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私たちがフランスで生きる女性から学ぶこと。シックでエレガントに年を重ねるために。

フランスで生活することによって、自分の生き方に向き合いマインドを変えたというアメリカ人の女性の著書を読みました。

一冊は数年前に日本でも大流行した『フランス人は10着しか服を持たない〜パリで学んだ ”暮らしの質” を高める秘訣』で、著者は大学時代にパリへ留学したアメリカ人女性。
もう一つは、『フランスの女は39歳で “女子” をやめる』という、イギリス人の夫と子供と共にパリに暮らすアメリカ人ジャーナリストの女性による本です。

どちらもアメリカ人のフィルターがかかった上でのフランス人女性の生き方について書かれているのですが、
その気づきや学びには、大いに共感し参考にできる部分がいくつもありました。
特に、40代以降を生きる上でヒントにしたいことがいくつも。

彼女たちがフランス人の中年女性を表現する言葉は「シック」や「エレガント」。
確かに、私が抱くフランス人マダムのイメージもそんな感じです。
「アメリカンドリーム」「ローコンテクスト」「大量消費」なアメリカのライフスタイルを生きていた彼女たちが、パリでの生活で衝撃を受けたのは、その真逆の生き方をするフランスのマダムたち。

彼女たちの目を通して見えたのは、地に足がついた生活をしているフランス人の女性たち。

自分のことをよく知り、自分らしく生活するために、装いや食事、インテリアにこだわりを持っている。
自分がどんな風に年を重ねるかを自分で選択している。
年齢と共に、あくまで”社会”の中で「自由」を獲得する。
自分のニーズに合った日常生活を無理なく無駄なく構成する。

フランスの女性たちは、年齢を重ねる毎に自分を理解し、次第に自由になっていく印象を受けました。

自分を理解するということは、手放しで自分を認めるということでもありません。
上手いこと諦め、受け入れながら、自分らしさを最大限に引き出すための、その場その時の力加減を身につけていく、というようなイメージでしょうか。
自分のマインドも、自分の体も、それが「自分のものである」と受け入れる。
足るを知る」という言葉がしっくりくると感じました。

そして、その自分が、どんな時にどんな事で喜びを感じるかを知っている。
まさに、フランスのマダムたちは、他の誰でもない自分が快適に機嫌よく過ごす方法を身につけている訳です。
最強以外の何物でもありません。

しかし、「羨ましい。自分には到底無理」と悲観することはありません。
アメリカ人の著者たちと比べ、日本人の私たちには、そんなフランス女性のマインドに近づくためのアドバンテージがあります。

それは、私たちがハイコンテクスト文化を生きている事。

様々な情報を文脈や言語以外の手がかりから判断することのできる私たちは、所謂「場の空気を読む」ことが求められるフランス人のマインドに近い部分を持っています。

加えてフランスでは、周囲だけでなく、自分自身についてもきめ細やかに理解することが必要とされているのですが、こちらは我々日本人の弱い部分ではないかと思います。

自分の置かれている環境や人間関係の中で今何が起きているのか見極める。
多分日本人はこれが得意。
そこからさらに一歩踏み込んで、その状況に対して自分はどう考え、どう応じるのかを理解する。
それが出来るようになれば、フランス的「自由」を獲得し、自分の生活を心地良くハンドルしていくことが出来るのだと思います。

ウイルスの脅威により、行動は制限され、それでも忙しい毎日は押し寄せてきます。
せっかくならこのタイミングで生活をよりシンプルにすることで、自分に向き合い、日常生活の中にささやかな喜びを見出せるかもしれない。
そして、その積み重ねが、シックでエレガントな数年後の自分を作るのかもしれない。
フランスで自分らしく生きているマダムたちから、そんなことを教えられた気がします。


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