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自律と制約

今回のお話

リモートワークになり、難しいのはコードボールを誰がどう対象するかというところにあります。

担当者が定まっていなかったり、曖昧なまま進行していたりすると誰も拾わず納期ギリギリになってようやく動き出すそんな状態のことを自分はコードボールと呼んでいます。

その背景には誰かが進めてくれるという淡い期待があります。

その期待とは裏腹にコードボールは躊躇なくネットキワキワに自分たちのコートに落ちてくるのです。

今回は、自律と制約について考えていきましょう。

自律と制約

自律とは、自分で律することであり、ビジネスにおいては与えられた仕事だけではなく仕事を作り出したり自分の領域を広く動くことでもあります。

先程のコードボールの例のように、チーム内の各メンバーが領域外だと認識してしまったところにある仕事はどうすればいいのでしょうか。

そもそもサラリーマンという性質上、領域が広い人はあまりいません。なぜかというと、制約があるからです。

意思決定の制約、裁量の制約などなど。
行動したくてもできないが故に制約を強く感じてしまうのです。
ただ実際には制約というのはそこまできつくなく意外と動いてみるといけるものでもあります。

そのため、コードボールを拾うためには制約をいかにコントロールするかということになります。

制約のコントロールの方法としては、以下があります。

・制約の領域を認識させる
・制約を取っ払う
・制約を活用する

自律を促す上では制約の領域を認識させることが重要かと思います。

良かれと思ってやったら怒られるなんてことはよくあります。
あれは、単純に良かれと思ってやったことが良くなかったというケースもありますが、裁量の範囲=制約を認識させていないことにあります。

ただ多くのマネジメント層は定義しないまま制約を課していることが多く見受けられます。

例えば、顧客に提出する資料の作成という仕事があり、作るのも顧客に提出するのも自分でありながらマイクロマネジメントスタイルで報告やチェックをしすぎてしまう上司がいます。

ここに潜む問題は、その人にとってどのレベルまでの資料をチェックすべきか、上司がどんな観点でチェックするのか、何の意図で行うのかなど制約条件を伝えていないことにあります。

これをしないことによる一番のデメリットが、自律性がつかないことです。
アウトプットの質の評価やスピード感を持った対応などが難しくなり、自己判断ができなくなります。

結局上司の意見を仰ぐような働き方になってしまうのでマネジメント層の思惑と部下達の自律性の欠如でlose-loseになってしまいます。

従ってマネジメント層から適切に制約を提示してあげることと部下としても制約の仮説を上司に当てにいくということで少しずつ認識を揃えていくことが大切となります。

次に制約を取っ払うということですが、制約とはボトルネックと読み解くこともできます。

ボトルネックのデメリットはスループットが下がることです。
要は、アウトプットの量とスピードが落ちるということです。

仕事の目的はなんらかの成果を達成することにあります。
とするとアウトプットの量やスピードを上げていくことが大前提となります。

そのため、制約をいかに取っ払うかということを考える必要もあります。

今一日の仕事を振り返った時に改善可能や排除可能な仕事はどれだけあるでしょうか。
また自動化や効率化可能な仕事はどのくらいあるでしょうか。

これを考えることが制約を取っ払うことに繋がってきます。どうしても現状維持バイアスが働くため、非効率を気合や頑張りでカバーすることが本当に良くないと思っています。

IT化が進まないのも一つは非効率を気合でカバーすることでマネジメント層から見るとこれでいけるじゃんと認識させてしまうことです。

リソースが限られている中でアウトプット量を増やすにはインプットの制約を取り除いてあげることが大切になります。

そして最後に制約を活用することです。

先程は制約をボトルネックという意味で使いましたが、ここからの制約はガイドラインという意味で使用します。

例えば会議はきっちり40分以内にし、アジェンダが決まっていないものや共有のための会の場合は開催しないと決めるとかです。

こういった条件もひとつの制約です。
スポーツも制約があるためにその中でいかに効率的にパフォーマンスするかということがありますよね。それと同じです。

効率化や生産性を上げるといった観点からガイドラインを示してあげることは良い動きになるかと思います。

最後に

自由裁量が自律に結びつくとは思ってはいません。また締め付けすぎも自律には結びつきません。

要はバランスなのです。
6:4とか7:3なんていう風に組織の風土や目的に応じて制約を緩めたり締めたりするのが大切です。

個人的には、今までこうやってきたからそれでよろしくと言われた時が一番カチンときます。
もちろん内容にもよるのですが、効率化やスピードUPできるかという思考を停止しているのもさせられるのも辛いからです。

自律の対義語は思考停止だと考えています。
そういう意味では、この記事の意図するところは、いかに組織に思考停止マインドを植え付けないかということに集約されます。

いつも思考停止していないかということに気をつけて行動したり、振り返ったりしないといけないはずです。

世の中どかんと効率化はされません。緩やかに変化します。そこで諦めて思考停止するのではなく緩やかだがリーンに変えていくことをしていくというのが制約を広げることであり、自律に繋がるのだと思います。

それでは、また。

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