見出し画像

20080121 アイスランド

 日本の糸魚川-静岡構造線$${^{*1}}$$では、北アメリカプレートとユーラシアプレート$${^{*2}}$$とがぶつかり合っている。その北アメリカプレートとユーラシアプレート$${^{*3}}$$とがアイスランド$${^{*4}}$$から吹き出ている。アイスランド一帯だけから吹き出しているのではなく、丁度アイスランドの部分は陸地なのでその吹き出している部分が良く見えるということだ。吹き出しの部分の割れ目は「gjá$${^{*5}}$$(ギャオ、ギャウ)」と呼ばれる。

 不思議なのはアイスランドの部分だけ陸地になっていることだ。プレート$${^{*6}}$$の吹き出し部分$${^{*7}}$$の大部分は大西洋の海底にある$${^{*8}}$$。

 アイスランドだけが陸地になっているのは何か必然性があるのか。それとも偶々そこだけが陸地として盛り上がっているのか。プレートが大陸か海洋かに分かれる境目はその密度にあるらしい。マントル$${^{*9}}$$の対流によって吹き出てきたプレートは大陸を形づくっているプレートよりも重いらしい。従って大きく盛り上がれないので海の底のままである。大陸を形づくるプレートは古代に何らかの原因で海洋の底にあるプレートの岩石よりも軽い岩石で形成されたようだ。その部分は地球表面上で一塊りになって盛り上がっていた$${^{*10}}$$。大陸以外には水が溜まって海になったのだろう。

 その後、マントルの対流によってプレートが動きだす。大陸ができた時にもプレートは動いていたに違いないが、動き方は今と大きく違っていたのだろう。だから一塊りの大きな大陸ができたに違いない。古代の大きな大陸ができた時と違う動きでプレートが動き出せば、大陸は分裂せざる得ない$${^{*11}}$$。分裂した原因はプレートの吹き出しによる。しかもそのプレートは重いので海底のプレートにしかならない。軽ければ新しい大陸が形成することになるが、現在の大陸で出来上がりの時期が大きく異なる証拠は見つかっていないのだろう。太古に大陸が分裂し出してからは一度も新しい大陸は出現していないのかもしれない。

 そう考えるとアイスランドというのはかなり特異な島ということになる。もしかすると大陸になりかけているのかもしれない。

*1 20000902 フォッサナグナ
*2 プレートテクトニクス
*3 Fig2.jpg
*4 Understanding plate motions [This Dynamic Earth, USGS]
*5 Geology of Thingvellir
*6 Science Product Support - GPS Site Motion Vector/Crustal Velocity Archive | UNAVCO Facility
*7 Main types of plate boundaries [This Dynamic Earth, USGS]
*8 Mid-Atlantic Ridge [This Dynamic Earth, USGS]
*9 地球惑星物理学科 [ マントル対流 ]
*10 Historical perspective [This Dynamic Earth, USGS]
*11 プレートテクトニクスの話

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?