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wedding ring story

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新郎新婦と指環のストーリー。
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wedding ring "muguet"

「泣いちゃいそう」 ご結婚指環を手にした時、想いを巡らせて、瞳を潤わせる新婦。「夏までだいじに置いとかないと」と、実際にはめるのは、まだもう少し先にするのだそう。5月半ばにお引っ越しをして、7月には両家顔合わせ。ゴールデンウィークも引っ越し準備で、行ったり来たり。新生活のよろこびと、顔合わせの緊張感とが入りまじるなか、ひとつ、指環がカタチとなって、ほっとひと息の新郎新婦。 その指環は、お揃い感がでるよう、お互いの素材を交換したデザインに。新郎は、プラチナをベースに18金のピ

wedding ring "akatsuki"

ちょうど工房裏の田んぼでは、田植えを終えたばかりで、まだ幼い苗が緊張しているように,、風に揺れています。庭の木や通路など、目に触れるものに興味津々、「気になるものが多すぎて」と話題も尽きず、仲良く楽しそうな新郎新婦。2月に東京西荻窪の個展で打ち合わせをしたおふたり。「連休に石川へ受け取りにいきます」と、ご結婚指環のお受け取りにお越しいただきました。 そんなおふたりの指環は、ふたつの違う色味のK18ゴールドで、「わからないくらいがいい」組み合わせを選んで。新郎は、クリーム色と

meeting for wedding ring

新緑にうるおいを与える、しっとりとした雨のあとの静かな夕方、ご結婚指環の打ち合わせにお越しいただいた新郎新婦。水が張られ、田植えを待つ田んぼは、空を映して、灰色でつながるような景色がぼんやりと広がります。ザクロ文庫へとつながる道は、草の勢いに負けずに咲いた、白やピンク、紫、黄色と花の鮮やかさがいっそう際立ち、おふたりを笑顔で迎えているよう。 「持っているダイヤを指環に入れたい」というご相談だったので、ダイヤを見せていただくと、立派な箱が出てきたので、お話をお伺いすると…。

wedding ring "tread"

数日続いた雪降る寒さもやわらぎ、「はやく出ておいで」と草花を誘うようなやさしい雨の朝。その雨もちょうど上がったころ、ご結婚指環のお渡しとなった新郎新婦は、しっとり洗われ潤いのある空気をまとうように、初々しくザクロ文庫の戸を開けて。表情もすっきりと嬉しさを含んでいます。 しばらく、緊張しながら指環を眺めて、「触ってもいいですか」と指環をはめる瞬間は、ドキドキも最高潮に。新婦の指にはまった指環を、まじまじと見つめる新郎に、「自分のも同じやのにー」と、お揃いの指環でも、お互いの様

wedding ring "energy"

朝から、町内を流れる川にたまった泥をあげる作業を町内総出で。田んぼとともにある地域なので、これからが一年の始まり、季節がぐっと動き出したことを実感します。とは言え、家の前がいちばんの難所で泥がたまりやすく、あげた泥で道路も泥だらけに。でも、お昼には雨がポツリポツリと降り始め、綺麗に洗い流してくれる最高のお天気となりました。 この日の午後、ご結婚指環のお渡しとなった新郎新婦は、午前中にフォトウェディングの打ち合わせに行ってきたのだそう。来月の挙式は神社で厳かなので、ドレスの写

meeting for wedding rings at HATOBA

今回の個展では在廊中に結婚指環の打ち合わせも行いました。関東にお住まいでなかなか石川まで行けないお客様も、どんな感じなのか素材などのサンプルを実際に見てみたい、とご相談があったので在廊しているタイミングでやりましょう、ということに。HATOBAさんにも事前にお伝えしていたので、打ち合わせ用にテーブル席も快くセティングしてくださいました。 バタバタするか不安でしたが、作品をご覧になっているお客さまも穏やかにあたたかく見守ってくださり、HATOBAのスタッフの皆さんの細やかな心

meeting of the wedding ring

春はどこから、どんな顔をして現れる?小鳥たちのさざめきに耳を澄まして、春を探したくなるような明るく穏やかな日。雪もすっかり溶けた地面をじっと探すとフキノトウを発見。長い眠りから目を覚まし、ひょっこり顔をのぞかせて外の様子を伺っているよう。そんな春の兆しが色濃くなった先日、心和む足取りでお越しいただいた新郎新婦。 5月に出産を控えた新婦の手を取り、支えるように寄り添う新郎。ほのぼのとあたたかな空気感に包まれる中、指環作りのお話を進める時間となりました。指環をはめた時のいろいろ

wedding ring "beacon"

「この子と結婚することになったらここで指環を作ってもらおうと思って」 打ち合わせの時、新郎の告白のような言葉に、「そうやったんや」と嬉しそうに驚きを見せる新婦。それから彼女の誕生日に指環作りのことを話し、結婚への道すじを立てたのだそう。 そんなおふたりのご結婚指環は、幅もゆったりとぽってりとしたカタチに鎚目を施し、色かえの素材、バランスをそれぞれ好きなように選びました。新郎は、18金のイエローゴールドにプラチナを1/4だけ部分的に組み合わせ、内側にはブルーダイヤを。新婦は

meeting of the wedding ring

「泥を触ることがあっても大丈夫ですか」 手をすり合わせるような仕草でそう話す新婦に、農業や陶芸をされているのかなと思いきや、かえってきた答えは土木。道路作りに携わっているというから作るといってもスケールが大きい。しかも新郎もたまたま同じ職種で、ふたり揃って道路づくりのエキスパートとはまたビックリです。 いまは地震の影響が色濃く、まさに道路は最重要課題なので大車輪の大忙しさ。そんな合間をぬってご結婚指環の打ち合わせにお越しいただきました。元日の地震の時は、ふたりで能登のご実

meeting of the wedding ring

久しぶりに柔らかな晴れ間が広がったこの日、ご結婚指環の打ち合わせにお越しいただいた新郎新婦。風にはまだ、身の引き締まるような冷たさが残るものの、降りそそぐ陽光の彩度やぬくもりには、春がすぐ隣にいるようで心が和みます。待ち焦がれた春を喜ぶように、嬉しそうに笑い合うおふたりが、ほがらかな時間を演出し、福も一緒に運んでくれたよう。 「優柔不断で決められなくて」と言いつつも、いくつかのサンプルを見ながら「これが好きだな」と、自分たちの好み、大切にしたいことをしっかりと確認でき、指環

wedding ring "olivier"

クリスマスの贈りものにタンポポの指環をお選びいただいたのは3年前のこと。学生の時に同級生だったというおふたりは、お仕事でお引越しなどがあっても、ずっとそのままの自然体でお付き合いが続いたのだそう。その秘訣は、良いことも悪いこともふたりで分け合うように、という心掛けを大切にされてきたから。それでも、我慢したり、空回りしたりしながら、晴れてご結婚を迎えられたおふたり。ご結婚指環も、そんなおふたりの想いが詰まった指環となりました。 ふたりでひとつという想いから、指環をふたつ合わせ

wedding ring "aze no kirameki"

大雪のあと雨の日も続いたので雪はおおかた解けて久しぶりの青空が広がりました。ご結婚指環のお渡しとなったこの日、気持ちの良い冬晴れに、畳の目ひとつ、米粒ひとつずつ日脚が伸びて春の兆しを感じるような。「こっちは雪が残ってないね」と先日の寒波で記録的な積雪となった能登からお越しいただきました。 お揃い感が出るようにと、新婦の希望を優先して、寄り添うようにふたつの指環のデザインを決めていったおふたり。新郎はフラット、新婦は甲丸のシンプルな形をベースに、お互いの素材を交換するように色

wedding ring "kachi"

長野県の新婦のご実家へ指環をお届けしたのは夏の終わり頃。新郎の出身地韓国ウルハンで暮らすおふたりは、来日した先月に、やっと結婚指環を手にすることができた、とお写真とともに嬉しいご報告をいただきました。お隣の国から海を越えてはるばるザクロ文庫にお越しいただいた初夏の暑さや、瞳を輝かせて打ち合わせに臨むおふたりの姿を懐かしく思い出します。 「せっかくのオーダーメイドだから」とそれぞれの好みのままに、新郎の指環には鳥モチーフを入れたい、ということで、韓国で幸運と嬉しい便りを伝えて

meeting of the wedding ring

先日までの強い雨風に裸となってしまった木々。地面にはまだ色鮮やかに染まったもみじがふかふかの絨毯のように庭を明るくあたたかな印象へと模様替えをしてくれたよう。朝から降っていた雨もようやくあがって、日も差してきた午後、ご結婚指環の打ち合わせにお越しいただいた新郎新婦。散り敷かれた落ち葉の道が花道のように華やかにおふたりを導いてくれているようです。 来年春に式を挙げる神社で打ち合わせも始まり、指環の交換の話となっていよいよ指環作りに本腰を入れて動き出したおふたり。こうと決めたら