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「アイドルマスター ミリオンライブ!第2幕」 短評

序文

最近、通りがかりにちょっとパフォーマンスが気になったリアルアイドルのリリイベを遠目で眺めて、良かったら曲やSNSを拾ってみるという事をやっています。

9月24日当日はアトリエ第Q藝術にて女優・声優の須藤叶希さん出演のシーリア企画の舞台「永遠を愛を誓います」を観劇し、
タワーレコード渋谷店で「Appare!」「純情のアフィリア」というアイドルのインストアライブを観ていました。

片やTiktokでヒットした「ぱぴぷぺPOP!」がデレステにカバー実装されたり詳細は控えますがミリオンライブと共通する線が多いアイドル、
片やアイマスに楽曲提供歴もある志倉千代丸さんと桃井はるこさんプロデュースのアニソン寄りアイドルという、妙にアイマスに近い位置にあるアイドルのリリイベをなんとなく眺めていました。
(作曲:堀江晶太の「アッパライナ」と作詞:松井洋平/作編曲:堀江晶太の「スカイラインファンファーレ」の実装待ってます。)

その帰りがけに丁度良いタイミングの時間の回が有ったため渋谷シネクイントにて鑑賞しました。

着実にエンジンが掛かった5・6話。

舞台のモデルである豊洲公園

紆余曲折を経て始まった「原っぱライブ」。
「手作りの武道館」の中で始まるお披露目ライブ。
序盤で楽曲の音量レベルを抑えてクロスカッティングやセリフを被せるのを多用されたのはちょっと苦手でした。
テントの中と外に分かたれたアイドル達が全員で「Thank you!」を歌い、紬と歌織が未来に手を引かれるビジョンを視る。
現実の武道館の4thライブまでの流れを概念として昇華し団結を描くとても良い流れと感じました。

視聴スタンスで評価が分かれる7・8話。

順次リリースされるユニットとなったアイドル達が創意工夫を凝らして課題を解決しよう・盛り立てようと奮起する回であり、
従来の1クールアニメ鉄板の「5~6話辺りで一応の団結・決着が描かれたら7~9話あたりは比較的緩やかなオムニバス形式で各キャラクターにスポットを当てた、いわゆる「当番回」。

10~12話で最後に向けてたたみにかかるというセオリー通りな流れ」なのだが、2話連続で大人側からかなり一方的にもたらされるミスの事態収拾に各アイドルが奔走するストーリーに軸であり、
メインストーリーの軸の未来と静香は傍観者ポジションでほぼ介在しない状態であり連続ストーリーとしてのドライブ感のギアを落とされた様に感じてしまった。

特に1~6話で39人を受け持ちながらも着実に実直に仕事をしてきたプロデューサーが、業務量とアクシデントに忙殺されて別現場のサポートをしきれない面が強く出てしまって、(続く第3幕での成長を描くためのカタルシスとはいえ)マイナスイメージを持ってしまった。

各回のメインのアイドルを主観・担当とされている方には申し訳ないが、
「もっとメインストーリーを入れ込む尺が要るのではないか」と首をかしげてしまった。

個人的にはアニメやドラマで「1クールで1人の一時・4クールで1人の一生」を描ききる事は難しいと思っており、アニメ化発表後に常々語り草ではあったが「只でさえ大所帯な作品なので各アイドルにスポットを当てるのであれば4クールは必要」と改めて感じてしまった。

「起承転結」で言えば5・6話が「承」の一番の盛り上がりどころで、
「静香の父をどう納得させるか」「未来の夢の行きつく先は」というマクガフィンをもって「転」を描くところだと思っていたので、「その尺有る?大丈夫?」と感じてしまった。

いわゆる最後に向けた「溜め」のパートであるというのは重々承知だが、
商品展開上必要な要素やメインストーリーが重すぎないようにするためのバランス、他アイドルのキャラクター性を大きく打ち出せそうな隙間を入れ込む場所がここにしか存在しなかったという感じがしてシリーズ構成の苦労が感じられる回でした。

第3幕への期待

7,8話に少し訝しんでしまったものの、幹であるメインストーリー自体は最終第3幕へのベクトルは保ったままなので、続く物語でどう昇華していくのか楽しみにしています。


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