「良い」ユーザー体験とは何か
今回のお話
昨今どのプロダクトやサービスや商品含めて、全ての企業がユーザーファーストにビジネスを進めるということはよく耳にします。
しかし、ユーザーファーストとは、ユーザー体験とは一体なんなのでしょうか。
今回はユーザー体験について考えていきましょう。
ユーザー体験とは
ユーザー体験とは、様々な定義があります。
例えば、Wikipediaを紐解くと以下の様な定義がされています。
ユーザーエクスペリエンス(英: user experience)とは、人工物(製品、システム、サービスなど)の利用を通じてユーザーが得る経験である。しばしば「UX」と略される。「ユーザー経験」「ユーザー体験」などと訳される。よいユーザーエクスペリエンスを達成するために、ユーザビリティ工学、インタラクションデザイン、ユーザー中心設計 (UCD) あるいは人間中心設計 (HCD) などが実践される。
これでは、なんとなくわかるようでわからないですよね。
ユーザー体験とは、ユーザーが体感する経験であるとは、ある意味情報量がゼロです。間違えましたZEROです。
共感しやすい定義で言うと、この記事では、以下の様に定義されています。
商品そのものではなく、商品の購入から利用までを含めた「商品に関する様々な体験の積み上げ」が顧客体験だ。
確かに、サービスを利用するところから利用時まで含めたそれに対する様々な体験の積み上げというのは、納得性が高いですよね。
ただ、体験と言う言葉がまだ抽象度が高い概念の様な気がしています。
私が定義するユーザー体験
この定義をもとにして、私なりに解釈するユーザー体験を以下の様に定義してみます。
サービス・プロダクトの利用前から利用後までを含めた「サービス・プロダクトに対して発露する感情の累積和」
以下の記事で紹介されている様なものを言語化した定義になります。
身近な体験で振り返ってみても、最初の出会いは悪かったが今では大好きなものなんていくらでもありますよね。その逆もまたしかりですが。
ユーザー体験とは、あらゆる時間軸においてそのサービスやプロダクトと接触した際に、感じる思いの積み上げなのです。
そう考えると、ブランディングやプロモーション、販促や営業活動などサービス・プロダクトに関する企業からユーザーへの全てのアプローチが、ユーザー体験を形成していくのです。
私自身もWEBサービスに関する仕事をしていますが、我々もクライアントもWEBで閉じる行為をどうしてもUXと考えがちです。
しかし、ユーザーというのは、そのサービスのみを利用する人ではありませんし、様々な年齢や価値観、これまでの人生観があり、ある特定のシーンでサービスにたどり着いたり、利用していただくのです。
では、「良い」ユーザー体験というのはどういうことを指すのでしょうか。
「良い」ユーザー体験とは何か
「良い」ユーザー体験とは、利用シーンで極限にユーザーの感情を揺さぶるものを生み出すこと
個人的には、そう考えています。
そう思う理由ですが、これを知って以降、この言葉が頭から離れないため常にどうあればそうなるのだろうかということを考えています。
シーンで必ず使われるモノを作れ
まさにこれを参照していますが、確かにそうですよね。
よく「自分の感覚にビビッと来た=琴線に触れる」という慣用句があるように、自分がこれはすごい、やばいと感じるサービスやプロダクトってその利用シーンで機能的や情緒的な価値がずばぬけていることが多いですよね。
この状態を生み出すために多大なコストや時間をかけてプロモーションをしたり、イシューを見つけるのに必死になったりします。
マーケティング用語では、マインドシェアという言葉があります。サービス・プロダクトがユーザーの頭の中でどの程度の割合を占めているかというような意味をさす言葉です。
その言葉を利用すると、「良い」ユーザー体験とは、サービスやプロダクトのマインドシェアNo.1の状態ということにもなります。
そしてそれは、カテゴリではなく利用シーンでということに留意してください。
最後に
今回はユーザー体験という昨今よく聞く言葉について考えてみました。
なんだかわかりそうでわからないような言葉で掴みづらい概念ですが、よく考えてみるとものすごく身近なもので誰しも理解可能なものとも思います。
ユーザーの感情や利用シーンがスピード感持って変遷していったり、多様性があり、一つの武器では乗り超えられない時代になっていると感じています。
その中で、いかに特定の利用シーンで戦えるユーザー体験を生み出していくか。手数を増やして、ユーザーにアプローチし、憑依合体、さらにいうとオーバーソウル(ユーザーのパッションを更に引き出すことの比喩)を体現することのできる人やスキルが今後求められるものだと痛感しています。
諦めの悪さと走りながら学習し、併走者を増やしていける人が、ユーザーの感情を揺さぶる面白いプロダクトを作る世界に来ていますよ。
易きに流されず、日々手を動かして匍匐前進していくことをしていかないとですね。
それでは、また。
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