではないか。

ま、ベルリンの公共サービスなんてこんなもんだよな。デジタル化は進んでいるものの、システムがよくダウンするのである。

本ブログの方にも「海外生活のデメリット」を簡単にまとめたものがあるんだけれど、そこにも書いた通りのことが日常茶飯事で起こる。そう、物事がなかなか進まない、というのもその一例。

だから労働局に相談しに行くというのはあくまでもオプションのひとつとして捉えている。並行してロシア語をブラッシュアップしたり、戦力になりそうなオンラインコースを受講したり、求人ポータルをチェックしたりしているというわけ。選択肢をひとつに絞ってしまうと、それこそ文字通り何も進まずストレスばかりが溜まる羽目になるからだ。いくつかオプションがあれば、そちらをやりつつ進まない方については「いつか予約の連絡が入るだろう」くらいの気持ちで構えていられる、というわけ。

今日のところはBAに正式にオンライン登録ができて顧客番号をもらえたのでヨシ!くらいの気持ちでいる。電話の向こうで「郵便で詳細が届きます」と若い職員が言っていたけれど、どうせまた忘れた頃に通知が来るんだろう。春が来るのが先か、通知が来るのが先か。それはそれで今後がどうなるか楽しみでもある。

サポートは今後の取材費や本の制作費などに当てさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします!