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前略おふくろ様を2021年に観る。@TAKA

*今更ネタバレも無いとは思いますが内容に触れます

前略おふくろ様を知るに至ったのが昨年だったのですが、私は40代なので
普通に生きていたら中々1970年代の映画やカルチャーを知る事はありません。

私は10代20代はバンド活動に明け暮れていた事もあって70年代音楽であれば多少は遡って聴きましたが映画には全く知識はありませんでした。

寧ろリアルタイムで生きてこないと
ピンと来ないですよね映画は。
年代がガッツリ違いますから。

そんな70年代は全く知らない私が当時人気だった、前略おふくろ様を知るに至ったのは

今住んでいるマンションでは強制的に有線放送契約が必要でして
コースにより有料放送がまとめて見放題との事で最低限のコースと有線放送受信レコーダーを入手してからです。

Web関係の仕事は案外ストレスがたまるので、興味はないけど映画でも見れたら良いな位の気持ちで。

コースの中には日本映画専門チャンネルが含まれており毎日一本の映画を見ながら寝るというルーティンが出来上がってしまいました。

このチャンネルでは60年代から現代までくまなく放送されるので

所謂、名前だけは聞いた事はあるけれども実像は知らん!というような
名優の作品も放送されており

勝新太郎、北島三郎、仲代達矢などなど実際見たこともなかった俳優の映画が流されるので

友人と飲みに行くと
なあ、仲代達矢って凄いよね!?
あの無言で空気を揺らす気迫は
尋常じゃないよ!

等と時空を超えた話題になってしまい
友人はキョトンとしたりしてます。

命の爆発というか
気迫というか
名優と言われる方の演技は

最新の液晶テレビ画面にあっても
全く関係なく当時の空気を
投げつけてきます。

昭和の名優というのは
凄いなと改めて思います。

ストーリーにしても
現代のように右に左に軽々しく変わるものは珍しく、真っ直ぐ進み
内容的には今の半分位の話を
深く掘り下げていくような映画が
多かったり。

時代により映画も変わるんですね。
今の映画が昔の映画の先にあると考えれば音楽と同じ事かもしれません。

最近の音楽しか知らない人は
今の音楽がポッと出てきたように感じますが、昔からいろんな音楽を聴いたり演奏してきた人ならば

これは昔のあのバンド、
これはあの手法、これはあのアルバムのあの曲にそっくりだ

なんて事がありますよね

さて、そんな感じで何となく
昔の映画やドラマを有料放送で見ている中で今現在毎週録画をして

次はまだかな〜?
と待っているのが

前略おふくろ様なのです。

ショーケンという呼び名で親しまれた萩本健一主役で、梅宮辰夫、
娘さんが何かとお騒がせの
坂口良子などなど豪華なキャスト。

まあ、40代の私が
こんなに熱くなるのも変な話ですが

この坂口良子が美人なんですよね。
あと梅宮辰夫が渋い。

ストーリーというと
北の国からでお馴染みの

なわけで、、、。ではなく
前略おふくろ様、、、。

と何かと母親への
手紙を読むという萩原健一の
ナレーションが入るスタイルは
北の国からを知る人ならば

違和感はないはずです。

何気に桃井かおりも出ていて
ヤキモキさせる役回り。

要するに梅宮辰夫が板前の親方で
絶対的威厳と怖さ、優しさを持ち

ショーケンはその板前のもとで
修行の日々の中

坂口良子と恋仲になる。
そんな中で色々起こるという。

そして

前略おふくろ様、、、
というナレーションが入る。

さすがに時代が違うので
男女の恋の進展具合が非常にスローで
尚且つネットもない
スマホもない

そんな時代の話なので
何やってんだよ、、、

と幾度も思う訳ですが

憧れすら感じるのです。
ピュアなんですよね。

ショーケンに気持ちを伝えるのに
LINEもない、スマホもないから

わざわざ固定電話に連絡する。
わざわざ話をするのに呼び出す。

外じゃ寒いから喫茶店で向かい合う。

LINEで細かいフォローもできないから
すれ違う。すれ違いを解消したいけどスマホがない。

また固定電話で呼び出す。

いつまで経ってもキスどころか
好きだと伝わらない。

伝わるどころか
もつれた糸が更に
こんがらがって

釣りに行ってリールが
バックラッシュしたみたいに

その場ではとても修復できず
釣りを諦めてしまうに至る

昔の映画はこうした
もどかしさが鍵となるので

現代の映画とは一味も
二味も違います。

最初は寛大な気持ちを持って見ないと
古臭いと感じるかもしれないけれど

見慣れてくると
もっと欲しい、、、
もっと、、、

と欲してしまう
そんな魅力があります。

もし70年代からを守備範囲に入れたら
映画の数は膨大なものになる。

これから私は生きている間に
何本観れるかというのを考えると
おちおち死ねないなと思うわけです。

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